2007/07/09

NHK-FM「現代の音楽」に中川俊郎が出演


毎週日曜日夕方6時から放送されているNHK-FM「現代の音楽」で、7月15日・22日の2週にわたり『日本の作曲家・中川俊郎』と題した特集が放送されます。2006年3月に東京オペラシティ・リサイタルホールで収録された「マンボ7/8」(コントラバス:池松宏)、「サクソフォンとピアノのためのピエタ」(アルト・サクソフォン:須川展也)など、まだ音源化されていない中川俊郎の作品に触れられる貴重な内容です。パーソナリティ・西村朗×中川俊郎のトークも楽しみですね。お聞き逃しなく!!成田英理子

2007/07/05

矢沢永吉

昨晩はNHKで矢沢永吉の番組が放送されていた。私はキャロルが活躍していた頃アメリカにいたので彼の音楽を身近に感じたことがなかった。何となく見ていると「もう一人の俺」という曲を布袋寅泰と二人で歌い始め聴き入ってしまった。これは以前サントリーBOSSのCM用に作られた曲で、去年も本人出演のTBCのCMに使われていた。よーく聴いているとなかなか味のある歌詞なのだ。「時間よ止まれ」もそうだがやはり名曲は歌詞がいい、、、、とこんなことを書いておきながら、手前味噌になりますが、この歌詞は弊社プロデューサー渡辺秀文が書いたものです。矢沢さん出演のサントリー・プレミアムモルツも渡辺が担当しているので、二人はなにか相性がいいのかも知れません.吉江一男

2007/07/03

音楽サンプルの弊害

CMのためにオリジナルで制作された音楽を「うーん、違うなー、何か違うなー、もっと良くならないかなー」と言ってダメ出しをする人は昔から多い。ダメな理由を聞いてみると「サンプルと違うんだよねー」と来る。サンプルはビートルズ、サイモン&ガーファンクルなどなど世界的に有名なものばかり。勿論アメリカやイギリスのCMの現場でも何かサンプルを頼りに確認作業が行なわれることはあるが、あくまでもback up image なのであって、それに囚われて良し悪しの判断はしないし、そこで表現者としてのプライドとオリジナリティーをキープするのである。クライアントにしてもしかりで、もし既成曲を使用する場合はその使い方が問題で、 i-Pod がCM 絶対御法度だったU2を起用したのは商品性から考えてその好例である。最近は欧米の音楽業界も日本のCMの美味しさを分かっているので、お金させ出せば使用させてくれる曲が増えた。世界的に音楽業界はシュリンク状態にあるので日本のCMはいい餌である。自動車メーカーや携帯電話のように大枚を払って有名曲を使うか、オリジナリティーを追求してシコシコやるか、どっちかはっきりしましょう。ギリギリセーフな物を作ってもオリジナルを超えることは出来ないので粗悪品を流すことになります。頻繁に起る盗作問題でのトラブルなども考えると、クライアントしいては消費者の利益になっているのでしょうか? 吉江一男

2007/07/02

手紙って、ドキドキする。


このタイトルは、郵便局の「手紙」CMのキャッチコピーで、6月30日からフジテレビ系列「一葉の想い」内で新CMのオンエアがスタートしました。今回のタイアップ楽曲は、オトナモードの「花束」。1st mini album「小さな旅」、2nd album「憧れの花」に続き、5月23日にリリースされた待望の3rd album、「空への近道」に収録されています。
私がこの曲を選んだ一番の理由は、この楽曲の歌詞にあります。ヴォーカル高橋啓太本人によるセルフライナーノーツには、「忘れられない風景や、大切な人たちが僕の根を支えてくれています。そこからいつも、たくさんの勇気をもらっています。その気持ちを曲にしました。そして、タイトルに感謝の気持ちを込めました。」と書かれているように、「どんなに長い道でも/立ち止まらずにいれたのは/いつもそこにあなたがいてくれたから」というサビの部分の歌詞が、まるで離れて暮らす家族や好きな人に想いを込めて書く手紙のような印象を受けたからです。
圧倒的な存在感を放つ歌声が、どこか懐かしくて、優しい気持ちにさせてくれるオトナモード。9月20日に渋谷CLUB QUATTROで行われるツアーファイナルが今から待ち遠しくて仕方ありません。成田英理子

2007/06/26

CM音楽とピアノ

最近のCM音楽に口笛が氾濫していることは以前書いたが、ピアノをフィーチャーしたものも多い。その殆どが優しいバラード系なのである。ナレーションが多い日本のCMにおいてピアノはバランスがとりやすいのだろう。そしてピアノはやはり楽器の王様だから包容力があり納まりがいい。でも暴れん坊な王様も居て良いのではないか。吉江一男

2007/06/25

SHAM69 "If The Kids Are United"


現在オンエア中のTV-CM、ネピア〈GENKI!〉は、〈ドレミ〉というブランドに替わり、アンパンマンをキャラクターに起用して新たに立ち上げたおむつブランド。コンセプトから商品デザインに至るまでの全てを、電通のコピーライター並河進さんが中心となり、準備が進められてきました。このCMを作るにあたって、並河さん、演出の小松真弓さんから、音楽については、「単なるおむつ広告ではなく、少子化問題や悲惨な殺人事件など...子どもをめぐる未来に不安を感じているお母さんやお父さん、そして日本全体を元気づける応援歌にしたい。そして、このCMをAKACHAN!GENKI!NIPPON!プロジェクトの旗にしたい」というオーダーがありました。
今年4月の発売に合わせて、半年前からミーティングを重ね、粘り強く選曲したものの、なかなか全員が「これだ!」と思える楽曲が見つからず、苦戦を強いられました。そんな時に、手がかりを求めて、あるパンクロックの本を手にCDショップに行き、店員さんに色々質問していると、なんとその人が、その本のライターであることが発覚して、パンクロックの隠れた名盤を色々と紹介してもらいました。その中にSHAM69のアルバムもあって、ちょっと運命的なものを感じました。
70年代後期のイギリスを熱狂させたパンク・ムーブメントの中心的存在だったSHAM69は、ジミー・パーシー(Vo.)とデイヴ・パーソン(G.)を中心に結成され、「若者世代の代弁者」として圧倒的な支持を集めました。彼らの代表曲「If The Kids Are United」は、自由を、楽しむことを訴え、「もしみんなが団結すれば、決してバラバラになることはない」と歌われる、強力にキッズの「ユニティ」を歌ったアンセム。この曲に出会った時に、〈GENKI!〉のCMには、絶対にこの曲しかない!と思いました。
既成楽曲を使うCMが増えてきて、「とにかく誰でも知ってる有名曲を...」というリクエストも多い中で、「If The Kids Are United」は、強い意志のある、とても発掘感のある楽曲でした。成田英理子

2007/06/18

ユー・アー・マイ・サンシャイン物語


現在オンエア中のNTTドコモのドコモショップTV-CMで、使用されている「You Are My Sunshine」は、誰もが知っている「Amazing Grace」「White Christmas」などと並んで、アメリカを象徴するカントリー・ミュージック。いつ聴いても、どこか懐かしい匂いがして、気持ちが安らぐ、お気に入りの一曲です!この曲が、アメリカ人の心の歌として定着するきっかけになった、知られざるエピソードについて書かれた本に出会いました。それが、三井徹著「ユー・アー・マイ・サンシャイン物語-アメリカ南部の音楽と政治-」(筑摩書房)です。著書によると、1940年代に、ジミー・デイヴィスという人が、もともと作曲者不詳とされていたこの曲を、「自分が作った楽曲です。」と発表し、ルイジアナ州知事選挙に立候補した時に、選挙運動の一環としてバンドを引き連れ各地を歌い回り、見事に州知事選挙に当選したとされています。デイヴィスは、私利私欲のために歌の力を利用したけれども、結果的には、この曲をアメリカのポピュラー・ミュージックとして広く世に浸透させました。一つの曲に秘められたストーリーを掘り下げてみると、こんな風に新しい発見があって、とても面白いなぁと思いました。「You Are My Sunshine」だけでなく音楽の背景を調べてみたくなりました。成田英理子

2007/06/15

電車内で見るCM

最近、車内でCMを流している電車が増えています。中吊り広告と違って動いている映像はインパクトがあるので、広告としての効果は大きいと思います。私が通勤で使用している東急東横線にも扉の上に小さなTVが付いていて、乗車中ついつい目がいってしまいます。民放のTV番組内でオンエアーされているCMが多く流れているので、弊社のプロデューサーが関わった作品もよく見ます。
しか〜し、悲しいことに車内のTVは音声オフなので音楽を聞くことができません。CM音楽を制作している側としては非常に悲しいことです。
でも裏を返せば、家のTVでは音楽が流れていることが当然のCMを、音楽無しで見せることで、「このCMの音楽はどんなのだったっけ?」とCM音楽に注目してくれる人が増えるチャンスかも、、、、とポジティブな方向に考えてみたりしています。
Production Manager 市川祐子

2007/06/11

設立30周年記念社員旅行 in マウイ島


会社設立30周年を記念して、6月1日から4泊6日でマウイ島に行って来ました!「マジック・アイランド(魔法の島)」や「バレーアイランド(渓谷の島)」という魅力的な愛称で親しまれてるマウイ島は、ハワイ諸島の中で、ビックアイランドに次いで2番目に大きな島。参加した社員の半数が、マウイ島を訪れるのは生まれて初めてで、カパルア空港に降りたって、目の前に広がる澄み渡った青空と真っ青な海に、みんな、ただひたすらに感動していました。

マウイに到着した6月1日は、偶然にも代表・吉江の誕生日!!というわけで、スタッフ全員で、トロピカル・フラワーと「ハッピーバースデイ」をプレゼントしました。ちょっとしたサプライズに満面の笑顔で喜んでくれました。

現地では、ハイアット・リージェンシーでのウェルカム・トロピカル・ショー、テニス大会、バーベキュー、ゴルフ、パラセイリング、シュノーケリングなど、各自、思い思いのままにアクティビティを満喫し、本当にあっという間の6日間でした。
少しだけ早い"夏休み"に感謝して、また、気持ちを新たに仕事に励みたいと思います。成田英理子

2007/06/01

本格的なスコアリング・ステージが誕生

もともと映画会社各社はスコアリング・ステージを持っているものだった。そこで映画を大スクリーンに写しながらサウンドトラックをレコーディングしていた。演奏家達はだだっ広いスタジオの中で、冬はストーブで手を暖めながらコートを着て演奏していたのを覚えている。映画産業の斜陽とともにリストラでスタジオが閉鎖されてから30年が過ぎ、また日本映画が活気ずいている。そんな折に東京に本格的なスコアリング・ステージが誕生する。設計は豊島政実さんで、あのアビーロード、タウンハウス・スタジオ、スティング等の有名スタジオを造った世界的な人だ(因に弊社のCricket Studioもそうである)。これでレコーディングの海外流失が減りクオリティーの高いメイドイン・ジャパンが生まれると良いのだが。吉江一男

2007/05/30

永遠のZARD

坂井泉水が帰らぬ人になってしまった。故人とは15年前の92年12月に録音した「揺れる想い」から始まり、数々のCM音楽の仕事を一緒にやらせてもらい、幸いにもたくさんのヒット・ソングを作ることができた。ZARD の音楽は業界人や評論家達が論評しようにも基準を見つけ出せず、その独特性はユーミンと同じ位に特筆されるものだと思っている。合掌、、、吉江一男

