2007/05/30

永遠のZARD

坂井泉水が帰らぬ人になってしまった。故人とは15年前の92年12月に録音した「揺れる想い」から始まり、数々のCM音楽の仕事を一緒にやらせてもらい、幸いにもたくさんのヒット・ソングを作ることができた。ZARD の音楽は業界人や評論家達が論評しようにも基準を見つけ出せず、その独特性はユーミンと同じ位に特筆されるものだと思っている。合掌、、、吉江一男

2007/05/28

「恋愛睡眠のすすめ」


渋谷シネマライズで公開中のミシェル・ゴンドリー監督最新作「恋愛睡眠のすすめ」を観て来ました。"映像の魔術師”とも称されるミシェル・ゴンドリーは、ビョークやBECK、DAFT PANKなどのPVを手掛けるほか、CF業界でもその才能を遺憾なく発揮し、NIKEやBMW、LEVI'S...など、世界の名だたるトップブランドから依頼を受け、今、最も注目を集める映像作家。2004年公開の「エターナル・サンシャイン」に続く今回の作品では、夢と現実を織り交ぜた可愛くて、切ないラブストーリーをクラフト感溢れる独特の世界観で描いています。
ある雑誌のインタビュー記事の中で、監督が「(自分が寝ているときに見る)夢にはドラマ性があるとずっと思っていたから、夢を見たときの感情を形にしてみたかったんだ。」と語っているように、この映画には全篇に渡って、監督のよりパーソナルな部分が強く描かれているように感じました。「好きな人に愛されたい」という人間の普遍的な想いをデフォルメした主人公ステファンのクレイジーな行動には、お茶目なユーモアが散りばめられていて、観終わったきに、なんだか心があったかくなる、何度でも見返したくなる映画でした。成田英理子

2007/05/21

Human Audio Sponge Live 2007@パシフィコ横浜国立大ホール


5月19日(土)Human Audio Sponge(高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣)の一夜限りのスペシャル・ライブを観に行ってきました。このライブは、小児がんを始め病気と闘う子どもたちと家族を支援する「Smile Together Project」の趣旨に共感した幸宏さんの発案で実現したもので、3人が一緒にステージに立つのは2004年バルセロナ・東京でのライブ以来、約3年ぶり。この日は、YMO時代の代表曲「以心電信」「ONGAKU」や、CM用にアレンジされた「RYDEEN 79/07」、高橋幸宏+細野晴臣によるユニット・SKETCH SHOWの楽曲など、新旧織り交ぜての全17曲を披露してくれました。HASを支える権藤知彦さんや高田蓮さんといった強力なサポート陣によって、エレクトロニカな中にも上手くアコースティックな生音が絡み、よりバンドっぽいサウンドになっていたのが印象的でした。頻りに汗を拭いながら演奏していた細野さんのベースは特に際立っていました!本当に貴重なこのライブに立ち会えた幸運を感謝して、今、自分に出来る事を改めて考えてみようと思います。成田英理子

2007/05/11

BABEL

連休中に映画「バベル」を観てきました。ストーリー、映像、キャスト、etc.・・・何かと話題になっている作品ですが、音楽もアカデミー賞で作曲賞を獲得しているだけあって素晴らしかったです。
音楽監督はラテン音楽界の巨匠といわれるグスタボ・サンタオライヤ。劇中で流れるのは彼のオリジナルスコアが中心ですが、坂本龍一の”美貌の青空”という曲(アルバム「1996」に収録)も使われていて映画を盛り上げています。サンタオライヤのオリジナルスコアは、アコースティックギターの切ないメロディから始まる曲が多く、彼が生まれた国アルゼンチンや中南米の匂いが感じ取れました。また、アフリカや中東の音楽、エレクトロニックの要素などが含まれた曲もたくさんありました。
この映画から伝わってきたのは、人種や言語の違いによる壁、人間の孤独さ、それでも我々はどこかで繋がっている、ということです。サンタオライヤの音楽は、人種や言語、音楽文化の壁を越えて世界中の人々に響いていると思います。
Production Manager 市川祐子

2007/05/07

ビギン・ザ・ビギンは短調だった?

