2008/11/26

サイモン・ラトル&ベルリン・フィルハーモニー

昨晩は待ちに待ったラトル&ベルリンフィルを聴きにサントリーホールへ。演目はブラームスの交響曲#1&#2。ベルリンの演奏は溌溂とした若々しいタンニンが効いたカベルネソービニヨンのようで、特に骨格のしっかりした#1は聴き答えが十分であった。#2は欲を言えばもう少し情緒的でもよかったように思う。私はバーンスタイン&ウイーンフィルのエモーショナルな演奏が特に好きなのでそう感じてしまう。今日は#3&#4だ。つい先日行なわれたNHK音楽祭でのヤンソンス&コンセルトヘボーによる#3は涙がチョチョ切れる位良かったので、神様ラトル様どうか泣かせて下さい。お願いします。

2008/11/25

サントリーウーロン茶、ほっとキャンペーン


”美人猫舌”このコピーって凄いと思いませんか? 中国人の可愛らしい女性が温かーいウーロン茶を飲もうとして、つい「アッチ!」って言ってしまう。そんな日常普通にありがちな映像にこのコピー。クライアントと制作者との間に強い信頼関係があってこそ実現できる企画だと思います。普通だったら「どこがオモシロいの?」とか「んー、分かんないなー、もっと飲みたくなるようなコピー考えてよ。」なんて言われちゃうでしょ。結局こういうCMは消費者の感性を一番信じているんだと思います。
揚琴のソロによる中川俊郎の「姉さんの恋」オリジナルCM音源はこちらで聴けます。http://www.mr-music.co.jp/top.html

2008/11/21

docomo新CM



ドコモのCMが新しくなりました。現在流れているのはアンサーハウスというシリーズです。音楽はビートルズの「ALL YOU NEED IS LOVE」が引き続き使われていますが、前回までのマス的なものからパーソナルな形に変わっています。今は少ししか聴こえませんが、これから色々とストーリー展開する中で音の全体が現れて来ると思います。のんびりムードで歌っているのは”羊毛とおはな”です。これからを楽しみにして下さい。

2008/11/18

東京ガス企業CM


ボケて行くお婆ちゃんと成長する孫の変わらぬ絆を描いたこのCMは胸に突き刺さる。ソフトバンクのCMで有名になった電通の澤本さんが企画脚本したものだが、このような企画をクライアントに通す力が凄いと思う。人の結びつきを料理を通して表現することでCMとして成り立たせる方法は古典的だ。しかし前田良輔監督の卓越したディレクションが臭く重くなりがちなテーマを現代的に軽く見せるのに成功している。また長調でありながら切なさを秘めた中川俊郎の音楽が絶妙な距離感でストーリーを進めて行く。

2008/11/12

ホンダ・ニュー・オデッセイとサタデーナイト・フィーバー



1977年に封切られたこの映画は当時世界中で大ヒットしました。そのオープニング・タイトルに流れていたのが、CMに使われているビージーズの「ステイン・アライブ」でした。映像では主演のトラボルタがニューヨークのダウンタウンをひたすら歩いているのですが、場所をロンドンにして主演をクルーニーにするとオデッセイが出来上がる訳です。また場所をロスアンゼルスにして主演をブラピにするとソフトバンクになります。ということで、過去歩きのカットに使われていた名曲を選び、場所と主演が決まればCMは出来上がります。このやり方はシンプルで分かり易いのですね。CM効果で曲も配信サイトでトップになりました。めでたしめでたし、、、。そう言えばこんなのもありました。マイケル・ダグラスとチャーリー・シーンが出ていた「ウォール・ストリート」のオープニング・タイトルは、朝の通勤ラッシュのマンハッタンをチャーリーが歩いていて、そこで流れていたのはシナトラの「フライミー・トゥー・ザ・ムーン」でした。

2008/11/11

マリス・ヤンソンス&ロイヤル・コンセルトヘボウ

昨晩は2年振りの来日であるヤンソンス指揮コンセルトヘボウのコンサートのためにサントリーホールへ行った。このコンビはいつでもサービス精神が旺盛で、今回もドボルザークの「第8番」(前回は『新世界』)、メンデルスゾーンの「イタリア」、そしてラヴェルの『ラ・ヴァルス』と日本人が大好きな曲目ばかりである。特にドボルザークのメロディーは秋に聴くとジーンと心に染み渡りますね。それに『イタリア』と来たらメランコリックにならない人は変ですよ。留めが刺激的でアンニュイでエスプリ満載のラヴェルでしょ、これ以上のプログラムがあったら教えて下さい、、、、しかしこれで終わらないのがヤンソンスの凄い所。アンコールで再びドボルザークの「スラヴ舞曲Op.72-2」が鳴った時は涙腺が刺激されて、、もう、、、メロメロでした。温かいチェロの音、キラビやかだけど抑制の利いた黄金の金管群、艶やかでクリアーなヴァイオリン、世界超一流のオーケストラはその魅力を遺憾なく発揮してくれました。そういえば私が12才の時にピエール・モントー&コンセルトヘボウによる「田園」を父親が買ってくれ、それにはリハーサルを録音したおまけが着いていて、それを聴きながら指揮者の真似をしていたこと思い出しました。

2008/11/07

ACC CM FESTIVAL 2008

日本広告制作社連盟(ACC)主催の2008年CMフェスティバルにおいて受賞作品が発表になった。今年はソフトバンクが総務大臣賞をはじめ総ナメぶっちぎり状態であった。誰が考えても今年はそれしかなかったのである。アメリカの次に大量のCMが作られている日本で、何とも情けない話しじゃアーリませんか。

2008/11/06

iPODのCM

iPODのCMはどれもシンプルで商品の特徴が分かり易い。しかもカッコ良い。最近日本でも「iPODのCMみたいに作りたいのだが、、、」という話しをよく聞く。今までにiPODのCMはU2やエミネムなどドメジャーなアーティストを登場させているが、彼等は基本的にCMはNGなのです。出る以上はそれなりのロジックがあり、日本のCMでそれをやろうとしても現状では不可能に近いと思う。また、お笑いバラエティー・タレントが出て喋っている映像に、COLD PLAYやTHE ASTEROIDS GALAXY TOURをただくっつければ良いのか? そうじゃないでしょ。

2008/11/05

バーンスタイン生誕90年



今年はレナード・バーンスタインの生誕90年にあたります。今ニューヨークではカーネギー・ホールやリンカーンセンターなどを中心に記念イベントが目白押しです。バーンスタインは指揮者として衝撃的なデビューをしました。それは1943年にドイツ人指揮者ブルーノ・ワルターによるニューヨーク・フィルハーモニックのコンサート当日、客が着席し終わった時、ワルター体調不良で出演が不可能のアナウンスが流れました。当時ワルターは人気絶頂にあり巨匠の一人でした。そんなアクシデントの中で代役に抜擢されたのは全くの無名で若干25才、しかもアメリカ人のバーンスタインでした。リハーサルなしぶっつけ本番の演奏が始まるやいなや、聴衆はその新人指揮者の演奏に度肝を抜かれ興奮の渦と化しました。その後の指揮者としての活躍は周知の通りですが、私が一番感動するのは人種と異文化に対する差別と偏見をなくすことへの音楽的な取り組みです。以後サイモン・ラトル、バレンボイム、ダニエル・ハーディングなど遺志を継ぐ若き音楽家達がたくさん現れ、今ではヒップホップとマーラーやブラームスなどが同次元で聴けるまでになりました。
>http://www.carnegiehall.org/SiteCode/Events/MonthCalendar.aspx