2007/05/28

「恋愛睡眠のすすめ」


渋谷シネマライズで公開中のミシェル・ゴンドリー監督最新作「恋愛睡眠のすすめ」を観て来ました。"映像の魔術師”とも称されるミシェル・ゴンドリーは、ビョークやBECK、DAFT PANKなどのPVを手掛けるほか、CF業界でもその才能を遺憾なく発揮し、NIKEやBMW、LEVI'S...など、世界の名だたるトップブランドから依頼を受け、今、最も注目を集める映像作家。2004年公開の「エターナル・サンシャイン」に続く今回の作品では、夢と現実を織り交ぜた可愛くて、切ないラブストーリーをクラフト感溢れる独特の世界観で描いています。
ある雑誌のインタビュー記事の中で、監督が「(自分が寝ているときに見る)夢にはドラマ性があるとずっと思っていたから、夢を見たときの感情を形にしてみたかったんだ。」と語っているように、この映画には全篇に渡って、監督のよりパーソナルな部分が強く描かれているように感じました。「好きな人に愛されたい」という人間の普遍的な想いをデフォルメした主人公ステファンのクレイジーな行動には、お茶目なユーモアが散りばめられていて、観終わったきに、なんだか心があったかくなる、何度でも見返したくなる映画でした。成田英理子

2007/05/21

Human Audio Sponge Live 2007@パシフィコ横浜国立大ホール


5月19日(土)Human Audio Sponge(高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣)の一夜限りのスペシャル・ライブを観に行ってきました。このライブは、小児がんを始め病気と闘う子どもたちと家族を支援する「Smile Together Project」の趣旨に共感した幸宏さんの発案で実現したもので、3人が一緒にステージに立つのは2004年バルセロナ・東京でのライブ以来、約3年ぶり。この日は、YMO時代の代表曲「以心電信」「ONGAKU」や、CM用にアレンジされた「RYDEEN 79/07」、高橋幸宏+細野晴臣によるユニット・SKETCH SHOWの楽曲など、新旧織り交ぜての全17曲を披露してくれました。HASを支える権藤知彦さんや高田蓮さんといった強力なサポート陣によって、エレクトロニカな中にも上手くアコースティックな生音が絡み、よりバンドっぽいサウンドになっていたのが印象的でした。頻りに汗を拭いながら演奏していた細野さんのベースは特に際立っていました!本当に貴重なこのライブに立ち会えた幸運を感謝して、今、自分に出来る事を改めて考えてみようと思います。成田英理子

2007/05/11

BABEL

連休中に映画「バベル」を観てきました。ストーリー、映像、キャスト、etc.・・・何かと話題になっている作品ですが、音楽もアカデミー賞で作曲賞を獲得しているだけあって素晴らしかったです。
音楽監督はラテン音楽界の巨匠といわれるグスタボ・サンタオライヤ。劇中で流れるのは彼のオリジナルスコアが中心ですが、坂本龍一の”美貌の青空”という曲(アルバム「1996」に収録)も使われていて映画を盛り上げています。サンタオライヤのオリジナルスコアは、アコースティックギターの切ないメロディから始まる曲が多く、彼が生まれた国アルゼンチンや中南米の匂いが感じ取れました。また、アフリカや中東の音楽、エレクトロニックの要素などが含まれた曲もたくさんありました。
この映画から伝わってきたのは、人種や言語の違いによる壁、人間の孤独さ、それでも我々はどこかで繋がっている、ということです。サンタオライヤの音楽は、人種や言語、音楽文化の壁を越えて世界中の人々に響いていると思います。
Production Manager 市川祐子

2007/05/07

ビギン・ザ・ビギンは短調だった?

今朝はコールポーターを聴きながらドライブをして会社に来た。名曲ビギン・ザ・ビギンをシェリル・クローが歌っているのだが、これが全編短調でアレンジされていて、良く耳にする現在の物とは全く違った美しさがある。シェリルは通常の並行3度下のメロディーを見事に自然に歌い切り、コールポーターが作った最初の時点では短調だったんじゃないかと思ってしまう。時代的にも明るい曲の方が売れると見込んで、プロデューサーが長調に書き直させたのかも知れない。もしそうでなかったら、こんな実験的なことをやれる自由さが音楽において尊いことだと思う。吉江

2007/05/06

MC SNIPERのニューアルバムにユーミンの『春よ、来い』が

MC SNIPERは韓国を代表するラッパーだ。以前坂本龍一と『UNDER COOLED』でコラボしており、その時はプロモーションのために来日し、坂本や小山田圭吾らと頻繁にTV出演をしていた。その後すぐ兵役に行き、役務終了した去年Friends Of Love The Earth Projectに参加するために再来日した。その時にユーミンと『春よ、来い」で共演した際この曲に感動し、帰国後韓国で録音された。韓国語のハードコアなラップで言葉は全く分からないが、とにかく彼のラップとサウンドが切なくて目頭が熱くなってしまう。そしてユーミンの曲は永遠のオアシスのように癒される。日本発売はいつになるんだろう。吉江

2007/05/05

改善の余地がある中で、、、、

「熱狂の日音楽祭」では数々の演目を聴いたが、正直言って首をかしげたくなるパフォーマンスがあった。特にスペインから来たオケは全公演ひどく、もともとのレベルが低いうえにやっつけ感が否めない。FORUMのHall-Aは生オケには大きすぎて音が散らばってしまい、まるで野外コンサートみたいだから演奏家はとくにやり難いのは理解できるが、、、、。Hall-Cも同様でPA増幅を前提に作られているので生演奏には厳しい。そう考えるとこのクラシック・コンサートの条件はタフだ。将来を考えるとたくさん改善の余地があると思う。
そんな中でB-7でやったトウキョウ・モーツアルトプレイヤーズが収穫だった。武満徹『海へ』、ドビッシー「神聖な踊りと世俗な踊り」、ラベル「クープランの墓」はどれもが繊細で、演奏家の息もピッタリ合っていて、お祭り独特の雰囲気に流されず真摯に音楽と対峙していた。指揮者の沼尻竜典と若き演奏家達に今後も多いに期待したい。吉江

2007/05/02

「熱狂の日」音楽祭2007

今日から丸の内で音楽祭が始まった。東京フォーラムを拠点にオープンしたての新丸ビル,丸ビルのオープンスペースなど一帯が音楽で満ち溢れている。南フランスのナント音楽祭を模して2年前から始まったイベントの今年のテーマは民族のハーモニー。チャイコフスキー、ラフマニノフ、ムソルグスキーなどのロシア音楽、グリーク、シベリウスなどの北欧、ラベル、ドビッシーなど現代フランス、ファリャ、ロドリーゴなどスペイン、武満徹、ガーシュインなど日米の競演、などなどとても充実したプログラムが組まれている。それに1、500〜3、000円で鑑賞できる値段設定も素晴しいと思う。早速今日はFORUMでグリーク:ピアノ・コンチェルト、ラフマニノフ:ロマンスとスケルッツオ、チャイコフスキー:フィレンツェの思い出、を聴いて今オフィスに戻り、これからまたチャイコのヴァイオリン・コンチェルトを聴きに行く。「フィレンツェの思い出」は初めて聴いたのだがチャイコって本当に親しみやすくてポップですね。演奏家も手を抜かずに最後までやっていた。6月のパリ音楽祭のようなものが東京にもあればいいと願っていたので、このイベントがもっともっと大きく発展し世界的になってくれることを期待している。吉江

2007/04/25

キユーピー&アヲハタCM SONG COLLECTION


キユーピーとアヲハタのCM1995〜2007までをコンパイルしたアルバムが配信だけで近々発売される。長年に渡り一貫したトーン&マナーで制作されているCMはオリジナリティーにおいて唯一無似のものであり、クリエーティブを志す者によって無条件にレスペクトされる。今回のコンピレーションはそのCMに音楽として参加したアーテイスト達の中から諸処の条件をクリアーした音源だけが収録され、全てがCMのためのオリジナルだ。全アーティストを収録できなかったのは残念だが、楽しめるものになっていると思う。吉江

2007/04/18

櫻井順さん素敵です。

今一番気になるCMはサントリーのDAKARA。豚ちゃん(ピグリンという名前らしい)のぬいぐるみがバレーを踊っている映像は可愛い過ぎます。そして音楽が気になって気になって調べてみたら櫻井順さんでした。このメロディーには色々な悲哀が込められていて深ーいのです。こういう仕事は熟練の技と、柔軟な脳からのひらめきがキープされている、選ばれたプロにしかできないと思います。そういえば♩ブタブタ子ブタ〜♩のエースコックのワンタン麺も櫻井先生です。ブタとの相性がいいのかも?吉江

2007/04/17

Hardingのマーラー第5番

昨晩はオペラシティーにおいてロンドン交響楽団(LSO)のコンサートがあった。タクトを振るのは、去年夏のザルツブルグ音楽祭で観て以来、楽しみに待ちに待ったDaniel Hardingだ。LSOは去年も来日していて、その時にチョン・ミョンフンの指揮でやった『展覧会の絵』は素晴しかった。この伝統的なオケと新進気鋭のハーディングの組み合わせに胸が轟かない訳はない。演目もマーラー最高傑作の一つシンフォニー第5番である。とにかく彼の指揮ぶりが見たくて前列3番目を取った。華奢で小柄な身体から振り下ろされる棒は鋭く天に向い、最後まで表情は精気に溢れ、圧倒的なパワーとスケールがフィナーレまで続いた。有名なアダージョはオーストリアン・スイーツのように美しく甘い曲だが、最後の音まで注意を途切らすことはなかった。走馬灯のように現れては消えて行くマーラー独特の音の波に漂いながら、こんな夢のような時間が永久に続いてくれればと願っている自分がいた。吉江

2007/04/13

オンド・マルトノでCMを。



久し振りにオンド・マルトノでCMを制作した。勿論演奏は世界的奏者の原田節さんで作曲は中川俊郎だ。このコンビは、1987年制作の劇場映画「ア・ラ・カルト・カンパニー」が初顔合わせで、それ以来数々の録音をやっている。映画の中で主演の今井美樹扮する茜のために作られた「茜のテーマ」はいろんなCMに使われた名曲だ。特に演出家の前田良輔さんはマルトノとこの曲の大ファンです。マルトノは電子楽器だがその響きはとても温かく、大きな宇宙に優しく吸い込まれるような気持ちになる。Radio Head のTom Yorkは簡易的なシステムのTom Yorkモデルなるものを作り、単音楽器なので、ハーモニー演奏をするために3台をステージに乗せてライブをやる。原田さんとの交友も深く、来日時には原田邸でマルトノ談義をやっている。来年は、マルトノをフィーチャーした「トゥーランガリラ交響曲」の作曲家メシアン生誕100年にあたるので原田さんは国内外と忙しい。そんな世界的オンディスト原田さんが弾く中川メロディーがCMから流れるのが楽しみです。「茜のテーマ」はi-Tunes Music Storeで購入できます。
吉江

2007/04/06

松坂デビュー

松坂がついにデビュー、ロイヤルズを相手に初勝利を上げた。野茂のデビュー時以上の10Kを奪い、アメリカはイチロー以来の騒ぎで、ボストンの地元紙は1面トップの見出しを日本語で「怪物デビュー」と書いている。こういうニュースは本当に私たちを幸せにしてくれる。ありがとう。吉江

2007/04/04

CMと口笛

最近のCM音楽には口笛が多く使われている。何故だろう? 人間は幸せを感じる時に、スキップするのと同じように口笛が出る。小さい頃は仲良し達とよくスキップをして遊んだものだが、歳を重ねるごとにできなくなってしまう。CMってやっぱり幸せを売るものだから、口笛には伝達力があるんだと思う。吉江

2007/04/02

Tony Bennet "DUETS"

何気なくBS2をつけてみると尊敬するTony Bennetの "DUETS"をやっていた。06年9月に発売の、Bono, Stevie Wonder, Billy Joel, Elton John, Juanes, James Taylor, Barbra Streisand,それにPaul MacCartneyなどなど錚々たるアーティスト達と共演したアルバムのメイキングだ。1993年のFrank Sinatra"DUETS"と同企画なのでそれ自体は新鮮ではないが、中身がとにかく凄い。80歳を過ぎたポップ歌手の声とは思えない張りと艶、そしてスィング感には圧倒的される。いったいどんな努力をすればこんなことが可能なのだろうか?日本のポップ歌手からは想像ができない。ポール・マッカートニーはTonyとの会話の中で、「20才の頃受けたインタビューの時、Cole Porterが自分の一番好きな作曲家だ。」と答えたと言っていた。過去を知らずして未来はないから。二人が歌う[The Very Thought Of You]は互いの深い尊敬と音楽に対するレスペクトがひしひしと伝わる。時代と共に表現は変わっても、音楽に対する愛とレスペクトは普遍的なものとして、最も大事にしたいと思う。私が23才の時、'72年にワイキキのRoyal Hawaiian Hotelで観たTonyのショーを思い出しながら、、、、吉江一男