今朝はコールポーターを聴きながらドライブをして会社に来た。名曲ビギン・ザ・ビギンをシェリル・クローが歌っているのだが、これが全編短調でアレンジされていて、良く耳にする現在の物とは全く違った美しさがある。シェリルは通常の並行3度下のメロディーを見事に自然に歌い切り、コールポーターが作った最初の時点では短調だったんじゃないかと思ってしまう。時代的にも明るい曲の方が売れると見込んで、プロデューサーが長調に書き直させたのかも知れない。もしそうでなかったら、こんな実験的なことをやれる自由さが音楽において尊いことだと思う。吉江

2007/05/06

MC SNIPERのニューアルバムにユーミンの『春よ、来い』が

MC SNIPERは韓国を代表するラッパーだ。以前坂本龍一と『UNDER COOLED』でコラボしており、その時はプロモーションのために来日し、坂本や小山田圭吾らと頻繁にTV出演をしていた。その後すぐ兵役に行き、役務終了した去年Friends Of Love The Earth Projectに参加するために再来日した。その時にユーミンと『春よ、来い」で共演した際この曲に感動し、帰国後韓国で録音された。韓国語のハードコアなラップで言葉は全く分からないが、とにかく彼のラップとサウンドが切なくて目頭が熱くなってしまう。そしてユーミンの曲は永遠のオアシスのように癒される。日本発売はいつになるんだろう。吉江

2007/05/05

改善の余地がある中で、、、、

「熱狂の日音楽祭」では数々の演目を聴いたが、正直言って首をかしげたくなるパフォーマンスがあった。特にスペインから来たオケは全公演ひどく、もともとのレベルが低いうえにやっつけ感が否めない。FORUMのHall-Aは生オケには大きすぎて音が散らばってしまい、まるで野外コンサートみたいだから演奏家はとくにやり難いのは理解できるが、、、、。Hall-Cも同様でPA増幅を前提に作られているので生演奏には厳しい。そう考えるとこのクラシック・コンサートの条件はタフだ。将来を考えるとたくさん改善の余地があると思う。
そんな中でB-7でやったトウキョウ・モーツアルトプレイヤーズが収穫だった。武満徹『海へ』、ドビッシー「神聖な踊りと世俗な踊り」、ラベル「クープランの墓」はどれもが繊細で、演奏家の息もピッタリ合っていて、お祭り独特の雰囲気に流されず真摯に音楽と対峙していた。指揮者の沼尻竜典と若き演奏家達に今後も多いに期待したい。吉江

2007/05/02

「熱狂の日」音楽祭2007

今日から丸の内で音楽祭が始まった。東京フォーラムを拠点にオープンしたての新丸ビル,丸ビルのオープンスペースなど一帯が音楽で満ち溢れている。南フランスのナント音楽祭を模して2年前から始まったイベントの今年のテーマは民族のハーモニー。チャイコフスキー、ラフマニノフ、ムソルグスキーなどのロシア音楽、グリーク、シベリウスなどの北欧、ラベル、ドビッシーなど現代フランス、ファリャ、ロドリーゴなどスペイン、武満徹、ガーシュインなど日米の競演、などなどとても充実したプログラムが組まれている。それに1、500〜3、000円で鑑賞できる値段設定も素晴しいと思う。早速今日はFORUMでグリーク:ピアノ・コンチェルト、ラフマニノフ:ロマンスとスケルッツオ、チャイコフスキー:フィレンツェの思い出、を聴いて今オフィスに戻り、これからまたチャイコのヴァイオリン・コンチェルトを聴きに行く。「フィレンツェの思い出」は初めて聴いたのだがチャイコって本当に親しみやすくてポップですね。演奏家も手を抜かずに最後までやっていた。6月のパリ音楽祭のようなものが東京にもあればいいと願っていたので、このイベントがもっともっと大きく発展し世界的になってくれることを期待している。吉江