何気なくBS2をつけてみると尊敬するTony Bennetの "DUETS"をやっていた。06年9月に発売の、Bono, Stevie Wonder, Billy Joel, Elton John, Juanes, James Taylor, Barbra Streisand,それにPaul MacCartneyなどなど錚々たるアーティスト達と共演したアルバムのメイキングだ。1993年のFrank Sinatra"DUETS"と同企画なのでそれ自体は新鮮ではないが、中身がとにかく凄い。80歳を過ぎたポップ歌手の声とは思えない張りと艶、そしてスィング感には圧倒的される。いったいどんな努力をすればこんなことが可能なのだろうか?日本のポップ歌手からは想像ができない。ポール・マッカートニーはTonyとの会話の中で、「20才の頃受けたインタビューの時、Cole Porterが自分の一番好きな作曲家だ。」と答えたと言っていた。過去を知らずして未来はないから。二人が歌う[The Very Thought Of You]は互いの深い尊敬と音楽に対するレスペクトがひしひしと伝わる。時代と共に表現は変わっても、音楽に対する愛とレスペクトは普遍的なものとして、最も大事にしたいと思う。私が23才の時、'72年にワイキキのRoyal Hawaiian Hotelで観たTonyのショーを思い出しながら、、、、吉江一男