2007/03/30

TOKYO MID TOWNがOPEN

サントリー美術館を観るために、早速オープンしたてのミッドタウンに行ってみた。平日の午後とあって比較的スムーズにツアーができた。とにかくコレクションの素晴しさに圧倒される。担当の方に聞いてみると、1回では陳列しきれないので分けてやるそうだ。今回の安土桃山や江戸時代の日本文化は遊び心に満ち溢れて光輝いている。余談ですが、この素晴しい美術館の館内BGMを中川俊郎が担当しました。吉江

2007/03/16

都内に1000ヘクタールの緑地を

石原慎太郎知事は都内に1000ヘクタールの緑地を増やすことを計画していて、まず街路樹を48万本から100万本に増やすそうだ。パリやロンドンのように緑が増えることは大変結構なことだ。それと同時にケバケバした看板やネオンサインなどの色を規制してもらいたい。東京がもっともっと美しくなって、21世紀を代表する世界の都市になってくれればよい。吉江

2007/03/12

CM音楽のディレクション

CM音楽の制作をしているとあらゆるジャンルに出くわす。最近私のような日本人がアメリカの黒人にラップのディレクションをすることが多々ある。英語を詩的なレベルどころか、話すことさえ覚束ないのにも拘らず、大胆不敵な行為だ。ニューヨークのスタジオで黒人が森進一に演歌のディレクションをしているようなもので、これもCMの世界だけの異文化交流かもしれない。吉江

2007/03/06

建築ラッシュ

私の勤める会社の廻りは建築ラッシュだ。つい先日は国立新美術館、外苑東通りに面したツインタワーの横にはもうすぐ47階建てマンションが、3月30日にはミッドタウンがオープンする。戦後日本の建築事情は悲惨であった。建てては壊しを繰り返し、無駄なエネルギーを消費し続けて来た時代にそろそろ終わりを告げて、何百年も使用可能なクラシックな地位を占める建物を作ってほしい。吉江

2007/03/05

小曽根真のピアノ・コンチェルト

小曽根真は言わずと知れたジャズ・ピアニストだ。それが2005年には宮崎国際音楽祭において、モーツアルト・ピアノ協奏曲9番を演奏したりと、ジャズを飛び越えて活躍している。もともとジャズ出身でありながら一流のクラシック演奏家としても活躍した人はいる。ベニー・グッドマンがシャルル・ミンシュ指揮・ボストン・シンフォニーと録音した、モーツアルト・クラリネット協奏曲は名盤だ。またはバーンスタインのようにその逆も多くある。小曽根真は小学生時代からジャズ演奏に秀でた少年で、クラシック教育を特別に受けていない、つい最近までは。昨日は生粋のジャズ・マン小曽根が、2003年山形で行なわれた国民文化祭で発表した「もがみ」という3部構成の古典形式協奏曲をついに生で聴くことができた。いわゆる東洋を感じさせる5音階的アプローチを排し、少し複雑さが混じった情感豊かなメロディーが、ジャージーなハーモニーの中で揺れ動くのがとても美しかった。オーケストレーションも見事ではあるが、やはり圧巻はカデンツァで、ジャズ・マンの真骨頂が随所に出ていて、ジャンルを越えて楽しめた。吉江

2007/02/28

ミュージカル映画

今年の箱根駅伝の中継番組で流れたサッポロビールのCMをご覧になりましたか?台詞は全て音楽に乗せて歌われていて、出演者は踊っていて...、CMというよりミュージカルです!現在Mr. Musicのサイト(CM Tracks)で歌が紹介されています。
ミュージカルやミュージカル映画から生まれた名曲は数々あり、有名な曲になるとオリジナルのミュージカルを知らないけど曲だけは知っている、なんていうこともあります。私は子供の頃、ミュージカル映画が大好きで、「オズの魔法使い」や「サウンドオブミュージック」は繰り返しビデオで観ていました。「オズの魔法使い」でジュディ・ガーランドが歌った”虹の彼方に(Over the Rainbow)”は、映画公開から約70年経った今でも色あせることない名曲です。
世界中の音楽を様々な媒体から聞くことが出来る今日、昔のようにミュージカル映画から音楽がヒットするということは少なくなっています。でも、現在公開中の「ドリームガールズ」、そして4年前のアカデミー賞で6部門を受賞した「シカゴ」など、まだまだミュージカル映画は健在です。ちなみに「ドリームガールズ」は公開翌日に観てきました。豪華出演者の歌とダンスで楽しめるし、60〜70年代のアメリカ音楽シーンも分かりやすく描かれていて、オススメです!
Production Manager 市川祐子

変わって来た?

短い15秒の中に台詞、ナレーション、SE、音楽がてんこ盛りになっているのが、ここ20年における日本のCMの特徴だ。しかし最近そんな重加重状態からの脱却が始まっている気がする。ブラピは携帯電話で何を話しているんだろう? 吉江一男

2007/02/26

英雄の生涯

今朝はリヒヤルト・シュトラウスの「英雄の生涯」を聴きながらドライブをして会社に出勤した。リヒヤルトの音は筋肉系細胞が刺激されPOSITIVEになれる。吉江一男

2007/02/21

椎名林檎×齋藤ネコ


椎名林檎の脳ミソには溢れんばかりの音が天から降り注いで来るんだろう。ジャズ同様に日本人音楽家の多くの先人達がアメリカの真似から始めた類のオーケストレーションを、ネコさんは日本製にしてしまった。 吉江一男

2007/02/17

serendipity

脳科学者・茂木健一郎さんいわく『ルーティーンをこなすことでserendipity(偶然幸運に出会う能力)をもたらすことが可能になる』。
最近出会った好きな言葉。吉江一男

2007/02/15

森本千絵さん

ミスチルや小林武史等の仕事でとても気になっていた森本千絵さん。salyuのアートワークも大好きです。実は去年の年末に中島信也監督からコスモス・イニシアのCMナレーションを頼まれてやったんです(いっぱいオンエアーしてました)。最近わかったんですがそのプランナーが森本さんだったんですよ。一緒にできて嬉しいです。吉江一男

2007/02/09

ロロロ

これアーテイスト名です。何て言うんだ? クチロロだって。いいよねこのネーミング。今朝車の中でJ-WAVE・クリス・トモコの番組で聴いてワクワクしちゃった。2/14発売のシングル、早速エイベックスの小林建太さんから送ってもらって聴いてみた。才能は次から次に現れるんだね。吉江一男

2007/02/08

ワーナー・ミュージックと日産がレーベルを、、、、

WMJと日産による「CUBE LOVES MUSIC」という新レーベルが立ち上がった。この試みは業界初めてのことでしょう。このニュースを知って、これでまたCM音楽制作会社への発注がなくなるのか、との思いが脳裏をかすめました。タイアップもここまでくると、今CM音楽制作者にとって大事なことは、ぞくぞく、ドキドキする、CMにしかできない、揺るぎないオリジナリティーだと思います。吉江一男

2007/02/05

近田春夫

春夫ちゃんとは私が16で彼が14の時からの知り合で、いまだに一緒に仕事をするので業界最長の付き合いだ。彼は去年の秋まで携帯電話を持たなかったが、何故かついに持つことになってしまったのである。携帯も持たずによく忙しく仕事をしているものだと尋ねるたびに、「なけりゃないで何とかなるもんよ」なんて言っていたが、持った途端、ここまで豆になるかとあきれる位メールが来る。そして「こんなに俺に合うものはないね〜」なんて言っている。何故持つことになったのか本当の理由を聞いてみよう。吉江一男

ビリー・ジョエルが歌う「星条旗」

今朝、日本在住アメリカ人向けのラジオ番組を聞いていたら、NFL(アメリカンフットボールのプロリーグ)決勝戦=「スーパーボウル」の中継が流れていました。試合前の国歌斉唱では、ビリー・ジョエルがゲストとしてアメリカ国歌である「星条旗(The Star-Spangled Banner)」を歌っていました。ビリー・ジョエルらしさを思わせるピアノ前奏で始まり、彼の声が流れてくると私も試合会場で聞いている気分になりました。歌が終わり観客の盛り上がりと拍手喝采の様子が伝わってきました。年に一度、国民的スポーツの決勝戦で人気スターが国歌を歌い、そのときはアメリカ国民が一つになっているような気がします。人種や宗教の異なる人たちが集まるアメリカでは必要なことなのでしょう。
ちなみに「スーパーボウル」のテレビ中継の間に流れるCMは毎年注目されます。なにしろ全米の人々が一斉にテレビを見る日なのでスポンサーは競って話題となるCMを作るのです。今年はどんなCMが放送されたのでしょうか。実際にオンエアーされたCMを見られるサイトがあるようなのでチェックしてみます!
Production Manager 市川 祐子

2007/02/01

日本の表現力

「日本の表現力」と題された企画展が国立新美術館で開かれている。展示1は1950年代から現在に至る、アート、エンターテイメント、アニメーション、マンガの軌跡を、10年ごとにまとめられた6つの連続するブースで、展示2は縄文時代まで遡り、現代までの表現が紹介されている。嬉しいことに展示1にはそれぞれCMが3本ずつモニターに映されていて、「ピッカピカの一年生」「おしりだって洗って欲しい(TOTO)」「バザールでござーる(NEC)」「Speed(キューピー)」が入っていた。自分のことはさておき、とても楽しめる企画だ。日本人の表現力の豊かさを実感させられる。吉江一男

2007/01/31

東京は楽しい!

昨晩は東京フォーラムでIL DIVOを見ることができました。話題の4人組の声量の大きさには圧倒されます。ラテン系のメランコリックなメロディーに生ピアノとガット・ギターが絡み、全ての曲で必ず来るフル・ヴォイスによる少しオーバー過ぎるサビ、そうですIL DIVOは冬ソナなんですね、中毒性の強い。終わってから道路を挟んで真向かいにあるコットンクラブに行ってみたら、なんとマーカス・ロバーツ・トリオが出ているではありませんか。レギュラー・メンバーのROLAND GUERIN(BASS), JASON MARSALIS(DRUMS)を引き連れてのライブです。2003年にベルリン郊外のヴァルトビューネにおいて、小沢征爾指揮、ベルリン・フィルハーモニーと「ガーシュイン・ナイト」で共演した稀代の才人達トリオです。あの時の興奮がまだ残っている私はまたしてもノック・アウトされてしまいました。IL DIVOで音の洪水にびしゃびしゃに浸り、30分後には爽やかでクールな音に洗い流されて、こんな経験は東京でなければできないですよ。A10神経を活性化させられる東京は中毒の街です。吉江一男

2007/01/30

国立新美術館


1月21日に旧東大研究所跡地に国立新美術館がオープンしました。六本木ヒルズにある森美術館、オープン間近のミッドタウンにできるサントリー美術館など六本木のこの界隈は美術館街になります。会社から徒歩5分なので早速行ってみました。そこで、もしこれが老人ホームだったら、もっと良かったんじゃないかと思ったりしているのです。黒川紀章氏設計の建物はもちろん素晴しく、入っただけでエネルギーが湧いて来るし、周囲には世界中の飲食店、キャバクラ、ライブ・ハウス、クラブなどがひしめき、楽しいことがいっぱいです。いざその時になったら前は青山墓地です。吉江一男

