2007/12/20

バレンボイムのスーパー・ピアノレッスン


バレンボイムがベートーベンのピアノソナタを教材に、現代気鋭の若手ピアニストを相手にマスタークラスの公開レッスンをしている映像をNHK BSで大分前に観た。その中にランランがいて、彼は「熱情ソナタ」を弾いている。バレンボイムは聴き終わってからランランに辛口の講評を口にしながら、手本となる弾き方をコーチする。弾き直したランランの演奏は明らかに違いがあるように私の耳には聴こえたのだが、今日の朝日新聞に音楽評論家の重鎮である吉田秀和さんは、実は大して変わらないと書いている。DVDを買ってもう一度見直してみるつもりだ。吉江一男

2007/12/04

DJ PATEXX

今朝J-WAVEから♩son nano kankee,son nano kankee,son nano kankee nee♩ってラップする面白いトラックが流れたので調べたら、その名はDJ PATEXX. MY SPACE(http://www.myspace.com/patexxx)でダウンロードができると知り覗いてみた。日本人が制作に関係しているように思うが、素早い流行ネタをJAMAICAN RAPにするフットワークを褒めたい。もともとこの手のお笑いミュージックは大好きなので、クリスマスまではこれで楽しめそう。その後の新ネタ待ってます。吉江一男

2007/11/27

Wyclef Jeanの新作


アトランタ・オリンピックの真最中1996年7月19日から、私はジャマイカのキングストンにCM録音のためにいた。20日に空港に近いレスランで食事をしていたらブラジル人が大勢いて、明日の試合は絶対にブラジルが勝つから見ていろ、と上機嫌だった。しかし21日の試合で軌跡が起ったのである。あの、マイアミの軌跡だ。翌日同じレストランに行ったら連中がいて、意気消沈ガクっとしているので、ラム酒をご馳走してあげた。それはさておき、その頃フージーズが大ブレーク中で、リミックス・エンジニアのハンゼル・タッカーのスタジオにオーバーヒートの石井さんに連れられて行った。その時に丁度ローリン・ヒルのあの[Killing Me Softly]のリミックスをやっていたのでした。とにかく延々と続くそのモニターの音量のバカデカさに、我々が普段やっているものとは全く違うことを知らされた。ヤマハ10Mもデカク聴くので破けちゃうからラッカーでスピーカーを塗りつぶし固めてある。そのフージーズの中心メンバーだったWyclefの10年振りのアルバムを聴くと胸が熱くなり、賞賛の言葉がなかなか見つからない。音楽でこんなに自由になれるって素晴しいことだと思う。吉江一男

2007/11/26

久し振りのLA録音

先週は連休を上手く使って、LAにストリングスと木管とハープを録音するために行って来た。80年代はトランペットのダビングだけのために行ったりしていたが、最近は制作現場の状況が変わってしまいチャンスがない。日本のCMはとにもかくにもVOICE OVERが多いので、どっちみち音楽なんか聴こえないとの諦めが制作者自身にあり、感動に対する拘りがなくなってしまった。以前にも言いましたがそれは私達の問題でクライアントではありません。いくらVOICE OVERが多いのなんのと言っても良いものは良いのですよ。良い物とはどういうものか?それは一言で言うと強い愛とプロ意識によってできるのだと思います。そんな思いでスタジオに開始時間の30分前に入ると、ミュージシャン達は全員揃っていてウォーミングアップをしているではありませんか。日本で30分前にスタジオ・ミュージシャンがウォーミングアップしているのを見たことがありますか? No, NEVERですよね。インペク屋さんにクレームしてもこれは直らないのです。レストランだってオープン前に仕込みをするでしょう。本来は当たり前のことなのに、日本ではそんなことを言ったらギャラをその分よこせと来る。LAでは、白人、黒人、アジア人、ラテン系と多種多様な音楽家達がスコアーに真摯に向き合ってくれる。そしてその多様なカルチャーから出て来る音が日本で録るのとは違ったテイストを作り出す。オケは生ものなので演奏家と指揮者で大きく変わってしまうから、きっとその違いがTV放送された時に必ず出て来る筈です。吉江一男

2007/11/07

ビルボードライブ東京


久々の投稿です。先日、念願のビルボードライブ東京に行ってきました。8月にミッドタウン内にオープンして以来、数々の大物アーティストが来ています。オープニングを飾ったスティーリー・ダンの公演には是非とも行きたかったのですが、残念ながら見逃してしまいました。
今回、私が観たのはR&B界のディーヴァと称されるAmerie。バックバンドとダンサーを引き連れてのパワフルなライブで、Amerieの歌声とダンスのレベルの高さに圧倒されました。
ビルボードライブの贅沢な空間には感激です。少人数制で、どこの席からもステージを近くに感じられ音響も素晴らしいです。弊社のオフィスから非常に近いので、これからはもっと頻繁に行きたいと思っています。(ちょっとチケット代が高めですが。。。)今後どんなアーティストが来るか楽しみです。
市川祐子

2007/11/06

Eagles[Long Road Out of Eden]


Eaglesは70年代私が最も数多く聴き込んだバンドだ。LAに住んでいた72年に初ライブを観た。またリンダ・ロンシュタッドのライブではバーニー・リードン(Eagles創設メンバー)がいて、Take It Easy(Eaglesデビューシングル)をジャクソン・ブラウンとデュエットしていた。あの頃のロス・アンゼルス(LA)にはリンダをはじめジョニー・ミッチェル、アンドリュー・ゴールド、JDサウザー、ジェームス・テイラー、カーリー・サイモン、カーラ・ボノフ、スティーブン・ビショップなどがいて光輝いていた。ニューヨークから来たアート・ガーファンクルが多くをLA録音で制作した[BREAKAWAY]は名盤だ。DISNEY GIRLSでアンドリューが弾いているウクレレとアコギ、[I ONLY HAVE EYES FOR YOU]ではドラムス、ピアノ、ギターを弾いているのだが、ガーファンクルの風のようなボーカルにLA・サウンドが気持ちよく馴染んでいる。去年ヒットした[You're Beautiful]のイギリス人歌手ジェームス・ブラントも録音とミュージシャンはLAである。いつでもLAは暖かく乾いていて心地良い。そんな大好きなLAからぎっしりLAが詰まった[Long Road Out of Eden]と名付けられたニューアルバムが届いた。美しいアカペラから始まり、2曲目のシングル曲[How Long]は72年にJDサウザーがデビュー作として発表した[John David Souther]に収録されていた曲だが、カントリーロック調で力の抜けた演奏は未だにEAGLES健在を示す。特にグレン・フライのボーカルは力強くてスイートだ。ドン・ヘンリーは少しパワーが落ちているとはいえ、憂いを帯びたシャギーな声は魅力的だ。ドンフェルダーが抜けてしまったのは残念であるが、逆にティモシーとジョー・ウォルシュの4人の強固な結びつきを感じる。最近街に出る時は秋風に吹かれながらもっぱらこれである。吉江一男

Always続3丁目の夕日

先週土曜日は六本木シネマで早速Alwaysを観て来た。すべてが生のオーケストラ録音で、そのオーケストレーションと録音において佐藤直紀の腕前は以前にも増して一段と磨かれていた。エンドロールに流れる藤原基央(Bump of Chiken)の曲がまたグッとくる。俳優達はあまり好きじゃないが、、、おじさんやっぱり泣けちゃいます。吉江一男

2007/11/02

ACCフェスティバルのパーティー

昨日はACCが年1回開くコマーシャル・フェスティバルの授賞式とパーティがあった。今年の音楽賞は資生堂企業広告の作詞をした演出家の中島信也さんと作曲・歌を担当した熊木杏里さんが受賞した。CMの日に一回だけ放送されて話題になった例のCMです。受賞者の熊木さんのライブがあり私はステージ前に陣取って聴き入ったのでした。受賞曲「新しい私になって」を歌った彼女は、宴会場で酒が入り決して良い環境ではないセッティングの中で素晴しいパフォーマンスを披露しました。特にピッチの正確さには脱帽です。全くの新人が一回きりの放送にも拘らずこんな成功を収めることができるんですね。TV CMにはパワーがなくなって来たと言われていますが、まだまだ捨てたもんじゃありませんよ。それにしても中島信也さんの芸の広さにも驚きますね。吉江一男

2007/10/30

葛西薫さんの個展が始まる



昨晩より銀座ギャラリ−8にて葛西さんの個展が始まった。中川俊郎、渡辺とレセプションに出席した。彼の今までの40年間の作品をみていると穏やかな気持ちになる。CMは先ずインパクトが大事な要素と言われ制作者はそれに毎日腐心している。でも葛西さんはそんな世界とは無縁な場所にいるように思える。そこにはきれいな空気が流れ柔らかな風が吹いている。吉江一男

