
現在オンエア中のTV-CM、ネピア〈GENKI!〉は、〈ドレミ〉というブランドに替わり、アンパンマンをキャラクターに起用して新たに立ち上げたおむつブランド。コンセプトから商品デザインに至るまでの全てを、電通のコピーライター並河進さんが中心となり、準備が進められてきました。このCMを作るにあたって、並河さん、演出の小松真弓さんから、音楽については、「単なるおむつ広告ではなく、少子化問題や悲惨な殺人事件など...子どもをめぐる未来に不安を感じているお母さんやお父さん、そして日本全体を元気づける応援歌にしたい。そして、このCMを
AKACHAN!GENKI!NIPPON!プロジェクトの旗にしたい」というオーダーがありました。
今年4月の発売に合わせて、半年前からミーティングを重ね、粘り強く選曲したものの、なかなか全員が「これだ!」と思える楽曲が見つからず、苦戦を強いられました。そんな時に、手がかりを求めて、あるパンクロックの本を手にCDショップに行き、店員さんに色々質問していると、なんとその人が、その本のライターであることが発覚して、パンクロックの隠れた名盤を色々と紹介してもらいました。その中にSHAM69のアルバムもあって、ちょっと運命的なものを感じました。
70年代後期のイギリスを熱狂させたパンク・ムーブメントの中心的存在だったSHAM69は、ジミー・パーシー(Vo.)とデイヴ・パーソン(G.)を中心に結成され、「若者世代の代弁者」として圧倒的な支持を集めました。彼らの代表曲「If The Kids Are United」は、自由を、楽しむことを訴え、「もしみんなが団結すれば、決してバラバラになることはない」と歌われる、強力にキッズの「ユニティ」を歌ったアンセム。この曲に出会った時に、〈GENKI!〉のCMには、絶対にこの曲しかない!と思いました。
既成楽曲を使うCMが増えてきて、「とにかく誰でも知ってる有名曲を...」というリクエストも多い中で、「If The Kids Are United」は、強い意志のある、とても発掘感のある楽曲でした。成田英理子