2007/01/26

世界最古のポピュラー音楽?!・・・クロンチョン

一週間ほど前にテレビ番組でインドネシアのクロンチョンという音楽が紹介されていました。クロンチョンは世界最古のポピュラー音楽ともいわれています。
起源は16世紀、当時インドネシアがポルトガルに支配されていた頃だそうです。ポルトガル船に乗っていたポルトガル人、アフリカ人、アラビア人らの船員が来航した際にそれぞれの国の音楽を伝え、そこにインドネシアの伝統音楽が取り入れられてクロンチョンが誕生しました。歌手は張りのある声で歌い、伴奏楽器としてはフルート、ヴァイオリン、チェロ、ギター、ベース、そしてチャッとチュッという弦3本のウクレレに似た楽器が演奏され、打楽器は使われません。弦楽器だけでリズムを作るのが特徴だそうです。
日本でも1948年に有名なクロンチョンの曲を日本語訳して松田トシという歌手が歌ったレコードが出ています。
今日、欧米のポピュラー音楽が世界中で聞かれ、人気を得ていますが、ポピュラー音楽の始まりがインドネシアからだったいうのには驚きました。テレビ番組では、最近インドネシアでクロンチョンの人気が廃れてきていて、若い演奏家が少なくなってきていることを取り上げていました。とても残念なことです。インドネシアの音楽といえばガムランなどが有名ですが、クロンチョンの伝統も守っていってほしいと思います。
Production Manager 市川祐子

2007/01/24

トゥーランガリラ交響曲

昨晩はサントリー・ホールでチョン・ミョンフン指揮、東京フィルハーモニーによるメシアン「トゥーランガリラ交響曲」のコンサートがありました。聴きに行くのは15年程前にサイモン・ラトルがバーミンガム・シンフォニーを連れて来日した時以来です。ピアノは横山幸雄、オンド・マルトノは前回同様世界的オンディスト(ヌーディストではない。)原田節です。この曲は二人のソリストがいる特徴に加え、交響曲は一般的に4楽章から成り立っていますが、10楽章という変則的な構成です。でも4楽章でなければいけない理由もないですよね。やはり良いコンテンポラリー・ミュージックは信じられます。吉江一男

2007/01/22

”不都合な真実”

先週20日に封切られた”不都合な真実”を見て来ました。地球温暖化の実態を映像で見せられて愕然としました。私達は真剣に考え,行動することが責務であり、もはや他人事ではかたずけられません。我が家も早速省エネを始めました。吉江

のこぎり音楽

先週木曜日に、のこぎり演奏家のサキタハヂメさんのコンサートへ行ってきました。“のこぎり音楽”というと馴染みのない方が多いと思います。私も昨年末にサキタさんのファーストフルアルバム「サキタハヂメMusical Saw Songs "S"」を聴くまで全く馴染みがありませんでし た。“のこぎり音楽”とは、その名の通り、のこぎりを楽器として演奏している音楽で、サキタさんのホームページから詳しい説明を抜粋させていただくと、「椅子に座り片刃の西洋のこぎり(SAW)を足で挟み、ギザギザのない方をバイオリンの弓で擦る奏法とマレット(バチ)で叩くのが一般的な奏方である・・・(途中省略)18世紀、西洋の大工が木で叩いて音を出したのが発祥とされるのこぎり音楽も、今やアメリカ、カナダ、日本、ヨーロッパ、中国、韓国など、世界中の演奏家に受け継がれています」とのことです。のこぎりから奏でられる音は、とても優しく、丸みがあって、時に宇宙空間にいるような気持ちになる音です。口笛の音色に近い、というと分かりやすいかもしれません。コンサートではサキタさんのオリジナル曲、クラシックの有名曲、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」など、様々なジャンルの曲を演奏していました。
普段いろいろな音楽を聞いていて、それらの音楽の中から様々な楽器の音を聞いていることになりますが、その楽器というのは既に馴染みのあるものばかりで、新しい楽器との出会いは滅多にあることではないです。サキタさんの“のこぎり音楽”と出会い、それまで聞いたことのなかった音を聞いて、とても新鮮でした。民族音楽を聞いたときに、世界にはこんな楽器があったんだ、と新たな発見をすることがありますが、それに似た感覚でした。自分に馴染みのない楽器、全く知らない楽器が、まだまだあるはずなので、もっと追求して学んでいかなくては、と思います。この場を借りて、サキタハヂメさん、素晴らしい演奏をありがとうございました!
Production Manager 市川 祐子

2007/01/19

イタリア人は熱い


2002年に行なわれたクラウディオ・アバド指揮によるベルリン・フィルの模様がNHK HVで放送されました。会場はシチリー島パレルモにあるマッシモ劇場です。映画「ゴッド・ファーザー3」でアル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネの娘メアリーが凶弾に倒れる場面を覚えていますか。映画とシンクロしてマッシモ劇場で上演される「カヴァレリア・ルスティカーナ」の美しい旋律が流れていました。 そこへイタリア出身のアバドはイタリア人とは正反対の、厳格なドイツ人が中心となるベルリン・フィルを同行したのです。アバドはカラヤン亡き後1990〜2002までベルリン・フィル音楽監督の座にありましたが、2000年に生死をさまよう大病をし見事に復活し、この2002年は任期最後の年です。ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」が終わると歓喜のスタンディング・オベーション、「新世界」終演には靴を鳴らし、最後にヴェルデイの「シチリア島の夕べの祈り」が終わるとバルコニー席からはたくさんの花がステージに投げられ、ステージはその花でいっぱいです。真央ちゃんが滑り終わった後リンクに花が投げられるでしょ、あれと同じです。更に楽団員はその花を拾って胸ポケットに挿してアンコールに入ります。会場全体が熱気の渦状態で、人種を越えて一つになった瞬間です。私は一瞬だけシチリー島にいました。吉江一男

2007/01/09

香りと音楽♪

あけましておめでとうございます!!今年もよろしくお願い致します。
一年ほど前から”お香”に凝っています。日本古来のお香は香りが強く、クセがあるものも多いですが、最近はアロマの香りなどを入れたインセンスと呼ばれる西洋寄りのお香が多く売られています。いろいろなメーカーのお香(インセンス)を試しましたが、特に気に入っているのは「lisn」というお店の製品です。本店は京都で、関東には青山に支店があり、何十種類もの香りのインセンスを一本単位で購入できます。店内ではイージーリスニング調の音楽が流れていて、その音楽はお店の中で焚いているお香の香りに合っています。TV-CMの音楽は映像に合わせて作られますが、香りに合わせて音楽を作るというのも面白いことだと思います。香りというのは目で見る風景や映像よりも抽象的なので、それに合った音楽を作るのは難しいですが、花の香りには優しいメロディ、スパイスの香りにはリズミカルな音楽、etc.といった風にアイディアが浮かんできます。これからお香を焚くときは香りを楽しみながら、その香りに合った音楽を選んでみようと思っています。
Production Manager 市川 祐子

2006/12/19

サイモン・ラトル&ベルリン・フィルがサントラに参加

モーツアルトが生まれた1750年代のパリは汚く悪臭が立ち込めていました。中でも魚市場は世界で最も汚らしい場所で、そこで生まれた天才香水調合士の話が来年3/3に封切られる映画「PERFUMU」です。この映画はスコセッシやスピルバーグ等が20年間に渡りオファーをしても実現できなかったイワクツキのものです。ドイツ人のトム・ティクバ監督は音楽をサイモン・ラトル&ベルリン・フィルに依頼しました。バロックの時代設定に現代音楽が流れます。ラトルの音楽と共に、悪臭と世界で最も美しい香水の匂いを感じながらストリーは展開して行きます。乞うご期待、、、吉江一男

今年のCM音楽

現在放送されているCMの音楽は既成曲またはタイアップ曲が50%以上を占めています。95年位までは10%にも満たないくらいで、制作の現場ではエネルギーの殆どがオリジナル曲を制作するために費やされていました。がしかし、諸処の事情で使用料フリーのタイアップが平然と行なわれ、既成曲を安易にプレゼンに使い始めてから、この10年で我々の食い扶持である制作受注は半減した訳です。今年も去年に比較してオリジナル制作は減っています。タイアップは双方のメリットで行なわれているので口は挟みません。しかしプレゼン時のレコ選は真剣に考え直す時期に来ているのではないでしょうか。それによる諸処のトラブルが発生しています。でもそうなったのは我々音楽制作者の責任が大きいのです。バックアップ・イメージの確認の為に既成曲を出すのは一番簡単で、短時間で確認できるやり方ですが、プロの制作者として自分の言葉でサウンド・イメージを話せるかが問題なのです。要するに知識を持っていない人間があまりに業界に増え過ぎてしまい、クライアントからの信頼を失ったことの結果であるように思います。音楽制作者の皆様、もっともっと切磋琢磨して高いレベルの技術を身に付けましょう。私も頑張ります。吉江一男

2006/12/18

Daniel Hardingの革新

「のだめカンタービレ」のヒットとその影響でクラシックの裾野が広がったのは良かったことだと思う。主人公野田恵の音楽に向き合う革新的なところが共感を呼び、クラシックをただの古い年寄りの聴くものと敬遠してきた若年層に支持されたのでしょう。クラシックに比べて歴史の浅いポップスの進化は分かり易く、時代時代で大衆に支持されて来ました。しかし最近のポップスはどれもが画一的なのと、商業主義があまりにも見え過ぎな気がします。それに比較して、サイモン・ラトル以後のクラシック界はとてもチャレンジャブルで、音楽の可能性を広げているように思います。クラシックの場合はどの音楽家も同じ譜面を演奏する訳ですが、ラトルやアーノンクールがピリオド奏法を提唱してから、クラシックは全く変わってしまったのです。今秋催されたNHK音楽祭に出演してモーツアルトを振ったDaniel Hardingもピリオド奏法を実行する一人です。若干30才にして既に世界の代表的指揮者の仲間入りをした彼の音楽は全く別もので、今までのクラシックでは使われなかった言語である”グルーブ”が存在します。弦楽器はビブラートをつけないで演奏するので表情を出すのには右手のボーイングが要になり、言ってみればごまかしが効きません。縦の揃い方も一糸乱れず合うことを要求されます。これらは今のデジタル時代に合った考え方のようですが、実はピリオド奏法というのは、例えばモーツアルトの生きていた時代に立ち戻って、その時代はこうであったのではないかとの解釈から生まれているものです。ということは200年前の表現方法をバーチャルに再現したものが新鮮に聴こえているのでしょうか? とにかく私はこの奏法に触れてから、再び好奇心が再燃し始めました。特にハーディングに。吉江一男

2006/12/03

フィギュア・スケートの選曲

フィギュア・スケートNHK杯は浅田真央、村主章枝、中野由加里が予想通り1、2、3位を独占し終了しました。競技はもちろん興奮しますが、最終日のエキシビションは演技者がみなリラックスしていて楽しいですね。そこで選曲なのですが、荒川静香で「誰も寝てはならぬ」が国民的に有名になったことはまだ記憶に新しいですが、今夜織田信成くんはフランク・シナトラの「Fly Me To The Moon」で滑りました。この曲は世界中で多くのアーティスト達によってカバーされている名曲です。もともとは3拍子のワルツですが、カバーは殆どが4拍子で、ロック、ジャズ、ボサノバなど多岐にわたります。そんな中でこのシナトラ・バージョンはカウント・ベイシー・オーケストラをバックにしてアレンジはクインシー・ジョーンズです。こんなゴージャスで色っぽいジャズ・クラシックをバックに滑った織田くんはとても可愛く素敵でした。シナトラ・ソサエティー会員・吉江一男

山口東洋彦の「ベストCM100」CDジャケット・デザイン

11/29東芝EMIより発売された「ベストCM100」は日本のCMソングの第一号である”僕はアマチュア・カメラマン”から現在のヒットCMソングまでを、メドレーにして9バージョン収録し、それに”男と女のラブゲーム”などのメガ・ヒットからマニアックなフルサイズものを加えた2枚組のCDです。100曲のどれもがCMのために作られたオリジナルでタイアップ・ソングではありません。このCDをプロデュースするにあたり、中身はアゲアゲ!極彩色なので、それと全く相反するビジュアルでジャケットを作ろうと考えました。それも音楽や、CM業界意外の人間で独特のアイオニーが出せればと。そこで山口東洋彦という建築家にお願いしたのです。彼は日本で数年間修行した後、難関ミラノ工科大学建築科に留学、卒業後はローマにある今最も熱いマッシミリアン・フクサス建築事務所に勤務し、今春話題をさらったミラノ・コンベンションセンターhttp://www.arcoweb.com.br/tecnologia/tecnologia70.aspなどの設計に携わりました。建築家には一見気難しそうなイメージがありますが、初めて山口氏とこのようなコラボレーションをしてみて、建築家って何でも屋なんだってことが分かりました。吉江一男