2007/10/29

RED SOXがワールドシリーズ制覇

やりました。優勝です。昨日今日と流石の岡島選手も疲れが溜まっていたようですが、逆転されずに投げ抜いたんですから天晴です。
特に2戦目の4奪三振は見ていて興奮しました。欲を言えば、3勝2敗でフェンウェイに戻り地元胴上げを見たかったです。松坂も日本人投手初出場初勝利だし目出たし目出たしです。ロッキーズは実力差がありすぎて可哀想でしたが、、、、これで今年も残す所僅かになり寂しい気持ちになりますが、来年もまた岡島選手をはじめ日本人選手の活躍を見るのが楽しみです。吉江一男

2007/10/23

RED SOXがワールドシリーズへ

松坂と岡島の大活躍でRED SOXはWSへの切符を手にしました。5回までを2点と好投していた松坂の後を任された岡島は、Okajima OKI-DOKIの爆音が流れる中で登場し、2イニングを0点に抑えたのでした。シリーズ出場を決める最終試合のプレッシャーの中で松坂は勝利投手になりました。過去プレーオフで日本人投手が勝った例はないので偉業を達成した訳です。最近柔道や、サッカー,バレー、ゴルフと劣勢に立たされている日本人アスリートの現状の中で二人の活躍は大きな喜びです。24日から松井稼頭央のいるロッキーズとWSがスタートします。今年の秋は芸術ともうひとつ楽しいプレゼントがやって来ました。OKI-DOKI!!!!!!Kazuo Yoshie

2007/09/18

TATAMIが全米とカナダで配信スタート

TATAMI[LOVERS AT FENWAY PARK]がついに8/12より全米とカナダのiTunes Storeから配信スタートしました。NHKのメジャーリーグ放送は先日のヤンキース3連戦の初日に岡島が登場すると、バックに流れているテーマソングOkajima OKI-DOKIを紹介していました。この曲は現地ボストンですっかり定着したようです。それと同時にダウンロードも増えてきたようでなによりです。戦況はヤンキースの巻き返しが激しくなり最後まで予断を許しません。頑張れ岡島!!

2007/09/17

9月20日PETETOTOK4@すみだトリフォニーに中川俊郎が出演!

梶俊男と神長貞行、二人の作曲家が企画プロデュースする現代音楽コンサート【PETETOK】のシリーズ4回目となる公演が、今週20日(木)19時から、すみだトリフォニーホール小ホールで開催されます。今回は「声(VOICE)を取り入れた室内楽」がテーマになっていて、神長貞行、中川俊郎、新垣 隆、梶 俊男という個性溢れる現代作曲家たちが、それぞれに捉えているVOICEの世界を聴かせてくれます。中川(pf)は、松平敬(Voice)を迎え、「主の祈り[Pater noster]」(世界初演)を演奏します。どうぞご期待下さい!!

2007/09/11

芸術の秋がやって来た

まだまだ蒸し暑さが続いていますが夕方になると秋の気配が感じられるようになりました。この時期になると何故か寂しく切なくなってしまうので、毎年コンサートを大量に聴きに行って癒されることにしています。先週は五島龍くんが左手だけで延々と弾くピチカートに驚かされたり、元気な現代音楽がいっぱい発表されたMUSIC TODAYなど充実した5日間でした。でも一番グッと来たのはチョン・ミョンフンさんと東フィルで、コダーイのガランタ舞曲やドボルザーク交響曲7番第2楽章は鳥肌ものでした。
きっと彼達が一番多くの時間をリハに費やしているのではないでしょうか。チョンさんの優しく美しいフォルテシモにいつも癒されます。吉江一男

2007/09/04

TATAMIのOkajima OKI-DOKIが披露される

9/2本拠地FENWAY PARKで遂にOkajima OKI-DOKIが披露されました。オリオールズ戦の8回に、テーマソングをバックに岡島投手が登場。自慢のチェンジアップ、通称[OKI-DOKI BALL]で2者連続三振に仕留め無失点でした。ノリの良い曲に松坂投手も軽やかに腰を振っていたそうです。吉江一男

2007/08/30

TATAMIの記事修正

Boston HeraldYahooに8/25付けでOkajima OKI-DOKIが掲載されましたが、内容を少し訂正させて頂きます。私が作ったかのように報じられていますが、制作したのはBOSTONを拠点に活動しているユニットTATAMIです。このユニットは名前からして得体の知れない感じですが、メンバーそれぞれのバックグランドは鼻に付く位に高学歴なエリート達です。今後もプレーオフに向けて岡島選手とTATAMIの応援をお願いします。吉江一男

2007/08/29

Okajima OKI-DOKIが全米テレビで

Bostonから連絡が入り、Red Soxは8/26に行なわれたChicago White Soxx戦で11−1と大勝し、ESPNの試合後のインタビュー時にOkajima OKI-DOKIが爆音を響かせて流れていたそうです。アメリカを代表する投手のカート・シリングはインタビューの中で「この曲を流すと勝っちゃうんだよ、ゲン担のために使っているんだ」と言っていたそうです。嬉しいではありませんか。プレーオフ進出をかけて最終シーズンに入り、こちらも自然にヒートアップしています。頑張れRED SOX,吉江一男

2007/08/28

TATAMI [Okajima OKI-DOKI]がRED SOXクラブハウスで、、、

私は今最後の夏を楽しみにThe Windsor Hotel洞爺に来ています。来年のサミットが開催されるホテルです。それはともかく携帯に思わぬ朗報が入った。それはBOSTON RED SOXで大活躍している岡島投手の通訳であるジェフ山口氏からで、彼が試合終了後のクラブハウスでOkajima OKI-DOKIをかけたところ、メンバー皆が踊りだし狂喜乱舞したとのこと。それを見ていたフランコナ監督が試合中に応援歌として流すように指示。山口氏は著作権の問題があるのでそれを聞きたくて私に連絡をしてきた訳です。もちろん私の返事はYESです。RED SOXが自分達用に使ってくれるんだったら名誉だと思いますと伝えました。オフィシャル応援歌になって全米で流れるのを心待ちにしています。吉江一男

2007/08/22

TATAMI第4弾「FENWAY PARKの恋人達」本日発売


FENWAY PARKはBOSTON RED SOXのホームグラウンドで全米最古の球場です。BOSTONを本拠にするTATAMIの、この球場をテーマにしたラブストリー[LOVERS AT FENWAY PARK]が本日より配信開始されました。全4曲収録で、Okajima OKI-DOKIから始まり、球場内外で繰り広げられる人間模様が描かれています。TATAMIは3月20日にクラシック曲のカバーアルバム[NU-CLA-SICK]でデビューし、i-TMSでは今現在もTOP 20(R&B)にランクインしています。また携帯サイトCLUB ZIONでは収録曲JOYFULと、第2弾シングルのANNIVERSARYが1、2位を奪い合っています。デビュー5ヶ月目にしての今回のオリジナル・アルバムは、ポップに進化続けるサウンドと、ポルトガル語やスワヒリ語の歌詞などユニットの特徴が良く出ていて楽しめます。TATAMI - Lovers At Fenway Park - EP - Okajima OKI-DOKI
パーティーにはお薦めです。吉江一男

2007/08/20

「遠くの空に消えた」


「世界の中心で、愛をさけぶ」、「春の雪」などのヒットメーカー・行定勲監督の最新作「遠くの空に消えた」を観に行ってきました。監督が「何かを信じられなくなった時、信じ続けるパワーをくれる映画を撮りたかった」と語るこの作品は、構想から実に7年もの間温め続けてきたという大作。
空港建設を巡って揺れるある村を舞台に、この村に転校してきた少年と地元の悪ガキ少年、不思議な雰囲気をまとった少女の交流と、彼らによって引き起こされる“奇跡”を描いたファンタジックムービーです。
音楽は、めいなCo.(めいなカンパニー) が担当。演奏陣には、梅津和時、ASA-CHANG、斉藤ネコ、バカボン鈴木、松本治、中尾勘二といった凄腕ミュージシャンが参加して、町の楽隊風な楽しく可愛らしくも、ちょっと毒のある音楽を聴かせてくれます。
主題歌「甘い香り」は、行定監督の直々のラブコールを受けて実現したCoccoの初の書き下ろし!監督が作品の中で伝えようとした、子供の頃の素朴でみずみずしい思いを呼び起こしてくれるようなノスタルジックで清々しい楽曲です。サントラには、アルバムとは別ヴァージョンが収録されていて、聴きごたえたっぷりの一枚になっています。さらに、本編中にCocco本人がサプライズ出演を果たしている...なんて情報も飛び交っているのですが、全く発見出来なかったので、再チャレンジしてみたいと思います。。。成田英理子

2007/08/15

Bjork/VOLTA


彼女の最新アルバム「VOLTA」を聴いていると、耳に溜まっていた垢が削り取られ、眠っていた脳みそが呼び醒され、身体全体の細胞が生まれ変わったような、なんとも清々しい気持ちにさせられる。そして僕の心の奥に残っている高貴な部分が震えた。吉江一男

