2006/11/30

中島信也さんのオリコン・インタビュー

今週号のオリコンに信也さんのインタビューが載っています。内容は8/28広告の日に放送された資生堂の企業広告の音楽がテーマで、ご存知の方も多いかと思いますが、これは杉山登志さんの生涯を描いた特番の為だけに作られたCMです。90秒という最近では珍しい長尺サイズのものが2回流れた訳ですが、このわずかな放送にも拘らず、熊木杏里さんの音楽に問い合わせが殺到し、3ヶ月経って11/22にCDが発売されました。信也さんはインタビューの最後で「やはり良い音楽を流している広告っていうのは、コンテンツとしての価値が高いと本能的に感じる部分が大きいんだと思います。音楽をチープに作ったものは、コンテンツもチープに感じると思いますし。理屈や刺激ではなく、心で勝負して、気持ちが伝わるものが増えてくれば、音楽と映像で感動できるメディアとして、テレビ・コマーシャルがまた新たに機能し始めるのではないかと思います。以後省略」と語っています。最近は[テレビCM崩壊]なんていう本が出版され売れていたりで、テレビCMに対する危機が叫ばれていますが、信也さんの言うように心で勝負して良いオリジナルCMソングを作っていれば恐れることはないでしょう。信也さんとは数々の仕事でご一緒させて頂いてますが、どれもがCMのために作られたオリジナルばかりです、、、、、吉江一男

2006/11/28

My Linhのハノイ・コンサートに、、、

My- Linh(ミーリン)のコンサートを観るために先週21日からベトナム・ハノイに行って来ました。彼女は’04、’05と2年連続で最優秀アルバム賞を獲得しているベトナムの国民的歌手です。私はFriends Of Love The Earth Project(FOLTE)に参加したことで彼女を知り、先日発売されたCHAI CLASSICでも2曲参加してもらいました。今月11日にホーチミンからスタートしたシリーズは24、25のハノイでフィナーレを迎え、ハイライトは両日共にユーミンがゲスト出演したのです。FOLTE名古屋コンサートではユーミンがホステスとなり
アジアのアーティスト達を紹介したので、今回はその返礼的な両国トップ歌手の共演になりました。コンサートの模様は後日放送される予定ですので楽しみにして下さい。。。。フレンチ・コロニアルの建物がたくさん残っていて、緑溢れるハノイの街はとてもエキゾティックで、その中心にオペラハウスがあります。たまたまベトナム・シンフォニー・オーケストラのリハーサルに立ち会うことができ、ドビッシーのプレリュードを練習していたのです。きっと近い将来、1911年にできたアジアきってのオペラハウスで、彼達と音楽が作れる日が来ることだと思います。吉江一男

2006/11/22

水の楽器 "ウォーター・パーカッション"

数週間前、プレゼンテーション用の選曲をするにあたり、タン・ドゥンという中国生まれの作曲家を知りました。映画「グリーン・ディスティニー」のオリジナルサウンドトラックでアカデミー賞とグラミー賞を受賞し、世界中で注目されている作曲家です。
彼の作品には、水、風、石、紙などの自然な音をそのまま楽器として取り入れたものが多くあります。特に、水を使う楽器”ウォーター・パーカッション”を考案したことで注目を浴びました。演奏者は大きなボウルに湛えた水を、手ですくったり、かきまわしたり、叩いたりするそうです。水は波紋を描いたり、こぼれたり、弾け散ったりして音を奏でます。
2000年9月にドイツのシュトゥットガルトで世界初演され、CD化された「新マタイ受難曲-永遠の水」(タン・ドゥン作曲・指揮)を聴きました。2部(前半5曲、後半4曲)に分かれた作品で、”ウォーター・パーカッション”は前半の4曲目(「ウォーター・カデンツァ」)と後半の最後の曲(「水と復活」)でメインの楽器として使われています。「水と復活」は長さが10分あり、今までに聞いたことのない神秘的な音楽でした。”ウォーター・パーカッション”がリズムを刻むところから始まり、そこに弦楽器、混声コーラス、バス、ソプラノが加わります。そして、水を手で叩いたり、かきまわしている音が聞こえ始め、ティンパニの低音も加わり、曲が盛り上がっていきます。
水をテーマとした曲で水の音をそのまま使うのは、最も手っ取り早い表現法のように思えますが、ただ単に水を溢したり跳ねさせたりして音を出したのでは、効果音としてしか聞こえません。でもタン・ドゥンの”ウォーター・パーカッション”が奏でる音は音楽として聞こえてきます。それは水という自然界に存在する身近な物質を、他の楽器と同じように捉えて音楽を作り出す器具にしているからだと思います。
タン・ドゥンが次に来日するときには是非とも演奏会に行って、実際に”ウォーター・パーカッション”を見てみたくなりました。
Production Manager 市川祐子