2006/11/30

中島信也さんのオリコン・インタビュー

今週号のオリコンに信也さんのインタビューが載っています。内容は8/28広告の日に放送された資生堂の企業広告の音楽がテーマで、ご存知の方も多いかと思いますが、これは杉山登志さんの生涯を描いた特番の為だけに作られたCMです。90秒という最近では珍しい長尺サイズのものが2回流れた訳ですが、このわずかな放送にも拘らず、熊木杏里さんの音楽に問い合わせが殺到し、3ヶ月経って11/22にCDが発売されました。信也さんはインタビューの最後で「やはり良い音楽を流している広告っていうのは、コンテンツとしての価値が高いと本能的に感じる部分が大きいんだと思います。音楽をチープに作ったものは、コンテンツもチープに感じると思いますし。理屈や刺激ではなく、心で勝負して、気持ちが伝わるものが増えてくれば、音楽と映像で感動できるメディアとして、テレビ・コマーシャルがまた新たに機能し始めるのではないかと思います。以後省略」と語っています。最近は[テレビCM崩壊]なんていう本が出版され売れていたりで、テレビCMに対する危機が叫ばれていますが、信也さんの言うように心で勝負して良いオリジナルCMソングを作っていれば恐れることはないでしょう。信也さんとは数々の仕事でご一緒させて頂いてますが、どれもがCMのために作られたオリジナルばかりです、、、、、吉江一男

2006/11/28

My Linhのハノイ・コンサートに、、、

My- Linh(ミーリン)のコンサートを観るために先週21日からベトナム・ハノイに行って来ました。彼女は’04、’05と2年連続で最優秀アルバム賞を獲得しているベトナムの国民的歌手です。私はFriends Of Love The Earth Project(FOLTE)に参加したことで彼女を知り、先日発売されたCHAI CLASSICでも2曲参加してもらいました。今月11日にホーチミンからスタートしたシリーズは24、25のハノイでフィナーレを迎え、ハイライトは両日共にユーミンがゲスト出演したのです。FOLTE名古屋コンサートではユーミンがホステスとなり
アジアのアーティスト達を紹介したので、今回はその返礼的な両国トップ歌手の共演になりました。コンサートの模様は後日放送される予定ですので楽しみにして下さい。。。。フレンチ・コロニアルの建物がたくさん残っていて、緑溢れるハノイの街はとてもエキゾティックで、その中心にオペラハウスがあります。たまたまベトナム・シンフォニー・オーケストラのリハーサルに立ち会うことができ、ドビッシーのプレリュードを練習していたのです。きっと近い将来、1911年にできたアジアきってのオペラハウスで、彼達と音楽が作れる日が来ることだと思います。吉江一男

2006/11/22

水の楽器 "ウォーター・パーカッション"

数週間前、プレゼンテーション用の選曲をするにあたり、タン・ドゥンという中国生まれの作曲家を知りました。映画「グリーン・ディスティニー」のオリジナルサウンドトラックでアカデミー賞とグラミー賞を受賞し、世界中で注目されている作曲家です。
彼の作品には、水、風、石、紙などの自然な音をそのまま楽器として取り入れたものが多くあります。特に、水を使う楽器”ウォーター・パーカッション”を考案したことで注目を浴びました。演奏者は大きなボウルに湛えた水を、手ですくったり、かきまわしたり、叩いたりするそうです。水は波紋を描いたり、こぼれたり、弾け散ったりして音を奏でます。
2000年9月にドイツのシュトゥットガルトで世界初演され、CD化された「新マタイ受難曲-永遠の水」(タン・ドゥン作曲・指揮)を聴きました。2部(前半5曲、後半4曲)に分かれた作品で、”ウォーター・パーカッション”は前半の4曲目(「ウォーター・カデンツァ」)と後半の最後の曲(「水と復活」)でメインの楽器として使われています。「水と復活」は長さが10分あり、今までに聞いたことのない神秘的な音楽でした。”ウォーター・パーカッション”がリズムを刻むところから始まり、そこに弦楽器、混声コーラス、バス、ソプラノが加わります。そして、水を手で叩いたり、かきまわしている音が聞こえ始め、ティンパニの低音も加わり、曲が盛り上がっていきます。
水をテーマとした曲で水の音をそのまま使うのは、最も手っ取り早い表現法のように思えますが、ただ単に水を溢したり跳ねさせたりして音を出したのでは、効果音としてしか聞こえません。でもタン・ドゥンの”ウォーター・パーカッション”が奏でる音は音楽として聞こえてきます。それは水という自然界に存在する身近な物質を、他の楽器と同じように捉えて音楽を作り出す器具にしているからだと思います。
タン・ドゥンが次に来日するときには是非とも演奏会に行って、実際に”ウォーター・パーカッション”を見てみたくなりました。
Production Manager 市川祐子

2006/11/20

実は小惑星だった、、、、


今年8/28ザルツブルグ音楽祭で聴いたラトル&ベルリン・フィルの新曲は、実はラトル&ベルリン・フィルの「アド・アストラ」企画の一環として委嘱されたもので、世界初演は今年3月16日にベルリン・シンフォニー・ホールで行なわれその再演でした。ホルストの有名な組曲「惑星」が8/23にEMIより発売され、その中に収録されているではありませんか。そこにはコリン・マシューズの冥王星が新しく加わり、更に4人の現代音楽界の強者たちが小惑星をテーマにして参加しているのでした。このことが事前に分かっていたら楽しみ方が違っていたと思いますが、何の先入観なくして出会う新曲も刺激的ではありました。CDをスタジオに持ち込んでラージ・モニターで改めて聴いてみましたが、現代音楽ってほんとうに美しくて、音楽の未来の可能性が広がります。「惑星」の演奏も今まで聴こえなかった音がいっぱい聴こえて来ます。ところでラトルは2007年6月1〜3日にベルリン・シンフォニー・ホールでバレンボイムとブラームスのピアノ協奏曲2番を演奏します。私はつい先日この曲をサントリー・ホールで、アバド指揮・ルツェルン管弦楽団とポリーニによる偉大なる演奏を聴いて興奮がまだ残っているのです。この壮大な交響曲的協奏曲を今最も脂の乗り切ったバレンボイムと共演するんですよ。あー聴いてみたい。吉江

2006/11/06

ベトナムの歌姫 My-Linh

初めて投稿します。プロダクション・マネージャーとして日々の仕事を通して発見したことや感じたことを書いていきますので、よろしくお願いします!
今日は、現在発売中の「Chai Classic」で"愛の挨拶"と"別れの曲"を歌っているMy-Linh(ミー・リン)さんについて書きます。
私事ですが、ちょうど一年前に旅行でベトナムへ行きました。行く前にガイドブック等でベトナムポップスの人気歌手について調べていると、My-Linhの名前が出てきました。ベトナム滞在最終日にデパートのCD売り場に行き、店員に「My-LinhのCDで最新のものを下さい」と伝えると、My-Linhの写真に"Chat voi Mozart"というタイトル文字が書かれたジャケットのCDを渡され、それを購入しました。どんなCDなんだろうと思いながら日本に戻り、さっそく聴いてみると、クラシックの定番をポップス調にした曲をMy-Linhがベトナム語で歌っているものでした。My-Linhの美しい声に、ついつい聴き入ってしまいました。ベトナム語は全く分からないのに、すんなりと心の中に入ってくるのです。こんな歌唱力のある素晴らしい歌手を、もっともっと日本人にも知ってほしい、と思ったほどです。
そんなわけで、「Chai Classic」にMy-Linhが参加すること、そしてレコーディングのために来日することを聞いたときには、びっくりしました。実際にレコーディングを見学して、エレガントさと力強さとを掛け持つ彼女の歌声を間近で聴いて感激しました。
ベトナム旅行をきっかけにMy-Linhを知り、「Chai Classic」のレコーディングを通じて彼女と会えたことに、なんだか運命を感じてしまいました。
Production Manager 市川祐子

2006/09/21

Friends Of Love The Earth Projectに参加して。


このプロジェクトは去年の愛知万博ファイナル・コンサートにおいて、ユーミンがアジアのアーティスト達とコラボした際のユニット,
松任谷由実With Friends of Love The Earthから続くもので、去年はユーミンを含む5人でスタートし、テーマ曲『Smile again』が誕生しNHK紅白にも出場しました。今年は出演者も13組に増え、万博閉幕一週年を記念して9/17に名古屋でコンサートが行なわれました。そのコンサートの為に発表する新曲を作るにあたり、CM制作畑の私にプロデュース依頼の連絡が入ったのは5月の中旬でした。プロジェクトの主旨は、国籍や世代、キャリアを越え、ユーミンを中心にしてアジアの音楽家達がコラボレーションをしながらメッセージを発信して行くもので、参加者はそれぞれの母国語で歌います。そこで私は、限られたサイズの中で多くの言葉が入れられるラップ・コラボレーションを作ることを考えました。韓国からは、2年前に坂本龍一のアルバムに参加したことのあるMC SNIPERがOKの返事、日本からは11月にデビューをする京都出身のピッカピカの新人グループ、FAR EAST RHYMERSが、チベットからは雪蓮三姉妹がコラースを担当してくれることになったのでした。そしてサビはもちろんユーミンに歌ってもらいます。若いラッパー達がストレートに平和への願いをラップして、サビはユーミンがキュンとくる歌詞をメロディーに乗せるわけです。こんなパズルのような曲を作曲しトラックを作ってくれたのは、アメリカから参加したEAGER LUSH君とプロデューサーのKEN YOSHIEです。そして出来上がった曲が「Knockin' At The Door」です。日本から韓国、チベット、そして世界へと、まさに今年のプロジェクト・スローガンであるACROSS THE BORDERです。コンサートに来れなかったできるだけ大勢の人達にこの音楽を聴いてもらい、2010年まで続く日本発地球大交流プロジェクトを応援してください。i-Tunesより発売中。11/1にはARTIMAGE RECORDSよりCD(XNAR 30004)が発売されます。Producer, Kaz Yoshie
追記、この曲以外に2つの新曲が発表され、全てが配信されていることも付け加えておきます。

2006/09/04

サイモン・ラトルは凄い!!