2007/08/14

バーンスタインの曲を使ったCMがカンヌ国際広告祭で・・・

レナード・バーンスタインは私が最も好きな作曲家の一人で、特にミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』は傑作です。そんな『ウエスト・サイド・ストーリー』の中の曲『I Feel Pretty』を使ったCMが、今年のカンヌ国際広告祭・フィルム部門の”Best Use of Music”のカテゴリーで金賞に選ばれました。アメリカで制作されたナイキのCMでテニスのシャラポワ選手が出演しています。
シャラポワが宿泊先のホテルから試合会場へ行く間、周囲の人たちは順々に『I Feel Pretty』を歌っていきます。最後に試合会場の観客が一斉に歌っているところでシャラポワが強い球を打ち、曲がストップします。
既存曲をBGMのように流しているCMが多い中、CMのコンセプトと曲が合っていて音楽が内容を物語っているこの作品が金賞に選ばれたのは、納得です。
このCMの動画はコチラから!
市川祐子

2007/08/13

みんなCM音楽を歌っていた


田家秀樹著の「みんなCM音楽を歌っていた~大森昭男ともうひとつのJ-POP~」という本が、今月6日に徳間書店より発売になりました。この本は、スタジオジブリの機関誌『熱風』での約2年に亘る連載を単行本化したもので、CM音楽プロデューサー大森昭男の仕事を軸に、CM音楽の歩みと関わった人たちの人物像を通して、その歴史を綴ったとても読みごたえのあるものです。
そして、その中の一人に、弊社代表・吉江一男が、"広告音楽制作者の第二世代"として取り上げられ、会社設立時の目標や「ぴっかぴかの一年生」「冬のリビエラ」「オーバーナイト・サクセス」など手がけた作品について語った内容が紹介されています。
さらに、"レコード音楽にないCM音楽の面白さ"という項目では、弊社プロデューサー渡辺秀文が最も長い間担当しているサントリー「ウーロン茶」の制作エピソードも紹介されています。
CM音楽の歴史と共に、会社の歴史を垣間見ることの出来た貴重な一冊です!成田英理子

2007/08/09

百瀬慶一とALAN MEYERSONとサウンドデザイン

PIRATES OF CARRIBEANやTRANSFORMERSを観るとそのサウンドデザインの凄さに驚かされる.緻密に計算されたサウンドデザインに裏打ちされたスコアーと、そのオーケストラ録音におけるALAN MEYERSONの技術は郡を抜いている。また先に行かれてしまった感じで悔しい。大友克洋のSTEAM BOYでALAN MEYERSONと共にサウンドデザインを担った百瀬慶一さんは日本が世界に誇るデザイナーです。彼が興した富ヶ谷のmediarteから世界レベルのサントラが発信されることを楽しみにしています。吉江一男

2007/08/07

あまりにも酷いパクリ

CM音楽のパクリがエスカレートしている。大手出版会社もそれには神経を尖らせている。彼等の知らないうちにネットに書き込まれて権利者の目に入り、管理会社に対応を迫って来るのでそうせざるを得ないのである。CM制作者の皆様もうこんなこと止めましょうよ。どこかの国の段ボール肉まんと同じじゃないですか。吉江一男

2007/08/02

TATAMIは狂っている


Bostonで結成された多国籍ユニットTATAMIのDebut Album[NU-CLA-SICK]の発売日がいよいよ来週8/8に迫って来た。このユニットはそのネーミング、メンバー、アルバムタイトル、ロゴデザイン、どれをとっても世間に逆らって狂っている。実態のはっきりしないこのユニットの音はすべてiTMSの先行配信から始まり、その後も極限られたサイトだけだし、全国規模のCMタイアップが付いてもインディーズからのCD発売と、売り方も狂っている。今日のCLUB ZION FULLでのランキングは1、2、3フィニッシュで、これも狂ってる。何万枚売るとか、マディソン・スクエアーガーデンで演奏するとか、大きな映画やCMに出演するとか、そんな目的はまったくないらしい。目的を持たずにその時々で作りたい音楽だけを作っている。ずっと狂い続けて欲しい。吉江一男

2007/07/30

細野晴臣と地球の仲間たち@日比谷野外大音楽堂


先週のクラムボンliveに続き、二週連続で日比谷野音に行って来ました。
今年4月に発売された「細野晴臣トリビュート・アルバム」に参加したアーティストたちが出演する豪華な一夜。ヴァン・ダイク・パークス(なんと唄を初披露!)、坂本龍一、高橋幸宏、嶺川貴子、高野寛、畠山美由紀、口ロロらに加えて、以前CMでVocalをお願いしたことのあるハミングキッチンのイシイモモコが、原田郁子のピンチヒッターとして登場してました。高野寛と一緒に唄った「終わりの季節」がとっても優しく響いてきました。
そして、このイベントで忘れてはならない陰の主役はなんと言っても竹中直人!!出演者の多いこのイベントは頻繁にセッティングチェンジがされるため、その繋ぎ役として度々登場して観客を飽きさせないように笑わせてくれる粋な演出でした。
この日出演したヴァン・ダイク・パークスには、細野晴臣がはっぴいえんど時代にアメリカで出会い、その時に、彼からphotoshop(画像編集アプリケーションソフト)にレイヤー(互いに重ね合わせることの出来る画像の単位)があるように、音楽にも多重録音というやり方があるということを教わったそうです。ProToolsが一般的になった現代では、ごくごく当たり前のやり方ですが、この当時はきっと衝撃的なことだったんでしょうね....。成田英理子

2007/07/23

FENWAY PARKでRED SOXの試合を観た


FENWAY PARKはBOSTONにあって、RED SOXのホームグラウンドだ。アメリカ最古のこのボールパークでは数々の名勝負が行なわれ、地元ファンの応援は全米で最も熱く、チケットの入手は困難を極める。今回ある伝手でカンサスシティー・ロイヤルズとの一戦をバックネットで観ることができた。日本の野球も観に行くのだが雰囲気が全く違う。まずグラウンドと観客席が近く、バックネット以外内野にはネットが貼ってなく、フェンスが低いので、選手との一体感を感じることだ。ボールにアタル危険も増えるが、(素手で)ボールをキャッチすることも楽しみのひとつ位に考えていれば更に面白くなる。でも一番の違いは、のべつ幕無しに金太鼓を鳴らしてはしゃいでいる日本に比べ、観客の野球の見方楽しみ方が大人なのである。今年は松坂、岡島の活躍もあって地区優勝は固いので、ワールドシリーズで優勝してくれるでしょう。それと松坂の応援歌も作られてオンエアーされているので、岡島の応援歌もないとまずいよねということで、BOSTONのユニットTATAMIが作っちゃいました。近々In Storeです。吉江一男

クラムボンLive@日比谷野外大音楽堂


先週末、クラムボンにとって毎年恒例、日比谷野音でのワンマン・ライブを観に行って来ました。私がこの場所でクラムボンを観るのは今年が2回目。ここへ来る度に、東京のど真ん中にいるのに、緑に囲まれて風を感じながら... 夕空を眺めながら...しゃぼん玉をとばしながら...のライブは、なんて開放的で気持ちいいんだろうと思います。
会場には、♪ちょっとぜいたくなビール〜で、おなじみのYEBISU ザ・ホップが売っていて(クラムボンがCM出演しているので当然ですね)、ステージの途中では、CM同様「第三の男」を唄い始めて、観客も緑色のエビス缶を片手に掲げて大合唱!!クラムボンの3人も、観ている私たちも、気負わずにお酒を飲みながら、彼らの音に酔いしれたリラックスモード全開の楽しいライブでした。8/2(木)には、日比谷野外小音楽堂でのフリーライブ開催が決定しているそうです。
それにしても、この日の日比谷野音は、右を見ても左を見ても、郁子風の女子とミト風の男子ばかりだったなぁ...(笑)成田英理子

2007/07/17

ベッカムのCMとビートルズ

私は今ニューヨークにいます。スポーツ専門チャンネルESPNでベッカムのCM「Say hello,America」が流れている。彼はレアルマドリードからLos Angelesに移籍するのでその歓迎のキャンペーンCMだ。音楽はビ−トルズの「Hello Good-bye」が使われているのだが、心憎いまでので演出で流石だと思う。ベッカム様、あなたはレアルに「You say good-bye」そして私達はあなたに「I say hello」という訳で、制作者の選曲の意図が良く理解できる。これに比較して日本のCMは選曲の意図が曖昧で脈絡のないものが多い。最近はそのやり方が遂に日本のスタンダードになってしまった。どうにかならないものか、、、、、、?吉江一男

2007/07/16

「アラカルトカンパニー」


中川俊郎がサントラを手がけた最新作[Genius Party]の「上海大竜」に対して、「アラカルトカンパニー」は処女作。1987年に公開された青春ムービーで、この作品が監督デビューとなった太田圭が実際のパリでの生活をもとに脚本・監督を担当。主演は、今なお、"女性が憧れる女性"の代表的な存在・今井美樹、尾美としのり、原田芳雄など、20年前のキャスティングとは思えないほど個性派揃い。映画全篇にさり気なくコミカルな要素が散りばめられていながら、ちょっぴりシリアスな部分もあって、最初から最後まで飽きさせない映画です。今はレンタルでもほとんど取り扱われていないのが残念ですが...数々のCMにも使われた「茜のテーマ」や「A LA CARTE COMPANY」などが収録された、この幻のサントラはiTunes Storeで購入できます。この機会に最新作vs処女作を聴き比べてみてはいかがでしょう...成田英理子