2006/11/20

実は小惑星だった、、、、


今年8/28ザルツブルグ音楽祭で聴いたラトル&ベルリン・フィルの新曲は、実はラトル&ベルリン・フィルの「アド・アストラ」企画の一環として委嘱されたもので、世界初演は今年3月16日にベルリン・シンフォニー・ホールで行なわれその再演でした。ホルストの有名な組曲「惑星」が8/23にEMIより発売され、その中に収録されているではありませんか。そこにはコリン・マシューズの冥王星が新しく加わり、更に4人の現代音楽界の強者たちが小惑星をテーマにして参加しているのでした。このことが事前に分かっていたら楽しみ方が違っていたと思いますが、何の先入観なくして出会う新曲も刺激的ではありました。CDをスタジオに持ち込んでラージ・モニターで改めて聴いてみましたが、現代音楽ってほんとうに美しくて、音楽の未来の可能性が広がります。「惑星」の演奏も今まで聴こえなかった音がいっぱい聴こえて来ます。ところでラトルは2007年6月1〜3日にベルリン・シンフォニー・ホールでバレンボイムとブラームスのピアノ協奏曲2番を演奏します。私はつい先日この曲をサントリー・ホールで、アバド指揮・ルツェルン管弦楽団とポリーニによる偉大なる演奏を聴いて興奮がまだ残っているのです。この壮大な交響曲的協奏曲を今最も脂の乗り切ったバレンボイムと共演するんですよ。あー聴いてみたい。吉江

2006/11/06

ベトナムの歌姫 My-Linh

初めて投稿します。プロダクション・マネージャーとして日々の仕事を通して発見したことや感じたことを書いていきますので、よろしくお願いします!
今日は、現在発売中の「Chai Classic」で"愛の挨拶"と"別れの曲"を歌っているMy-Linh(ミー・リン)さんについて書きます。
私事ですが、ちょうど一年前に旅行でベトナムへ行きました。行く前にガイドブック等でベトナムポップスの人気歌手について調べていると、My-Linhの名前が出てきました。ベトナム滞在最終日にデパートのCD売り場に行き、店員に「My-LinhのCDで最新のものを下さい」と伝えると、My-Linhの写真に"Chat voi Mozart"というタイトル文字が書かれたジャケットのCDを渡され、それを購入しました。どんなCDなんだろうと思いながら日本に戻り、さっそく聴いてみると、クラシックの定番をポップス調にした曲をMy-Linhがベトナム語で歌っているものでした。My-Linhの美しい声に、ついつい聴き入ってしまいました。ベトナム語は全く分からないのに、すんなりと心の中に入ってくるのです。こんな歌唱力のある素晴らしい歌手を、もっともっと日本人にも知ってほしい、と思ったほどです。
そんなわけで、「Chai Classic」にMy-Linhが参加すること、そしてレコーディングのために来日することを聞いたときには、びっくりしました。実際にレコーディングを見学して、エレガントさと力強さとを掛け持つ彼女の歌声を間近で聴いて感激しました。
ベトナム旅行をきっかけにMy-Linhを知り、「Chai Classic」のレコーディングを通じて彼女と会えたことに、なんだか運命を感じてしまいました。
Production Manager 市川祐子