〜ザルツブルグ音楽祭でベルリン・フィルを聴いて〜
今日は久し振りの投稿です。
私は8/19〜30までの間にヴェローナ野外劇場、メラーノ音楽祭、そしてザルツブルグ音楽祭とクラシック三昧の日々を送って来ました。今年はモーツアルト生誕250周年にあたるので、ザルツブルグが主の目的であったのは言うまでもありません。7月23日からスタートして8/30までの間、日に依っては朝11時、午後3時、夜と3公演があり、毎日モーツアルトが演奏されています。私も駆け足でレクイエム、イドメネオ、ドン・ジョバンニ、シンフォニ−#39#40#41等を聴いてモーツアルトを十分に堪能したわけですが、8/29と30日の2公演だけの為に来ていたラトル&ベルリン・フィルの29日公演に行ってびっくり仰天です。それはドビッシーのDrei Preludesを除いて、全曲21世紀に作られた現代音楽のプログラムで、世界中のいい感じのモーツアルト・ファンが集っているこの場で大胆不敵というかお見事です。曲目は相当なマニュアでも知らないのは当たり前で、せいぜい作曲家名は知っていても聴いた事のない曲ばかりでしょう、少なくても日本では。そんな新曲を70才になろう紳士淑女が眼を輝かせて楽しんでいるではありませんか。16型4管編成の大オーケストラの演奏が始まると、それは正にへんてこりんな現代音楽なのですが、私が今までに聴いた数少ない現代音楽コンサートの中で最も美しく、こんなに感動したことはありませんでした。変則極まりない拍子、奏法に拘らず全員がピッタリ合ちゃっていて魔法のようでした。最後にドビッシーを持って来るところはラトルの真骨頂で、100年前に書かれた曲のなんとみずみずしいこと。全てが現代に繋がっていることを分からせてくれました。こんなコンサートが実現できるのは、演奏家の音楽への真摯な態度、プロとしての確か過ぎる技術は勿論ですが、やはりラトルが偉くなっていないことと、新しい才能を発掘し文化の継承を大事に考えているからでしょう。ベルリン・フィルの芸術監督の地位なんて簡単なことではないので、偉くなっちゃっても仕方ないのに。私なんかそこにたまたまいただけで偉くなっちゃいますから。最後にプログラムを書いておきます。吉江一男
Kaija Saariaho[*1952] Asteroid 4179:Toutatis (2005) for Orchestra
Brett Dean[*1961] Neues Werk (2006)
Matthias Pintscher[*1971] Towards Osiris (2006) Orchesterskizzen
Mark-Anthony Turnage[*1960] Ceres(2006)
Henri Dutilleux[*1916] Correspondances(2003) for Soprano & Orchestra
Hanspeter Kyburz[*1960] Noesis(2001/03)
Claude Debussy[1862-1918] Drei Preludes in der Orchesterfassung von Colin Matthews

2006/06/29

CM NETWORKのカタログが充実しました。




CM NETWORKとは読んで字のごとし広告のネットワークです。広告音楽好きな人間ばかりが集まって1988年に結成されました。TM NETWORKを意識したりしてパロディーでなんか作ったものでは決してありません。本当にCM音楽が三度の飯より好きなんです。でも、何故か偶然にも、リーダーが長野県生まれの小諸鉄矢というハッピーな名前だったのです。それにリードを歌うことが多かった作曲家が偶然にも、前橋隆史というよく有りがちな名前でした。更に超絶ギターを弾けたのが、これも何故か偶然に臼直人ですから、よくもまあこんなに重なったものだとメンバー全員が嬉しくなっちゃった訳です。分かりますよね? コマソンは新鮮なフルーツをギューッと絞り出したジュースみたいで、喉と心の渇きを潤してくれます。制作者は、寿司カウンターのお客から”今日一番美味いのを握ってチョーダイ”って言われて、その日の極上ネタで握る板さんのような感覚に似ています。そんなCM大好き人間が毎回スタジオで渾身の気持ちを込めて録音したCMソングがi-Tunes Music Storeから配信されるんですから、皆様に聴いてもらえると嬉しいです。メンバー一同

2006/06/28

chai dance! 本日発売


2003年にchaiが発売されてから3年が経ちますが, 単一商品のCMソングを集めた特異なコンピレーションCDとしてこのシリーズは定着したようです。そこにはサントリーウーロン茶CMの人気の高さがうかがえます。今回のchai danceは、今年4月に放送されたi-Pod nanoプレゼント・キャンペーンに使用された西遊妹妹の「ペッパー警部」をはじめ、過去のCMの中で人気の高かった曲を中心に、80年代のダンス・ヒット曲を加えて、トランス,ハウス,ダンスホール等にミックスして出来上がりました。「ハロー!ミスター・モンキー」や「ロコモーション」等、今ブレーク中のカスケーダのようなハード・トランスなんかもあるんですけど、中国女性がやわらか〜い中国語で歌っているからでしょうか、、、どれもなごみ系ダンスになっちゃいました。「鉄腕アトム」はレゲトン・ダンス・ホールにしてほんとに可愛くなったと思います。これで癒し系のダンス・ミュージックという独特な領域ができるといいんですけどね、、、、吉江一男

西遊妹妹 - Chai Dance! - ペッパー警部(Pepper警長)i-Tunes Music Store
で配信中。

2006/06/13

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 アサヒ・スーパードライ(A.S.D)・シリーズ



今は日本を代表するビールになったA.S.Dは‘87年発売当初は関東地方限定の商品でした。その当時のアサヒのシェアーは10パーセント足らずで業界3位でしたが、博報堂の萩原高CDからは、行く行くは全国発売にこぎ着けアサヒの代表的な商品にしたいと熱のこもったオリエンテーションがあり、CMの映像は辛口作家の落合信彦氏を起用して作られました。萩原さんは博報堂では燃える制作者として名物だったので、他の仕事が手につかなくなる位に時間が拘束され(ギャラはちゃんとくれて面白いので問題なしですが)、特にこの仕事には沢山の時間とエネルギーが費やされました。萩原さんからの音楽の注文は“辛口な音”を作れでした。萩原さんの思う辛口な音とは、憂いのあるメロディーをしゃがれた声の男が歌い、都会的なサックスが絡むというものでした。それだけイメージが明確になっていると、こちらとしては作り易い訳です。そこでロス・アンゼルスに飛びNORMAN SALEETという作家に作ってもらい、CHARIS FARRENの歌に名前は忘れましたがサックスも入れて2曲を完成させました。編集時に”Special Woman”という曲に決まり発売第一号のCM・SONGが完成です。この当時はフルサイズの曲を2曲制作して1曲に絞っていた訳ですが、そのコストを考えると今では不可能なやり方ですね。A.S.Dは幸運な事に発売と同時に話題になり半年後に全国発売になりました。落合さんのシリーズも3年続き、音楽はJOHN WARREN, DAVID HALIDAYと繋がり,なかでもMARK DAVISが作りJOHN WARRENの歌った“Take Me Back”はオリコン洋楽第1位に輝いたのでした。MARK DAVISはこの後もオリコン洋楽第1位になるヒット曲を作り続け、A.S.Dの売れ行きも絶好調でCMも大量に放送され、日本国中が活気に満ち溢れていました。吉江一男

John Warren - CM TRACKS~よみがえる黄金時代~洋楽編 3 - Take Me Back
貴重なこれらの音源”Special Woman”“Take Me Back”“Private Motion”はi-Tunes Music Storeで購入できます。

2006/05/31

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 Boy George(4) 完成そして、、、




さてどうしようか?途中で帰っちゃったのには困りました。マネージャーとスタジオに戻るように交渉して2日が経ちました。ある程度ボーイの好きなように歌うことでOKをとったのでした。取合えず戻ってくれればこっちのものなので、気分を害さないように努めながら、
なんとか歌入れは終わりました。まだ撮影が残っていたのでスタッフはさぞかし胸を撫で下ろしたことと思います。こんなハプニングがあったのでミックスは日本でやることにして帰国し、馬飼野曲は内沼英二さんのミックスでブライトで派手な音が、細野曲は寺田さんのシャープでカッコイイ音が出来上がりました。映像の編集も終わりいよいよCMの完成です。MAルームで完成品を見た時は、これはヤバイと思いました。放送されると凄い反響で、この仕事をやってて本当に良かったと満足感で一杯になりました。しかし、このCMは間もなくボーイ・ジョージの事情により放送が打ち切られ、代役が後を努めることになります。音楽も同じオケを使いながら、ボーイの歌がロス・アンゼルス在住のシンガー・キップ・レノンに変わりました。キップはロスでは有名なレノン・シスターズの末っ子で、50人以上の物真似ができる、売れっ子のスタジオ・シンガーでした。ハプニング続きの忘れられない仕事のひとつです。終わり,吉江一男

KIPP LENNON - CM TRACKS~よみがえる黄金時代~洋楽編 3 - あなたのとりこキップの歌う2曲「あなたのとりこ」(馬飼野康二作)「恋のファイアー・ボーイ」(細野晴臣作)はi-Tunes Music Storeで購入できます。

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 Boy George(3) ボーイが帰っちゃった!

田町にあったアルファ・レコードのスタジオに細野さん、近田春夫、クリスが集まり、いよいよ細野さんのバック・トラックにクリスの仮歌を録音します。このスタジオではYMOをはじめ、ユーミン、吉田美奈子、ハイファイセット、ブレッド&バターなど錚々たるアーテイスト達がレコーディングしていました。細野さんはスタジオでは落ち着いていて、トップ・アーティストとしての風格がありました。近田は普段の録音と少し違い緊張気味です。クリスのクイーンズ・イグリッシュなまりの仮歌は上手くはないのですが、メロディーが分かればいい程度なので簡単に終わりました。馬飼野さんのデモは彼のハウス・スタジオで行なわれ、これもクリスと近田がそれぞれ英語詞と日本語詞を歌ってくれました。いよいよこの2曲を持ってロス・アンゼルスで録音です、、、、、、、、ボーイ・ジョージにはロスで初めて曲を聴いてもらうので、どうなっちゃうのか心配で胃が痛む思いをしていました。ベル・エアー・ホテルにスタッフ全員が集まり、ボーイを交えて最終絵コンテと音楽の打ち合わせが始まり、彼はとても協力的で全てがスムーズに運び、何日か後に録音するので曲を覚えて来てくれるように頼みました。録音はマイケル・ジャクソンなどが使用していたウエストレイク・スタジオで行なわれ、ボーイは細野さんの曲は完璧に覚えてあったので問題なく終わったのですが、馬飼野さんの曲になると全く違うメロディーで歌い始めるので、ディレクションするのにかなり困ったのでした。外国人との仕事では過去にも同じような経験はあるので慌てはしなかったのですが、私が細かく直しを入れるので、ボーイは気分を悪くして途中で帰ってしまいました。さあ大変です。つづく、吉江一男

〜輝ける80年代CMシリーズ〜クィンシー・ジョーンズ(4)「Back On the Block」


レコーディング終了の翌日、クィンシーから連絡が入りました。「グレート(素晴らしい)!」やったー!心の中で叫んでしまいました。そして素晴らしいアレンジをしてくれたジェリーをはじめ、アーティストやスタッフのみんなに心から感謝しました。
「でもひとつだけ気になるのはスネアドラムがほんの少し大きすぎる・・・」とのお言葉です。たしかに僕も気になっていたところです。今と違いやり直すのはたいへんです。「でも直すほどのことでもないよ、大丈夫。」ほっとしました・・・。
CMの撮影も完了し素晴らしい出来上がりになりました。数ヵ月後のことでした。クィンシーのニューアルバム「バック・オン・ザ・ブロック」がリリースになりました。盟友レイ・チャールズをはじめとした豪華なアーティストの競演によるすごいラインアップです。
なんとその中に今回の曲「トゥモロー」が収録されています。きっとクィンシーのすごいプロデュース&アレンジになっているのだろうと思いながら12曲目をプレイしました。イントロが流れます・・・えっ!!CMのアレンジとまったく一緒です。クレジットを見るとジェリー・ヘイをはじめとして同じミュージシャンです。たいへんだったヴォーカルのパートになると聴いたことのない素晴らしい歌声です。テビン・キャンベル、あとで天才的な逸材ということが分かります。うれしいやら、信じられないやらさらに素晴らしいディテールとなった「トゥモロー」を何度も何度も聴きなおしました。
終わり、渡辺秀文