2007/07/12

Genius Party サントラ


日本が世界に誇るアニメーション制作集団4°Cによる[Genius Party]が全国公開されている。この映画は7人の監督によるオムニバス形式で、河森正治監督の「上海大竜」を中川俊郎と井筒昭雄が音楽を担当した。前半は中国語の台詞が字幕なしで展開される強気の演出で、河森監督の意気込みが感じられる。他の作品もどれをとっても映像が素晴しい。そして音楽家も竹村ノブカズ、FENNZS、菅野よう子など面白い人達ばかりで見応えがあり楽しめる。「上海大竜」の音楽プロデュースは弊社新人の福島節が担当したがバトルの結果は如何に。吉江一男

2007/07/10

Bossa Novaの歴史がわかるドキュメンタリー

数日前からサントリー・プレミアムモルツのNewバージョンCMが流れ始めました。今回は「花火篇」で、音楽の”Shall We Dance?”は夏らしくボサノヴァ調アレンジです。
日本でのボサノヴァ人気はブームというよりも定着している気がします。私もボサノヴァ好きで、昨年はセルジオ・メンデスの来日公演へ行き、普段もボサノヴァ・アーティストのCDをよく聴いています。
嬉しいことに先日、ボサノヴァの歴史を描いた映画「This is Bossa Nova」の試写会に行く機会がありました。ボサノヴァの生みの親といわれるアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトをはじめ、ボサノヴァの誕生と発展にリアルタイムで関わり現在も活躍しているミュージシャンの映像と証言で綴られた音楽ドキュメンタリーです。1950年代終わりのリオデジャネイロの風景や社会背景を観ていると、どのようにしてボサノヴァが誕生したのか自然と理解することができました。
この映画を観た後はボサノヴァの曲を聴くたびに映画に出てきたコパカバーナの美しい海岸風景が目に浮かぶようになりました。「This is Bossa Nova」は8/4より渋谷Q-AXシネマほか全国にて順次公開だそうです。
市川祐子

2007/07/09

NHK-FM「現代の音楽」に中川俊郎が出演


毎週日曜日夕方6時から放送されているNHK-FM「現代の音楽」で、7月15日・22日の2週にわたり『日本の作曲家・中川俊郎』と題した特集が放送されます。2006年3月に東京オペラシティ・リサイタルホールで収録された「マンボ7/8」(コントラバス:池松宏)、「サクソフォンとピアノのためのピエタ」(アルト・サクソフォン:須川展也)など、まだ音源化されていない中川俊郎の作品に触れられる貴重な内容です。パーソナリティ・西村朗×中川俊郎のトークも楽しみですね。お聞き逃しなく!!成田英理子

2007/07/05

矢沢永吉

昨晩はNHKで矢沢永吉の番組が放送されていた。私はキャロルが活躍していた頃アメリカにいたので彼の音楽を身近に感じたことがなかった。何となく見ていると「もう一人の俺」という曲を布袋寅泰と二人で歌い始め聴き入ってしまった。これは以前サントリーBOSSのCM用に作られた曲で、去年も本人出演のTBCのCMに使われていた。よーく聴いているとなかなか味のある歌詞なのだ。「時間よ止まれ」もそうだがやはり名曲は歌詞がいい、、、、とこんなことを書いておきながら、手前味噌になりますが、この歌詞は弊社プロデューサー渡辺秀文が書いたものです。矢沢さん出演のサントリー・プレミアムモルツも渡辺が担当しているので、二人はなにか相性がいいのかも知れません.吉江一男

2007/07/03

音楽サンプルの弊害

CMのためにオリジナルで制作された音楽を「うーん、違うなー、何か違うなー、もっと良くならないかなー」と言ってダメ出しをする人は昔から多い。ダメな理由を聞いてみると「サンプルと違うんだよねー」と来る。サンプルはビートルズ、サイモン&ガーファンクルなどなど世界的に有名なものばかり。勿論アメリカやイギリスのCMの現場でも何かサンプルを頼りに確認作業が行なわれることはあるが、あくまでもback up image なのであって、それに囚われて良し悪しの判断はしないし、そこで表現者としてのプライドとオリジナリティーをキープするのである。クライアントにしてもしかりで、もし既成曲を使用する場合はその使い方が問題で、 i-Pod がCM 絶対御法度だったU2を起用したのは商品性から考えてその好例である。最近は欧米の音楽業界も日本のCMの美味しさを分かっているので、お金させ出せば使用させてくれる曲が増えた。世界的に音楽業界はシュリンク状態にあるので日本のCMはいい餌である。自動車メーカーや携帯電話のように大枚を払って有名曲を使うか、オリジナリティーを追求してシコシコやるか、どっちかはっきりしましょう。ギリギリセーフな物を作ってもオリジナルを超えることは出来ないので粗悪品を流すことになります。頻繁に起る盗作問題でのトラブルなども考えると、クライアントしいては消費者の利益になっているのでしょうか? 吉江一男

2007/07/02

手紙って、ドキドキする。


このタイトルは、郵便局の「手紙」CMのキャッチコピーで、6月30日からフジテレビ系列「一葉の想い」内で新CMのオンエアがスタートしました。今回のタイアップ楽曲は、オトナモードの「花束」。1st mini album「小さな旅」、2nd album「憧れの花」に続き、5月23日にリリースされた待望の3rd album、「空への近道」に収録されています。
私がこの曲を選んだ一番の理由は、この楽曲の歌詞にあります。ヴォーカル高橋啓太本人によるセルフライナーノーツには、「忘れられない風景や、大切な人たちが僕の根を支えてくれています。そこからいつも、たくさんの勇気をもらっています。その気持ちを曲にしました。そして、タイトルに感謝の気持ちを込めました。」と書かれているように、「どんなに長い道でも/立ち止まらずにいれたのは/いつもそこにあなたがいてくれたから」というサビの部分の歌詞が、まるで離れて暮らす家族や好きな人に想いを込めて書く手紙のような印象を受けたからです。
圧倒的な存在感を放つ歌声が、どこか懐かしくて、優しい気持ちにさせてくれるオトナモード。9月20日に渋谷CLUB QUATTROで行われるツアーファイナルが今から待ち遠しくて仕方ありません。成田英理子

2007/06/26

CM音楽とピアノ

最近のCM音楽に口笛が氾濫していることは以前書いたが、ピアノをフィーチャーしたものも多い。その殆どが優しいバラード系なのである。ナレーションが多い日本のCMにおいてピアノはバランスがとりやすいのだろう。そしてピアノはやはり楽器の王様だから包容力があり納まりがいい。でも暴れん坊な王様も居て良いのではないか。吉江一男

2007/06/25

SHAM69 "If The Kids Are United"


現在オンエア中のTV-CM、ネピア〈GENKI!〉は、〈ドレミ〉というブランドに替わり、アンパンマンをキャラクターに起用して新たに立ち上げたおむつブランド。コンセプトから商品デザインに至るまでの全てを、電通のコピーライター並河進さんが中心となり、準備が進められてきました。このCMを作るにあたって、並河さん、演出の小松真弓さんから、音楽については、「単なるおむつ広告ではなく、少子化問題や悲惨な殺人事件など...子どもをめぐる未来に不安を感じているお母さんやお父さん、そして日本全体を元気づける応援歌にしたい。そして、このCMをAKACHAN!GENKI!NIPPON!プロジェクトの旗にしたい」というオーダーがありました。
今年4月の発売に合わせて、半年前からミーティングを重ね、粘り強く選曲したものの、なかなか全員が「これだ!」と思える楽曲が見つからず、苦戦を強いられました。そんな時に、手がかりを求めて、あるパンクロックの本を手にCDショップに行き、店員さんに色々質問していると、なんとその人が、その本のライターであることが発覚して、パンクロックの隠れた名盤を色々と紹介してもらいました。その中にSHAM69のアルバムもあって、ちょっと運命的なものを感じました。
70年代後期のイギリスを熱狂させたパンク・ムーブメントの中心的存在だったSHAM69は、ジミー・パーシー(Vo.)とデイヴ・パーソン(G.)を中心に結成され、「若者世代の代弁者」として圧倒的な支持を集めました。彼らの代表曲「If The Kids Are United」は、自由を、楽しむことを訴え、「もしみんなが団結すれば、決してバラバラになることはない」と歌われる、強力にキッズの「ユニティ」を歌ったアンセム。この曲に出会った時に、〈GENKI!〉のCMには、絶対にこの曲しかない!と思いました。
既成楽曲を使うCMが増えてきて、「とにかく誰でも知ってる有名曲を...」というリクエストも多い中で、「If The Kids Are United」は、強い意志のある、とても発掘感のある楽曲でした。成田英理子

