2008/01/29

カラヤン生誕100年記念コンサートinウイーン




今日はウイーンに着いて楽友協会ホールでのコンサートです。音響の良さで世界3大ホールのひとつに上げられるこのホールに私は初めて足を踏み入れます。そして今晩のコンサートを見るのが今回の旅の主な目的でした。それはカラヤン生誕100年を記念するイベントの一環で、小沢征爾指揮・ベルリンフィルとアン・ソフィー・ムッターのベートーベン・ヴァイオリン協奏曲ニ長調、小沢&ベルリンのチャイコフスキー『悲愴』という夢のようなコンサートが実現した訳です。奇遇にもプラハでは同じ協奏曲を聴いたばかりでしたので、贅沢な聴き比べもできたりしました。また2002年にたまたまボストン・シンフォニー・ホールで、アンドレ・プレビンのヴァイオリン協奏曲をプレビン自身の指揮で彼女が弾いたのを見ていることもあり、特に楽しみにしていました。アン・ソフィー・ムッターは16才でカラヤンに見出された美貌の天才ヴァイオリニスト。20才の時にベルリンフィルと同曲で共演したDVDが出ていますが、既にカラヤンとピッタリ呼吸を合わせながら見事な演奏をしています。40を過ぎた今もとても美しい人です。小沢さんは彼女の繊細なピアニシモを十分に引き出すように、見事にオケをコントロールしていました。2曲目の「悲愴」のベルリンは凄すぎて何て言ったら良いか分かりません。小沢さんのエネルギッシュで若々しい指揮に、ホール全体が偉大な作曲家の音の洪水と仮しました。楽友協会ホールの音は今までに聴いたことがない美しい響きで、全く誤摩化しが通じない厳しさがあり、聴き手の水準をも選んでしまうように思いました。私もまだまだ修行しなくちゃ、、、吉江一男 

2008/01/28

エステート劇場


モーツアルト自身の指揮で「ドン・ジョヴァンニ」が初演されたこの劇場は世界遺産である旧市街にあります。モーツアルト・オペラの演奏には最適な客席数800位の大きさで、古典スタイルのロココ様式でできたとても美しいホールです。今回は最前列で見ることが出来たので、歌手、演奏家、指揮者の細かな表情ややりとりが実に良く分かって、オペラの深さを改めて思い知らされました。圧巻はフィナーレで、出演者全員が合唱する後ろで、バロックの衣装にかつらをつけたダンサー達がブレイクダンスを踊っているのです。これがまた実に自然に絡んでいて、進化するオペラ、、流石でした。吉江一男

2008/01/26

プラハより


私は今プラハに来ています。お正月の特番でやっていた『のだめ〜』が余りにも面白くてついつい来て見たくなったのです。二人が格闘していたカレル橋から見たライトアップされたプラハ城の美しさは、正に天空に浮かぶ城のようで目を奪われました。昨晩はRUDOLFINUM-DVORAK HALLでチェコフィルを聴きました。演目はバイオリン協奏曲の中で私が一番好きなベートーベンのニ長調で、ソリストはツィンマーマンです。去年のPROMS LAST CONCERTにも出演していた若手の売れっ子です。それとブルックナーの第4番『ロマンチック』の2曲立て。ドボルザークホールは客席数600位の小さめのホールですが、クラシックの場合はアンプリファイしないのでこの位のサイズがやっぱり良いですね。音のツブ建ちと余韻がはっきりと確認できます。アニメでおたまじゃくしが吹き出しに出て来るあの感じです。今晩はエステート劇場で「ドンジョバンニ」、、楽しみです。吉江一男

2008/01/23

中川俊郎珠玉のオリジナルCM音楽


本日中川俊郎のCM音楽集の配信がToshio Nakagawa - CM中川 - ネコとエコ (シャープ・エコロジーライフキャンペーンシリーズ  ’04~)i-Tunesで始まった。21曲収録されている曲は全てが彼のオリジナル作品である。最近のCMの60%は既成曲(タイアップも含む)の原盤使用もしくはアレンジもので、当然音のない物もあるので、オリジナルは多分30%くらいでしかないだろう。そんな状況下にあって、’86年CM界にデビューし現在まで常に第一線でオリジナル作品を書き続けている中川は業界の財産だと思う。彼の愚直なまでの音に対する姿勢はデビューの時と今も全く変わっておらず、どこか未完成な部分が残されたままのきわどさが、人を惹き付けるのだろう。Happy New Year!!!吉江一男