2006/05/29

〜イタリア語のCMソングがオリコン洋楽1位に〜


1990年初夏、ライオンのプレーン&リッチというシャンプーのCMがスタートしました。出演は当時人気絶頂にあった浅野温子さんです。クリエーティブ・ディレクター・魚住勉、アート・ディレクター・井上嗣也、演出・結城臣雄という錚々たるスタッフで制作されるCMは、全編シシリー島で1ヶ月間撮影が行われ、名画「島の女」に登場するソフィア・ローレン扮するフェドラをイメージし、野性的で自由奔放な浅野温子の魅力を引き出すことが企画の骨子です。 私事になりますが、「島の女」は忘れられない映画の一つで、真っ青なエーゲ海に海女の役で潜るソフィア・ローレンのみずみずしい魅力に目が釘付けになり、胸が熱くなったのを鮮明に覚えています。それにジュリー・ロンドンが吹き替えで歌った「イルカに乗った少年」の切なく美しいメロディーが強烈で、映画館から帰るなり必死に思い出しながらピアノで弾いて音節を確かめたりしました。そんな素晴しい企画のCM音楽を任されたのですから、張り切らないわけがありません。この際思い切って全編イタリア語の新曲を作ってみようとチャレンジ精神がかき立てられ早速制作に入りました。作曲は私が全幅の信頼を置いていたMARK DAVISで、一緒の仕事で既にオリコン洋楽1位を何曲か獲得していました。彼は今回も期待通りにいい曲を書いてくれて、クライアントもとても気に入ってくれ、イタリア語の歌詞をつけ、MARKの素晴しいバック・トラックを持って、ついにミラノでの録音です。ミラノでは色々ありましたが、10人ばかりオーディションをしてEMI CALINAというミラノ女性に決めて歌ってもらい、後は東京でミックスをして映像に合わせるだけです。シシリー島の撮影が終わり、ミラノで合流した郡家淳プロデューサーと一緒に帰路につきました。
オール・ラッシュを見ると映像はどれもが美しく、浅野の魅力で満ち溢れていました。音楽を付けてみると皆無口になっちゃって、特に魚住さんの目が潤んでいたのを覚えています。完成したCMは放送と同時に話題になり、6月21日発売のCDはオリコン洋楽1位になりました。イタリア語のシングルが1位になるのはなんと20年振りだったのです。イタリアの映画音楽は日本人好みのセンチメンタルな曲が多く、私も青春時代にいっぱい聴きました。そんなイタリア映画への恩返しができたようです。吉江一男
この美しい曲は6/28発売の人気シリーズ“chai”第3弾”chai dance”に中国語バージョンで収録されます。
EMI CALINA - CM TRACKS~よみがえる黄金時代~洋楽編 2 - 彼女 (Mario)
オリジナル音源はi-Tunes Music Storeで購入できます。

2006/05/28

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 Boy George(2)





二人からデモ・テープが上がって来ました。細野さんにはダンス曲を頼んであったんですが、予想した通りに普通じゃない物ができてきました。メロを自らラララで歌ってるんですが、それが1オクターブ低いのでなんか暗くはっきりしなくて、何回も聴かないとイメージが掴めず、正直なところかなり不安になりました。それにテクノ系ダンスは縦乗りなのでシンコペーションをあまり使わないんですが、最初から最後までシンコペだらけ。流石!ですよね。結局私の出したこの曲の結論は゛キッチュさが最高dayone゛でした。そうそう映像の説明をもう少しした方がいいですね。映像はボーイ・ジョージ版西遊記でボーイが三蔵法師に扮し、孫悟空、猪八戒,沙悟浄はリック・ベイカーの特殊メイクによって作られました。ボーイの三蔵法師は彼のモノ・セクシャルな魅力が加わり妖艶で美しく、これ以上ピッタリの役はないだろうと思いました。そんな三蔵法師の前で孫悟空達が踊りや歌に興じるオアシスでの酒席の模様に細野さんの音楽がつきます。映像はド派手でキッチュに上がって来るのが想像できたので、細野さんの持っているスラップ・ミュージック的な部分とキッチュさが絶対に合うことは確信していました。さてクリスと作詞の打ち合わせです。ボーイと同じイギリス人アーティスト同士なので、私が細かいことを言うより先ず作ってもらうことにしました。クリスはとてもアーティスティックでスノッブな人間でしたが、CMを頼んだ時はアーティスティックな部分を残しながら分かり易いものを書いてくれました。馬飼野さんからもいい曲が上がって来て、後はクリスの歌詞が付き次第、クライアントとボーイに聴いてもらう為のデモ・テープの録音です。つづく、、、、吉江一男

2006/05/26

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 Boy Georgeをタカラ・缶チューハイに

84,85年の2年間でジョン・トラボルタ出演のCMが終わり、86年は年明けそうそうに凄いプロジェクトが来ました。それはカーマ・カメレオンの大ヒットで世界的スターになったボーイ・ジョージを起用しての新シリーズで、商品はタカラ焼酎”純”と”缶チューハイ”の二つがあり、両方にボーイ・ジョージが出演し、それぞれにオリジナル・ソングを制作するというものでした。企画打ち合わせに参加してみて、そのスケールの大きさに驚いたものでした。多分制作費的にCM史上最大だったと思います。ロス・アンゼルスから2時間位フリーウェイを飛ばした砂漠でロケをし、その当時最高のあらゆるCG技術を駆使し合成された映像は、私達の度肝を抜きました。演出は、JR東海・クリスマス・エキスプレスなどで知られる早川和良さんです。特殊メイクは”猿の惑星”で有名なメイクアップ・アーティストのリック・ベイカーが担当しました。さて音楽を誰に作ってもらうかですが、クライアントからはオリエンタルなサウンドが欲しいとの要望があったので、日本人作家から選ぶことにし、”純”はヒット・メイカーの馬飼野康二に、そして”缶チューハイ”は細野晴臣に、英語歌詞をイギリス人アーティストのクリス・モスデルに、”純”は日英歌詞のミックスにしたく日本語詞を近田春夫にそれぞれ頼むことにしました。
さあ、こんな豪華なメンバーでどんな物が上がって来るのか楽しみです!つづく、、、、吉江一男

2006/05/25

〜輝ける80年代CMシリーズ〜クィンシー・ジョーンズ(3)「アンドレ・クラウチ(ゴスペルの巨星)」


ロサンゼルスでの録音は、素晴らしいミュージシャンたちによって順調にスタートしました。ジョン・ロビンソンとニール・ステューベンハウスのリズム隊のステディだけど温かみにあふれたプレーには本当に感動しました。
その後にちょっとした難関が待ち受けていました。CMの企画の中で小学生くらいの黒人の男の子がこの曲にあわせて歌をうたうことになっていました。もともと歌詞のない曲ですのでまず知り合いの作詞家に英語詞を発注、そして歌う男の子のオーディションです。クィンシーの紹介で現れたのがなんとアンドレ・クラウチ!!
http://www.jaspella.com/music/artists/crouch_andrae/j-index.html
もともとはおもに教会だけで歌われていたゴスペル(神の御言葉という意味)をポピュラー音楽として定着させた立役者であり自らのクアイアー(聖歌隊)も有名です。いまでこそ日本でも人気のゴスペルですが、彼がいなければいまだに教会の中だけで歌われていたかもしれません。アンドレは素晴らしいナイスガイでとても親切に10人近い候補の男の子を連れてきてくれて一緒に手伝ってくれました。名前は忘れましたが8歳くらいのきれいな声を持った子をセレクトしとてもチャーミングなヴォーカル録音ができました。徹夜をふくむ3日間で無事に録音は終わりました。自分としては精一杯やりました。
さて、クィンシーははたして曲を気に入ってくれるでしょうか。入試の結果を待つような久しぶりの緊張です。つづく、渡辺秀文

2006/05/24

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 ‘87年 With ANITA O'DAY

(私の一番気に入っているアルバムです)

(Robin Loggie & Anita at Capitol Recording Studio)


今回は、前回のメル・トーメに続き、白人女性ジャズ・ボーカルの最高峰アニタ・オデイとの仕事の話です。ANAは国際線の就航を一気に加速させている時期で、新路線就航の度に大量のCMを放送していて、今回はビジネス・クラスのサービス・アップ・キャンペーンのCMです。今までよりシートが大幅に広くなり、忙しい仕事に追われているビジネスマンが、海外出張の際にゆったりとしたフライトが楽しめるようにとの思いが込められていました。ワンランク上の大人の為のCMと来れば “やはりジャズだよね、”ということで、何とアニタ・オデイ(http://music.goo.ne.jp/artist/ARTLISD19000/)を起用し、これもCMの気分を伝えてくれるオリジナル・ソングを制作することになりました。作家は前回の仕事で息の合ったところを見せてくれたアーサー・ハミルトンとジョー・ハーネルのコンビです。ジョーの弾き語りのデモも上がり、クライアントに聴いてもらったところ気に入ってくれたので、ロス・アンゼルスで本番です。
キャピトル・レコーディング・スタジオに現れたアニタは気さくで、声も大きく明る過ぎてビックリさせられ、レコードで聴いていたあの深い渋みのある歌からは想像できませんでした。全員が彼女のオーラに吸い込まれるように、お互いをレスペクトしながらハッピーな雰囲気の中でレコーディングは終了しました。これで雲の上の存在だったメル・トーメとアニタ・オデイという二人の偉大なるアーティスト達と一緒に音楽を作ることができて、CM音楽制作の醍醐味と面白さを実感し、ますますエネルギーが湧いて来たのでした。吉江一男
Anita Oday - CMよみがえるCM黄金時代 ~洋楽編1~ - Easy Life“Easy Life”と題されたこの希少なオリジナル音源はi-Tunes Music Storeで購入できます。

〜輝ける80年代CMシリーズ〜 ‘88年メル・トーメ


(From the left、Yoshie, Mr. Mel Torme, Arther Hamilton , Joe Harnell , Mel's manager at Capitol Recording Studio)

今回は、私がまだ高校生でジャズにとり憑かれ初めていた頃、最も好きだったシンガーの一人であったメル・トーメと仕事をした時の話です。今回の音楽は、東京ガスのシティ・エアコン・TOKIOのCM用に、都会的で洗練されたジャズを作って欲しいというクライアントからのオーダーにより制作されました。できればCITYを歌詞の中に入れて歌って欲しいとの具体的な要望を受け、作家と歌手の候補選びが始まり、その当時でまだ現役のジャズ・ボーカリストが何人か上がった中で、メル・トーメに白羽の矢が立ったのでした。メル・トーメは“ベルベットの霧”などと言われ、スキャットのアドリブを交えながら歌う独特のスタイルで、ジャズ・ボーカル史上に輝かしい足跡を残した偉大なるシンガーです。
http://oops-music.com/info/view.html?oid=3890
歌ってくれることを願いながら、ロス・アンゼルスのロビン(ビルボード・マガジン、ワーナー・エレクトラ・アサイラムを経て85年より弊社の現地スタッフとして勤務)に連絡をとってもらったところOKの返事が来ました。凄い!メル・トーメが歌ってくれる。楽曲を誰に作ってもらおうか? そこでJOE HARNELLとARTHER HAMILTONのコンビに依頼しました。JOE HARNELLはピアニストとして18枚のアルバムをリリースし、“Fly Me To The Moon”でグラミーを受賞し、ペギー・リーの代表曲“フィーバー”のアレンジもしています。ARTHER HAMILTONは、アメリカン・スタンダード史に燦然と輝くあの名曲“Cry Me A River”の作詞・作曲家です。私はペギー・リーのバージョンが秀逸だと思います。二人ともペギー・リーを通じて長い間親交がありました。そんな二人が日本のCMの為にオリジナル・ソングを書いてくれて、メル・トーメが歌うんですよ。夢のような話です。10日後位にJOEが自宅で弾き語りで録音したデモ・テープが届き、楽曲の美しさに目頭が熱くなったのを覚えています。ロスでのレコーディングは勿論キャピトル・レコーディング・スタジオで、ピアノ・トリオにジェリー・ヘイのトランペット・ソロを加えた編成で行われました。メルはスタジオに来ていたARTHER HAMILTONに会うと「あなたが、あの美しい曲Cry Me A Riverの作家だったんだね。会えて本当に嬉しい。今回の曲も素晴しいよ。じゃ歌おうか、、、」と言ってマイクに向かうと、スイートでシャギーなベルベット・ヴォイスをもったいない位十分に聴かせてくれて、最高のトラックが出来上がり、CMも無事に放送されたのでした。なおメル・トーメは1999年6月5日ロス・アンゼルスで74年の生涯を終えました。吉江一男
Anita Oday - CMよみがえるCM黄金時代 ~洋楽編1~ - Easy Lifeこの希少なオリジナル音源“The City”はi-Tunes Music Storeで購入できます。