2007/06/18

ユー・アー・マイ・サンシャイン物語


現在オンエア中のNTTドコモのドコモショップTV-CMで、使用されている「You Are My Sunshine」は、誰もが知っている「Amazing Grace」「White Christmas」などと並んで、アメリカを象徴するカントリー・ミュージック。いつ聴いても、どこか懐かしい匂いがして、気持ちが安らぐ、お気に入りの一曲です!この曲が、アメリカ人の心の歌として定着するきっかけになった、知られざるエピソードについて書かれた本に出会いました。それが、三井徹著「ユー・アー・マイ・サンシャイン物語-アメリカ南部の音楽と政治-」(筑摩書房)です。著書によると、1940年代に、ジミー・デイヴィスという人が、もともと作曲者不詳とされていたこの曲を、「自分が作った楽曲です。」と発表し、ルイジアナ州知事選挙に立候補した時に、選挙運動の一環としてバンドを引き連れ各地を歌い回り、見事に州知事選挙に当選したとされています。デイヴィスは、私利私欲のために歌の力を利用したけれども、結果的には、この曲をアメリカのポピュラー・ミュージックとして広く世に浸透させました。一つの曲に秘められたストーリーを掘り下げてみると、こんな風に新しい発見があって、とても面白いなぁと思いました。「You Are My Sunshine」だけでなく音楽の背景を調べてみたくなりました。成田英理子

2007/06/15

電車内で見るCM

最近、車内でCMを流している電車が増えています。中吊り広告と違って動いている映像はインパクトがあるので、広告としての効果は大きいと思います。私が通勤で使用している東急東横線にも扉の上に小さなTVが付いていて、乗車中ついつい目がいってしまいます。民放のTV番組内でオンエアーされているCMが多く流れているので、弊社のプロデューサーが関わった作品もよく見ます。
しか〜し、悲しいことに車内のTVは音声オフなので音楽を聞くことができません。CM音楽を制作している側としては非常に悲しいことです。
でも裏を返せば、家のTVでは音楽が流れていることが当然のCMを、音楽無しで見せることで、「このCMの音楽はどんなのだったっけ?」とCM音楽に注目してくれる人が増えるチャンスかも、、、、とポジティブな方向に考えてみたりしています。
Production Manager 市川祐子

2007/06/11

設立30周年記念社員旅行 in マウイ島


会社設立30周年を記念して、6月1日から4泊6日でマウイ島に行って来ました!「マジック・アイランド(魔法の島)」や「バレーアイランド(渓谷の島)」という魅力的な愛称で親しまれてるマウイ島は、ハワイ諸島の中で、ビックアイランドに次いで2番目に大きな島。参加した社員の半数が、マウイ島を訪れるのは生まれて初めてで、カパルア空港に降りたって、目の前に広がる澄み渡った青空と真っ青な海に、みんな、ただひたすらに感動していました。

マウイに到着した6月1日は、偶然にも代表・吉江の誕生日!!というわけで、スタッフ全員で、トロピカル・フラワーと「ハッピーバースデイ」をプレゼントしました。ちょっとしたサプライズに満面の笑顔で喜んでくれました。

現地では、ハイアット・リージェンシーでのウェルカム・トロピカル・ショー、テニス大会、バーベキュー、ゴルフ、パラセイリング、シュノーケリングなど、各自、思い思いのままにアクティビティを満喫し、本当にあっという間の6日間でした。
少しだけ早い"夏休み"に感謝して、また、気持ちを新たに仕事に励みたいと思います。成田英理子

2007/06/01

本格的なスコアリング・ステージが誕生

もともと映画会社各社はスコアリング・ステージを持っているものだった。そこで映画を大スクリーンに写しながらサウンドトラックをレコーディングしていた。演奏家達はだだっ広いスタジオの中で、冬はストーブで手を暖めながらコートを着て演奏していたのを覚えている。映画産業の斜陽とともにリストラでスタジオが閉鎖されてから30年が過ぎ、また日本映画が活気ずいている。そんな折に東京に本格的なスコアリング・ステージが誕生する。設計は豊島政実さんで、あのアビーロード、タウンハウス・スタジオ、スティング等の有名スタジオを造った世界的な人だ(因に弊社のCricket Studioもそうである)。これでレコーディングの海外流失が減りクオリティーの高いメイドイン・ジャパンが生まれると良いのだが。吉江一男

2007/05/30

永遠のZARD

坂井泉水が帰らぬ人になってしまった。故人とは15年前の92年12月に録音した「揺れる想い」から始まり、数々のCM音楽の仕事を一緒にやらせてもらい、幸いにもたくさんのヒット・ソングを作ることができた。ZARD の音楽は業界人や評論家達が論評しようにも基準を見つけ出せず、その独特性はユーミンと同じ位に特筆されるものだと思っている。合掌、、、吉江一男

2007/05/28

「恋愛睡眠のすすめ」


渋谷シネマライズで公開中のミシェル・ゴンドリー監督最新作「恋愛睡眠のすすめ」を観て来ました。"映像の魔術師”とも称されるミシェル・ゴンドリーは、ビョークやBECK、DAFT PANKなどのPVを手掛けるほか、CF業界でもその才能を遺憾なく発揮し、NIKEやBMW、LEVI'S...など、世界の名だたるトップブランドから依頼を受け、今、最も注目を集める映像作家。2004年公開の「エターナル・サンシャイン」に続く今回の作品では、夢と現実を織り交ぜた可愛くて、切ないラブストーリーをクラフト感溢れる独特の世界観で描いています。
ある雑誌のインタビュー記事の中で、監督が「(自分が寝ているときに見る)夢にはドラマ性があるとずっと思っていたから、夢を見たときの感情を形にしてみたかったんだ。」と語っているように、この映画には全篇に渡って、監督のよりパーソナルな部分が強く描かれているように感じました。「好きな人に愛されたい」という人間の普遍的な想いをデフォルメした主人公ステファンのクレイジーな行動には、お茶目なユーモアが散りばめられていて、観終わったきに、なんだか心があったかくなる、何度でも見返したくなる映画でした。成田英理子

2007/05/21

Human Audio Sponge Live 2007@パシフィコ横浜国立大ホール


5月19日(土)Human Audio Sponge(高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣)の一夜限りのスペシャル・ライブを観に行ってきました。このライブは、小児がんを始め病気と闘う子どもたちと家族を支援する「Smile Together Project」の趣旨に共感した幸宏さんの発案で実現したもので、3人が一緒にステージに立つのは2004年バルセロナ・東京でのライブ以来、約3年ぶり。この日は、YMO時代の代表曲「以心電信」「ONGAKU」や、CM用にアレンジされた「RYDEEN 79/07」、高橋幸宏+細野晴臣によるユニット・SKETCH SHOWの楽曲など、新旧織り交ぜての全17曲を披露してくれました。HASを支える権藤知彦さんや高田蓮さんといった強力なサポート陣によって、エレクトロニカな中にも上手くアコースティックな生音が絡み、よりバンドっぽいサウンドになっていたのが印象的でした。頻りに汗を拭いながら演奏していた細野さんのベースは特に際立っていました!本当に貴重なこのライブに立ち会えた幸運を感謝して、今、自分に出来る事を改めて考えてみようと思います。成田英理子

2007/05/11

BABEL

連休中に映画「バベル」を観てきました。ストーリー、映像、キャスト、etc.・・・何かと話題になっている作品ですが、音楽もアカデミー賞で作曲賞を獲得しているだけあって素晴らしかったです。
音楽監督はラテン音楽界の巨匠といわれるグスタボ・サンタオライヤ。劇中で流れるのは彼のオリジナルスコアが中心ですが、坂本龍一の”美貌の青空”という曲(アルバム「1996」に収録)も使われていて映画を盛り上げています。サンタオライヤのオリジナルスコアは、アコースティックギターの切ないメロディから始まる曲が多く、彼が生まれた国アルゼンチンや中南米の匂いが感じ取れました。また、アフリカや中東の音楽、エレクトロニックの要素などが含まれた曲もたくさんありました。
この映画から伝わってきたのは、人種や言語の違いによる壁、人間の孤独さ、それでも我々はどこかで繋がっている、ということです。サンタオライヤの音楽は、人種や言語、音楽文化の壁を越えて世界中の人々に響いていると思います。
Production Manager 市川祐子

2007/05/07

ビギン・ザ・ビギンは短調だった?

今朝はコールポーターを聴きながらドライブをして会社に来た。名曲ビギン・ザ・ビギンをシェリル・クローが歌っているのだが、これが全編短調でアレンジされていて、良く耳にする現在の物とは全く違った美しさがある。シェリルは通常の並行3度下のメロディーを見事に自然に歌い切り、コールポーターが作った最初の時点では短調だったんじゃないかと思ってしまう。時代的にも明るい曲の方が売れると見込んで、プロデューサーが長調に書き直させたのかも知れない。もしそうでなかったら、こんな実験的なことをやれる自由さが音楽において尊いことだと思う。吉江

2007/05/06

MC SNIPERのニューアルバムにユーミンの『春よ、来い』が

MC SNIPERは韓国を代表するラッパーだ。以前坂本龍一と『UNDER COOLED』でコラボしており、その時はプロモーションのために来日し、坂本や小山田圭吾らと頻繁にTV出演をしていた。その後すぐ兵役に行き、役務終了した去年Friends Of Love The Earth Projectに参加するために再来日した。その時にユーミンと『春よ、来い」で共演した際この曲に感動し、帰国後韓国で録音された。韓国語のハードコアなラップで言葉は全く分からないが、とにかく彼のラップとサウンドが切なくて目頭が熱くなってしまう。そしてユーミンの曲は永遠のオアシスのように癒される。日本発売はいつになるんだろう。吉江

2007/05/05

改善の余地がある中で、、、、

「熱狂の日音楽祭」では数々の演目を聴いたが、正直言って首をかしげたくなるパフォーマンスがあった。特にスペインから来たオケは全公演ひどく、もともとのレベルが低いうえにやっつけ感が否めない。FORUMのHall-Aは生オケには大きすぎて音が散らばってしまい、まるで野外コンサートみたいだから演奏家はとくにやり難いのは理解できるが、、、、。Hall-Cも同様でPA増幅を前提に作られているので生演奏には厳しい。そう考えるとこのクラシック・コンサートの条件はタフだ。将来を考えるとたくさん改善の余地があると思う。
そんな中でB-7でやったトウキョウ・モーツアルトプレイヤーズが収穫だった。武満徹『海へ』、ドビッシー「神聖な踊りと世俗な踊り」、ラベル「クープランの墓」はどれもが繊細で、演奏家の息もピッタリ合っていて、お祭り独特の雰囲気に流されず真摯に音楽と対峙していた。指揮者の沼尻竜典と若き演奏家達に今後も多いに期待したい。吉江

2007/05/02

「熱狂の日」音楽祭2007

今日から丸の内で音楽祭が始まった。東京フォーラムを拠点にオープンしたての新丸ビル,丸ビルのオープンスペースなど一帯が音楽で満ち溢れている。南フランスのナント音楽祭を模して2年前から始まったイベントの今年のテーマは民族のハーモニー。チャイコフスキー、ラフマニノフ、ムソルグスキーなどのロシア音楽、グリーク、シベリウスなどの北欧、ラベル、ドビッシーなど現代フランス、ファリャ、ロドリーゴなどスペイン、武満徹、ガーシュインなど日米の競演、などなどとても充実したプログラムが組まれている。それに1、500〜3、000円で鑑賞できる値段設定も素晴しいと思う。早速今日はFORUMでグリーク:ピアノ・コンチェルト、ラフマニノフ:ロマンスとスケルッツオ、チャイコフスキー:フィレンツェの思い出、を聴いて今オフィスに戻り、これからまたチャイコのヴァイオリン・コンチェルトを聴きに行く。「フィレンツェの思い出」は初めて聴いたのだがチャイコって本当に親しみやすくてポップですね。演奏家も手を抜かずに最後までやっていた。6月のパリ音楽祭のようなものが東京にもあればいいと願っていたので、このイベントがもっともっと大きく発展し世界的になってくれることを期待している。吉江

2007/04/25

キユーピー&アヲハタCM SONG COLLECTION


キユーピーとアヲハタのCM1995〜2007までをコンパイルしたアルバムが配信だけで近々発売される。長年に渡り一貫したトーン&マナーで制作されているCMはオリジナリティーにおいて唯一無似のものであり、クリエーティブを志す者によって無条件にレスペクトされる。今回のコンピレーションはそのCMに音楽として参加したアーテイスト達の中から諸処の条件をクリアーした音源だけが収録され、全てがCMのためのオリジナルだ。全アーティストを収録できなかったのは残念だが、楽しめるものになっていると思う。吉江

2007/04/18

櫻井順さん素敵です。

今一番気になるCMはサントリーのDAKARA。豚ちゃん(ピグリンという名前らしい)のぬいぐるみがバレーを踊っている映像は可愛い過ぎます。そして音楽が気になって気になって調べてみたら櫻井順さんでした。このメロディーには色々な悲哀が込められていて深ーいのです。こういう仕事は熟練の技と、柔軟な脳からのひらめきがキープされている、選ばれたプロにしかできないと思います。そういえば♩ブタブタ子ブタ〜♩のエースコックのワンタン麺も櫻井先生です。ブタとの相性がいいのかも?吉江

2007/04/17

Hardingのマーラー第5番

昨晩はオペラシティーにおいてロンドン交響楽団(LSO)のコンサートがあった。タクトを振るのは、去年夏のザルツブルグ音楽祭で観て以来、楽しみに待ちに待ったDaniel Hardingだ。LSOは去年も来日していて、その時にチョン・ミョンフンの指揮でやった『展覧会の絵』は素晴しかった。この伝統的なオケと新進気鋭のハーディングの組み合わせに胸が轟かない訳はない。演目もマーラー最高傑作の一つシンフォニー第5番である。とにかく彼の指揮ぶりが見たくて前列3番目を取った。華奢で小柄な身体から振り下ろされる棒は鋭く天に向い、最後まで表情は精気に溢れ、圧倒的なパワーとスケールがフィナーレまで続いた。有名なアダージョはオーストリアン・スイーツのように美しく甘い曲だが、最後の音まで注意を途切らすことはなかった。走馬灯のように現れては消えて行くマーラー独特の音の波に漂いながら、こんな夢のような時間が永久に続いてくれればと願っている自分がいた。吉江

2007/04/13

オンド・マルトノでCMを。



久し振りにオンド・マルトノでCMを制作した。勿論演奏は世界的奏者の原田節さんで作曲は中川俊郎だ。このコンビは、1987年制作の劇場映画「ア・ラ・カルト・カンパニー」が初顔合わせで、それ以来数々の録音をやっている。映画の中で主演の今井美樹扮する茜のために作られた「茜のテーマ」はいろんなCMに使われた名曲だ。特に演出家の前田良輔さんはマルトノとこの曲の大ファンです。マルトノは電子楽器だがその響きはとても温かく、大きな宇宙に優しく吸い込まれるような気持ちになる。Radio Head のTom Yorkは簡易的なシステムのTom Yorkモデルなるものを作り、単音楽器なので、ハーモニー演奏をするために3台をステージに乗せてライブをやる。原田さんとの交友も深く、来日時には原田邸でマルトノ談義をやっている。来年は、マルトノをフィーチャーした「トゥーランガリラ交響曲」の作曲家メシアン生誕100年にあたるので原田さんは国内外と忙しい。そんな世界的オンディスト原田さんが弾く中川メロディーがCMから流れるのが楽しみです。「茜のテーマ」はi-Tunes Music Storeで購入できます。
吉江

2007/04/06

松坂デビュー

松坂がついにデビュー、ロイヤルズを相手に初勝利を上げた。野茂のデビュー時以上の10Kを奪い、アメリカはイチロー以来の騒ぎで、ボストンの地元紙は1面トップの見出しを日本語で「怪物デビュー」と書いている。こういうニュースは本当に私たちを幸せにしてくれる。ありがとう。吉江

2007/04/04

CMと口笛

最近のCM音楽には口笛が多く使われている。何故だろう? 人間は幸せを感じる時に、スキップするのと同じように口笛が出る。小さい頃は仲良し達とよくスキップをして遊んだものだが、歳を重ねるごとにできなくなってしまう。CMってやっぱり幸せを売るものだから、口笛には伝達力があるんだと思う。吉江

2007/04/02

Tony Bennet "DUETS"

何気なくBS2をつけてみると尊敬するTony Bennetの "DUETS"をやっていた。06年9月に発売の、Bono, Stevie Wonder, Billy Joel, Elton John, Juanes, James Taylor, Barbra Streisand,それにPaul MacCartneyなどなど錚々たるアーティスト達と共演したアルバムのメイキングだ。1993年のFrank Sinatra"DUETS"と同企画なのでそれ自体は新鮮ではないが、中身がとにかく凄い。80歳を過ぎたポップ歌手の声とは思えない張りと艶、そしてスィング感には圧倒的される。いったいどんな努力をすればこんなことが可能なのだろうか?日本のポップ歌手からは想像ができない。ポール・マッカートニーはTonyとの会話の中で、「20才の頃受けたインタビューの時、Cole Porterが自分の一番好きな作曲家だ。」と答えたと言っていた。過去を知らずして未来はないから。二人が歌う[The Very Thought Of You]は互いの深い尊敬と音楽に対するレスペクトがひしひしと伝わる。時代と共に表現は変わっても、音楽に対する愛とレスペクトは普遍的なものとして、最も大事にしたいと思う。私が23才の時、'72年にワイキキのRoyal Hawaiian Hotelで観たTonyのショーを思い出しながら、、、、吉江一男