2006/05/19

〜輝ける80年代CMシリーズ〜クィンシー・ジョーンズ(2)「アレンジャーにジェリー・ヘイを起用」


さて、期待と不安の入り混じった大きなプロジェクトがついに動き出しました。CMの内容は、アメリカの音楽を志す若者や、子供たちとクィンシー・ジョーンズとのふれあいを描いたヒューマンタッチの数本のシリーズです。撮影およびレコーディングは、ロサンゼルスで行われることになりました。今回の成功の鍵をにぎるのは、なんといってもアレンジャーです。僕やクライアントからのさまざまなリクエストに対して、さらに天下のクィンシー・ジョーンズが納得するようなクオリティでしっかりと表現してくれる実力のある人を探しました。そして、僕が大学のときに愛聴していたハワイのフュージョンバンド「シー・ウィンド」のリーダー、トランペッターのジェリー・ヘイに依頼しました。ジェリーは当時すでにアメリカではたいへんな売れっ子アレンジャー、トランペッターとしてクィンシーが手がけたマイケル・ジャクソンのアルバムや日本では松任谷由実のアルバムにおいてもホーンアレンジをやっていました。オファーしたところ快諾してくれ、僕の希望するアレンジの方向を理解してくれました。すぐにベーシック・トラック(いわゆるカラオケ)をつくるミュージシャンのリストが送られてきました。すごいメンバーで驚きました。ドラムスにジョン・ロビンソン、ベースにニール・ステューベンハウス、シンセサイザーにランディー・カーバー、そしてコーラス隊には、超有名なアンドレ・クローチ・シンガーズといった、当時の僕にとって夢のような布陣となりました。いままではリスナーの一人だった僕が、録音の中心になると思うと武者ぶるいがしました。さて、いざロサンゼルスへ・・・・渡辺秀文

2006/05/16

〜輝ける80年代CMシリーズ〜クィンシー・ジョーンズ(1)「不安いっぱいな大きな仕事」


1989年のちょうど今頃でした。20代も後半になってやっと仕事に充実感を感じられるようになって来た自分に、とても大きな仕事が舞い込んできました。プロジェクトは「日立製作所」のA&V(オーディオ&ビジュアル)キャンペーンです。出演は、クィンシー・ジョーンズ。泣く子も黙る音楽界の大プロデューサーです。
http://musicfinder.yahoo.co.jp/shop?d=p&cf=12&id=60533
ちなみにわが国の大作曲家である久石譲氏はそのペンネームを久石(クインシー)譲(ジョーンズ)からつけたそうです。
普通は、彼くらいの大物であれば、CMの音楽も当然自分のスタッフでつくるはず。ところが、そのときちょうど自分の集大成のアルバムを制作中で「だれか、日本人の音楽制作プロデューサーを立てて欲しい」という要請があり、僕のところに仕事が来たわけです。それも、クィンシーが過去にプロデュースした、ブラザース・ジョンソンの美しいインストゥルメンタル「TOMORROW」をカヴァーして欲しいということでした。大きな仕事をいただけたうれしさ以上に、本当にこの仕事をやり遂げることができるかという不安でいっぱいになりました。なぜなら、僕が企画してプロデュースした「TOMORROW」をクィンシーに気に入ってもらわなければならないからです。正直な話、当時の僕の実力では、とてもそんなだいそれたことができると思えませんでした。でも、先輩のプロデューサーを差し置いて僕に仕事を出してくださったスタッフの皆さんの期待に対して「よしっ!何とかやってみよう!」と決意を固めました。つづく、、、、
プロデューサー・渡辺秀文

2006/05/13

〜輝ける80年代CMシリーズ〜初めてのオリコン1位


1984年タカラ・缶チューハイのCMがスタートしました。出演は当時「サタデーナイト・フィーバー」の世界的ヒットで大スターになっていたジョン・トラボルタです。ジョンはCMでも映画と同じように当然踊りで決める訳ですが、
その大スターが踊るためのCM音楽を、一介の日本人である私がプロデュースするんですから、まあ大胆不敵というか、何と言うか、凄い話ですよね。そこで色々考えた末に、「サタデーナイト・フィーバー」と同じようなことをしても適わないので、独特なものにしようと思い、80年初頭リンダ・ロンシュタッドのアルバム「MAD LAVE」の殆どの曲を書き、ロス・アンゼルスを拠点にクリトーンズというオルタナティブなグループで活動していた、マーク・ゴールデンバーグに頼むことにしました。マークは丁度3ピースのアワー・タウンという新しいバンドを立ち上げたばかりでした。マークの書いてくれた”Waiting For The Green Light(恋のグリーンライト)”は、トラボルタの“船漕ぎダンス”とでも呼びたくなるような、ちょっと滑稽な踊りにマッチして、CM放送と当時に話題になり、オリコン洋楽・シングル1位になったのでした。私がプロデュースして1位になった最初の曲です。マークはその後、サントリー・ロイヤルのランボー・シリーズ等、日本でもCMで素晴しい仕事をいっぱいしています。
この曲も近いうちにアルバムに収録予定です。吉江一男

2006/05/11

〜輝ける80年代CMシリーズ〜JOHN LIND


ジョン・リンドって知ってますか? きっとこう言えば分かるかな? あのアース・ウィンド&ファイアーの“BOOGIE WONDERLAND”や、マドンナの“CRAZY FOR YOU”の作家です。1985年DJ In My Lifeのヒットの直後に、同じHONDAのバイク・TACTの制作依頼がきました。私は“CRAZY FOR YOU”という曲が大好きだったので、その曲を作った作家と仕事ができたらいいなと思い、ロス・アンゼルスに連絡したら即OKの返事です。レコーディングはサンタモニカのスタジオで行われ、私も良く知っているマーク・ゴールデンバーグをはじめ、ロスの精鋭達が集まって、全部生で録音されました。残念なことにこのシングルはヒットしませんでしたが、私のたっての頼みであった、“CRAZY FOR YOU”がジョン・リンドのセルフ・カバーでカップリング収録されています。貴重なこのバージョンはi-Tunes Music Storeで購入できます。
吉江一男

2006/05/07

〜輝ける80年代CMシリーズ〜DJ IN MY LIFE


85年「Overnight Success」のヒットから間もなく、Hondaの新50ccバイクDJ-1の制作依頼が来ました。ホンダの商品には“ゴリラ”や“モンキー”など面白くユニークなネーミングが付いていて、このDJ-1も、ウオークマンを聴くみたいに気軽にどこででも楽しんでもらいたいということなのでしょう。CMの映像では黒人のDJがおかしなカンフー・ダンスを踊りながら、ノリノリでプレイしていて、そこに商品名のDJを歌い込んだ英語のオリジナル・ソングを乗せることになります。商品名が音楽に関連したものだけに、作られる歌はCMソングとしての役割を当然果たしながらも、それ自体に独立性があり、CMソングの枠を超えてヒットする可能性を持っていることが大事だと考えました。そこで"愛しいDJさま、私の悲しい心を慰めてくれる曲をかけて下さい“と、失恋した女の子の気持ちをセンチメンタルなメロディーに乗せて歌えば、グッと来るんじゃないかと思い、大ヒット曲「OVERNIGHT SUCCESS」のコンビ、ジョーイ・カルボーンとリッチー・ズィトーに頼むことになりました。特にジョーイはイタリア系らしいセンチメンタルなメロディーが得意でした。彼に出したリクエストは、サビの出だしはDJから始まり、♩DJ〜〜♩を繰り返すことでジングルとしての形態になっていて、なおかつヒットの要素を含むものでした。ジングルとは繰り返すという意味で、通常アメリカではCMソングをそう呼びます。商品名を繰り返し歌うわけですから、押し売り的に受け取られることがあるのは否めませんが、今回は作り方次第でそうでなくなる訳です。そこがパズル解きみたいで楽しいんですね。期待通りのデモが2曲上がり、我々はユーロ・ポップ的なマイナーのメロディーを選びました。トラック・メイキングの中心はリッチーで、特に彼のギターが入った途端にサウンドはパワフルになります。そしてマニアックな話になりますが、バック・コーラスはBETH ANDERSENで、あのヒット曲「NEVER ENDING STORY」をリマールとデュエットしているスエーデン出身の美人歌手です。また丁度同じ頃ラジオでは、ダイアナ・ロスにリッチーが書いた「TOUCH BY TOUCH」という曲が頻繁に流れていました。そんな一流ミュージシャン達の力で、新人歌手ANNIEが歌う「DJ IN MY LIFE」が出来上がりました。そして放送が始まりシングル・レコードが発売されて、見事オリコン洋楽1位になり、85年の年間洋楽チャートでも10位になりました。リッチーはそれ以後、エディー・マネーとチープ・トリックをプロデュースし、それぞれビルボード第一位を獲得し、ジョーイも数々の日本人アーティストをプロデュースし成功しています。世界の音楽家達が日本のCMの為に集まり、国境を越えた瞬間です。Music is the most beautiful in our life ! (プロデューサー・吉江一男)
Annie - CM TRACKS~よみがえる黄金時代~洋楽編 2 - DJ In My Life
お聴きになりたい方は i-Tunes Music Storeで購入できます。

2006/05/05

〜輝ける80年代CMシリーズ〜「OVERNIGHT SUCCESS」


1984年にソニー・カセット・テープのCMから誕生したのが、その為に作られたオリジナル曲の「OVERNIGHT SUCCESS」です。OVERNIGHT SUCCESSとは、例えばブロードウェイでは、ミュージカルが初演を迎えた時、翌日の新聞に載る論評次第で成功の是非が決まるという厳しい裁きがあり、もし好評だったらその公演は成功を保証されるので、そんな初演翌日の成功に対して言います。
このCMは仲畑貴志さんが企画し、結城臣雄さんが演出したものですが、映像はブロードウェイのステージで複数の男女が成功を夢見てダンスのリハーサルの真最中です。ブロードウェイ・ミュージカルと言えば「コーラス・ライン」が大ヒットしている頃でしたが、音楽はそれよりポップ・ロックな方向で行こうということになり、映画「フラッシュ・ダンス」のテーマ曲「WHAT A FEELING」(歌:アイリーン・キャラ)を作ったスタッフに頼むことになりました。この曲はユーロ・ディスコの達人であるジョルジオ・モローダーの作曲ですが、サウンド・メイカーはリッチー・ズィトーとアーサー・バーロウです。リッチーはジョルジオ・モローダーを手伝う前にはエルトン・ジョン・バンドにいました。そのリッチーと同じニューヨーク・ブルックリン生まれで幼なじみのジョーイ・カルボーンが、リッチーと二人で作家&プロデューサー・チームを組んでいたので、彼達に白羽の矢が立ったという訳です。発注から10日程で2曲のデモ・テープが出来上がり、それを1曲に絞り、ロス・アンゼルスでいよいよ本番の録音です。オケはあっという間に最高のものができたのですが、歌手選びが大変でした。歌手のオーディションには2日用意してあったのですが、キャラクターとクオリティーに満足のいく者が見つからず、あと1日延ばす事にしました。そこで最後に現れたのが、神様,仏様、テリー・デサリオだったのです。一発でOKでした! 彼女は81年に、KC & サンシャイン・バンドのハリー・ケイシーとのデュエットでビルボード1位を獲得していたのでした。流石! その出来立てホヤホヤの音を持って、撮影が行われるニューヨークに飛びました。私、、じゃなくて、音を待っていたスタッフは、プレーバックするなり大満足の表情で喜んでくれたのでした。撮影も順調に終わり、後はオン・エアーを待つのみです。果たしてOVERNIGHT SUCCESSになるか???
これがなっちゃったのでした! オン・エアーと同時に問い合わせが殺到です。オリコン洋楽1位は勿論ですが、総合でもトップ10入りです。年間でも1位「WE ARE THE WORLD」、2位「NEVER ENDING STORY」に次いで3位になってしまいました。OVERNIGHT SUCCESS、いい言葉ですね!  (プロデューサー・吉江一男)
TERI DESARIO - CM TRACKS~よみがえる黄金時代~洋楽編 2 - Overnight Success
i-Tunes Music Storeで購入できます。