2007/03/30

TOKYO MID TOWNがOPEN

サントリー美術館を観るために、早速オープンしたてのミッドタウンに行ってみた。平日の午後とあって比較的スムーズにツアーができた。とにかくコレクションの素晴しさに圧倒される。担当の方に聞いてみると、1回では陳列しきれないので分けてやるそうだ。今回の安土桃山や江戸時代の日本文化は遊び心に満ち溢れて光輝いている。余談ですが、この素晴しい美術館の館内BGMを中川俊郎が担当しました。吉江

2007/03/16

都内に1000ヘクタールの緑地を

石原慎太郎知事は都内に1000ヘクタールの緑地を増やすことを計画していて、まず街路樹を48万本から100万本に増やすそうだ。パリやロンドンのように緑が増えることは大変結構なことだ。それと同時にケバケバした看板やネオンサインなどの色を規制してもらいたい。東京がもっともっと美しくなって、21世紀を代表する世界の都市になってくれればよい。吉江

2007/03/12

CM音楽のディレクション

CM音楽の制作をしているとあらゆるジャンルに出くわす。最近私のような日本人がアメリカの黒人にラップのディレクションをすることが多々ある。英語を詩的なレベルどころか、話すことさえ覚束ないのにも拘らず、大胆不敵な行為だ。ニューヨークのスタジオで黒人が森進一に演歌のディレクションをしているようなもので、これもCMの世界だけの異文化交流かもしれない。吉江

2007/03/06

建築ラッシュ

私の勤める会社の廻りは建築ラッシュだ。つい先日は国立新美術館、外苑東通りに面したツインタワーの横にはもうすぐ47階建てマンションが、3月30日にはミッドタウンがオープンする。戦後日本の建築事情は悲惨であった。建てては壊しを繰り返し、無駄なエネルギーを消費し続けて来た時代にそろそろ終わりを告げて、何百年も使用可能なクラシックな地位を占める建物を作ってほしい。吉江

2007/03/05

小曽根真のピアノ・コンチェルト

小曽根真は言わずと知れたジャズ・ピアニストだ。それが2005年には宮崎国際音楽祭において、モーツアルト・ピアノ協奏曲9番を演奏したりと、ジャズを飛び越えて活躍している。もともとジャズ出身でありながら一流のクラシック演奏家としても活躍した人はいる。ベニー・グッドマンがシャルル・ミンシュ指揮・ボストン・シンフォニーと録音した、モーツアルト・クラリネット協奏曲は名盤だ。またはバーンスタインのようにその逆も多くある。小曽根真は小学生時代からジャズ演奏に秀でた少年で、クラシック教育を特別に受けていない、つい最近までは。昨日は生粋のジャズ・マン小曽根が、2003年山形で行なわれた国民文化祭で発表した「もがみ」という3部構成の古典形式協奏曲をついに生で聴くことができた。いわゆる東洋を感じさせる5音階的アプローチを排し、少し複雑さが混じった情感豊かなメロディーが、ジャージーなハーモニーの中で揺れ動くのがとても美しかった。オーケストレーションも見事ではあるが、やはり圧巻はカデンツァで、ジャズ・マンの真骨頂が随所に出ていて、ジャンルを越えて楽しめた。吉江

2007/02/28

ミュージカル映画

今年の箱根駅伝の中継番組で流れたサッポロビールのCMをご覧になりましたか?台詞は全て音楽に乗せて歌われていて、出演者は踊っていて...、CMというよりミュージカルです!現在Mr. Musicのサイト(CM Tracks)で歌が紹介されています。
ミュージカルやミュージカル映画から生まれた名曲は数々あり、有名な曲になるとオリジナルのミュージカルを知らないけど曲だけは知っている、なんていうこともあります。私は子供の頃、ミュージカル映画が大好きで、「オズの魔法使い」や「サウンドオブミュージック」は繰り返しビデオで観ていました。「オズの魔法使い」でジュディ・ガーランドが歌った”虹の彼方に(Over the Rainbow)”は、映画公開から約70年経った今でも色あせることない名曲です。
世界中の音楽を様々な媒体から聞くことが出来る今日、昔のようにミュージカル映画から音楽がヒットするということは少なくなっています。でも、現在公開中の「ドリームガールズ」、そして4年前のアカデミー賞で6部門を受賞した「シカゴ」など、まだまだミュージカル映画は健在です。ちなみに「ドリームガールズ」は公開翌日に観てきました。豪華出演者の歌とダンスで楽しめるし、60〜70年代のアメリカ音楽シーンも分かりやすく描かれていて、オススメです!
Production Manager 市川祐子

変わって来た?

短い15秒の中に台詞、ナレーション、SE、音楽がてんこ盛りになっているのが、ここ20年における日本のCMの特徴だ。しかし最近そんな重加重状態からの脱却が始まっている気がする。ブラピは携帯電話で何を話しているんだろう? 吉江一男

2007/02/26

英雄の生涯

今朝はリヒヤルト・シュトラウスの「英雄の生涯」を聴きながらドライブをして会社に出勤した。リヒヤルトの音は筋肉系細胞が刺激されPOSITIVEになれる。吉江一男

2007/02/21

椎名林檎×齋藤ネコ


椎名林檎の脳ミソには溢れんばかりの音が天から降り注いで来るんだろう。ジャズ同様に日本人音楽家の多くの先人達がアメリカの真似から始めた類のオーケストレーションを、ネコさんは日本製にしてしまった。 吉江一男

2007/02/17

serendipity

脳科学者・茂木健一郎さんいわく『ルーティーンをこなすことでserendipity(偶然幸運に出会う能力)をもたらすことが可能になる』。
最近出会った好きな言葉。吉江一男

2007/02/15

森本千絵さん

ミスチルや小林武史等の仕事でとても気になっていた森本千絵さん。salyuのアートワークも大好きです。実は去年の年末に中島信也監督からコスモス・イニシアのCMナレーションを頼まれてやったんです(いっぱいオンエアーしてました)。最近わかったんですがそのプランナーが森本さんだったんですよ。一緒にできて嬉しいです。吉江一男

2007/02/09

ロロロ

これアーテイスト名です。何て言うんだ? クチロロだって。いいよねこのネーミング。今朝車の中でJ-WAVE・クリス・トモコの番組で聴いてワクワクしちゃった。2/14発売のシングル、早速エイベックスの小林建太さんから送ってもらって聴いてみた。才能は次から次に現れるんだね。吉江一男

2007/02/08

ワーナー・ミュージックと日産がレーベルを、、、、

WMJと日産による「CUBE LOVES MUSIC」という新レーベルが立ち上がった。この試みは業界初めてのことでしょう。このニュースを知って、これでまたCM音楽制作会社への発注がなくなるのか、との思いが脳裏をかすめました。タイアップもここまでくると、今CM音楽制作者にとって大事なことは、ぞくぞく、ドキドキする、CMにしかできない、揺るぎないオリジナリティーだと思います。吉江一男

2007/02/05

近田春夫

春夫ちゃんとは私が16で彼が14の時からの知り合で、いまだに一緒に仕事をするので業界最長の付き合いだ。彼は去年の秋まで携帯電話を持たなかったが、何故かついに持つことになってしまったのである。携帯も持たずによく忙しく仕事をしているものだと尋ねるたびに、「なけりゃないで何とかなるもんよ」なんて言っていたが、持った途端、ここまで豆になるかとあきれる位メールが来る。そして「こんなに俺に合うものはないね〜」なんて言っている。何故持つことになったのか本当の理由を聞いてみよう。吉江一男

ビリー・ジョエルが歌う「星条旗」

今朝、日本在住アメリカ人向けのラジオ番組を聞いていたら、NFL(アメリカンフットボールのプロリーグ)決勝戦=「スーパーボウル」の中継が流れていました。試合前の国歌斉唱では、ビリー・ジョエルがゲストとしてアメリカ国歌である「星条旗(The Star-Spangled Banner)」を歌っていました。ビリー・ジョエルらしさを思わせるピアノ前奏で始まり、彼の声が流れてくると私も試合会場で聞いている気分になりました。歌が終わり観客の盛り上がりと拍手喝采の様子が伝わってきました。年に一度、国民的スポーツの決勝戦で人気スターが国歌を歌い、そのときはアメリカ国民が一つになっているような気がします。人種や宗教の異なる人たちが集まるアメリカでは必要なことなのでしょう。
ちなみに「スーパーボウル」のテレビ中継の間に流れるCMは毎年注目されます。なにしろ全米の人々が一斉にテレビを見る日なのでスポンサーは競って話題となるCMを作るのです。今年はどんなCMが放送されたのでしょうか。実際にオンエアーされたCMを見られるサイトがあるようなのでチェックしてみます!
Production Manager 市川 祐子

2007/02/01

日本の表現力

「日本の表現力」と題された企画展が国立新美術館で開かれている。展示1は1950年代から現在に至る、アート、エンターテイメント、アニメーション、マンガの軌跡を、10年ごとにまとめられた6つの連続するブースで、展示2は縄文時代まで遡り、現代までの表現が紹介されている。嬉しいことに展示1にはそれぞれCMが3本ずつモニターに映されていて、「ピッカピカの一年生」「おしりだって洗って欲しい(TOTO)」「バザールでござーる(NEC)」「Speed(キューピー)」が入っていた。自分のことはさておき、とても楽しめる企画だ。日本人の表現力の豊かさを実感させられる。吉江一男

2007/01/31

東京は楽しい!

昨晩は東京フォーラムでIL DIVOを見ることができました。話題の4人組の声量の大きさには圧倒されます。ラテン系のメランコリックなメロディーに生ピアノとガット・ギターが絡み、全ての曲で必ず来るフル・ヴォイスによる少しオーバー過ぎるサビ、そうですIL DIVOは冬ソナなんですね、中毒性の強い。終わってから道路を挟んで真向かいにあるコットンクラブに行ってみたら、なんとマーカス・ロバーツ・トリオが出ているではありませんか。レギュラー・メンバーのROLAND GUERIN(BASS), JASON MARSALIS(DRUMS)を引き連れてのライブです。2003年にベルリン郊外のヴァルトビューネにおいて、小沢征爾指揮、ベルリン・フィルハーモニーと「ガーシュイン・ナイト」で共演した稀代の才人達トリオです。あの時の興奮がまだ残っている私はまたしてもノック・アウトされてしまいました。IL DIVOで音の洪水にびしゃびしゃに浸り、30分後には爽やかでクールな音に洗い流されて、こんな経験は東京でなければできないですよ。A10神経を活性化させられる東京は中毒の街です。吉江一男

2007/01/30

国立新美術館


1月21日に旧東大研究所跡地に国立新美術館がオープンしました。六本木ヒルズにある森美術館、オープン間近のミッドタウンにできるサントリー美術館など六本木のこの界隈は美術館街になります。会社から徒歩5分なので早速行ってみました。そこで、もしこれが老人ホームだったら、もっと良かったんじゃないかと思ったりしているのです。黒川紀章氏設計の建物はもちろん素晴しく、入っただけでエネルギーが湧いて来るし、周囲には世界中の飲食店、キャバクラ、ライブ・ハウス、クラブなどがひしめき、楽しいことがいっぱいです。いざその時になったら前は青山墓地です。吉江一男

2007/01/26

世界最古のポピュラー音楽?!・・・クロンチョン

一週間ほど前にテレビ番組でインドネシアのクロンチョンという音楽が紹介されていました。クロンチョンは世界最古のポピュラー音楽ともいわれています。
起源は16世紀、当時インドネシアがポルトガルに支配されていた頃だそうです。ポルトガル船に乗っていたポルトガル人、アフリカ人、アラビア人らの船員が来航した際にそれぞれの国の音楽を伝え、そこにインドネシアの伝統音楽が取り入れられてクロンチョンが誕生しました。歌手は張りのある声で歌い、伴奏楽器としてはフルート、ヴァイオリン、チェロ、ギター、ベース、そしてチャッとチュッという弦3本のウクレレに似た楽器が演奏され、打楽器は使われません。弦楽器だけでリズムを作るのが特徴だそうです。
日本でも1948年に有名なクロンチョンの曲を日本語訳して松田トシという歌手が歌ったレコードが出ています。
今日、欧米のポピュラー音楽が世界中で聞かれ、人気を得ていますが、ポピュラー音楽の始まりがインドネシアからだったいうのには驚きました。テレビ番組では、最近インドネシアでクロンチョンの人気が廃れてきていて、若い演奏家が少なくなってきていることを取り上げていました。とても残念なことです。インドネシアの音楽といえばガムランなどが有名ですが、クロンチョンの伝統も守っていってほしいと思います。
Production Manager 市川祐子

2007/01/24

トゥーランガリラ交響曲

昨晩はサントリー・ホールでチョン・ミョンフン指揮、東京フィルハーモニーによるメシアン「トゥーランガリラ交響曲」のコンサートがありました。聴きに行くのは15年程前にサイモン・ラトルがバーミンガム・シンフォニーを連れて来日した時以来です。ピアノは横山幸雄、オンド・マルトノは前回同様世界的オンディスト(ヌーディストではない。)原田節です。この曲は二人のソリストがいる特徴に加え、交響曲は一般的に4楽章から成り立っていますが、10楽章という変則的な構成です。でも4楽章でなければいけない理由もないですよね。やはり良いコンテンポラリー・ミュージックは信じられます。吉江一男

2007/01/22

”不都合な真実”

先週20日に封切られた”不都合な真実”を見て来ました。地球温暖化の実態を映像で見せられて愕然としました。私達は真剣に考え,行動することが責務であり、もはや他人事ではかたずけられません。我が家も早速省エネを始めました。吉江

のこぎり音楽

先週木曜日に、のこぎり演奏家のサキタハヂメさんのコンサートへ行ってきました。“のこぎり音楽”というと馴染みのない方が多いと思います。私も昨年末にサキタさんのファーストフルアルバム「サキタハヂメMusical Saw Songs "S"」を聴くまで全く馴染みがありませんでし た。“のこぎり音楽”とは、その名の通り、のこぎりを楽器として演奏している音楽で、サキタさんのホームページから詳しい説明を抜粋させていただくと、「椅子に座り片刃の西洋のこぎり(SAW)を足で挟み、ギザギザのない方をバイオリンの弓で擦る奏法とマレット(バチ)で叩くのが一般的な奏方である・・・(途中省略)18世紀、西洋の大工が木で叩いて音を出したのが発祥とされるのこぎり音楽も、今やアメリカ、カナダ、日本、ヨーロッパ、中国、韓国など、世界中の演奏家に受け継がれています」とのことです。のこぎりから奏でられる音は、とても優しく、丸みがあって、時に宇宙空間にいるような気持ちになる音です。口笛の音色に近い、というと分かりやすいかもしれません。コンサートではサキタさんのオリジナル曲、クラシックの有名曲、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」など、様々なジャンルの曲を演奏していました。
普段いろいろな音楽を聞いていて、それらの音楽の中から様々な楽器の音を聞いていることになりますが、その楽器というのは既に馴染みのあるものばかりで、新しい楽器との出会いは滅多にあることではないです。サキタさんの“のこぎり音楽”と出会い、それまで聞いたことのなかった音を聞いて、とても新鮮でした。民族音楽を聞いたときに、世界にはこんな楽器があったんだ、と新たな発見をすることがありますが、それに似た感覚でした。自分に馴染みのない楽器、全く知らない楽器が、まだまだあるはずなので、もっと追求して学んでいかなくては、と思います。この場を借りて、サキタハヂメさん、素晴らしい演奏をありがとうございました!
Production Manager 市川 祐子

2007/01/19

イタリア人は熱い


2002年に行なわれたクラウディオ・アバド指揮によるベルリン・フィルの模様がNHK HVで放送されました。会場はシチリー島パレルモにあるマッシモ劇場です。映画「ゴッド・ファーザー3」でアル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネの娘メアリーが凶弾に倒れる場面を覚えていますか。映画とシンクロしてマッシモ劇場で上演される「カヴァレリア・ルスティカーナ」の美しい旋律が流れていました。 そこへイタリア出身のアバドはイタリア人とは正反対の、厳格なドイツ人が中心となるベルリン・フィルを同行したのです。アバドはカラヤン亡き後1990〜2002までベルリン・フィル音楽監督の座にありましたが、2000年に生死をさまよう大病をし見事に復活し、この2002年は任期最後の年です。ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」が終わると歓喜のスタンディング・オベーション、「新世界」終演には靴を鳴らし、最後にヴェルデイの「シチリア島の夕べの祈り」が終わるとバルコニー席からはたくさんの花がステージに投げられ、ステージはその花でいっぱいです。真央ちゃんが滑り終わった後リンクに花が投げられるでしょ、あれと同じです。更に楽団員はその花を拾って胸ポケットに挿してアンコールに入ります。会場全体が熱気の渦状態で、人種を越えて一つになった瞬間です。私は一瞬だけシチリー島にいました。吉江一男

2007/01/09

香りと音楽♪

あけましておめでとうございます!!今年もよろしくお願い致します。
一年ほど前から”お香”に凝っています。日本古来のお香は香りが強く、クセがあるものも多いですが、最近はアロマの香りなどを入れたインセンスと呼ばれる西洋寄りのお香が多く売られています。いろいろなメーカーのお香(インセンス)を試しましたが、特に気に入っているのは「lisn」というお店の製品です。本店は京都で、関東には青山に支店があり、何十種類もの香りのインセンスを一本単位で購入できます。店内ではイージーリスニング調の音楽が流れていて、その音楽はお店の中で焚いているお香の香りに合っています。TV-CMの音楽は映像に合わせて作られますが、香りに合わせて音楽を作るというのも面白いことだと思います。香りというのは目で見る風景や映像よりも抽象的なので、それに合った音楽を作るのは難しいですが、花の香りには優しいメロディ、スパイスの香りにはリズミカルな音楽、etc.といった風にアイディアが浮かんできます。これからお香を焚くときは香りを楽しみながら、その香りに合った音楽を選んでみようと思っています。
Production Manager 市川 祐子