2009/05/18

スージー甘金氏の個展

弊社のキャラクターを20年以上に渡り書いてくれているスージー甘金さんの展示会が5/21からB GALLERY(BEAMS JAPAN 新宿6F)で開催されます。
塗りコミックとは元祖マンガイラストレーターのスージーさんが1980年代にあみ出したと言われる、現代のマンガとは一線を画したペイントスタイルのコマ割りマンガです。アメコミへのリキテンシュタインのアプローチに対して、ユーモアとアイロニーを加え、商業主義を拒んでマンガを描くスージーさんのオールカラー・コミックブック「塗りCOMIX(08年発売)」からの原画を中心に展示します。
また、彼に強い影響を受け、現在さまざまなメディアで活躍中の塗りコミック派アーティスト9名(小田島等、河井克夫、川崎タカオ、キクチヒロノリ、白根ゆたんぽ、マー関口、友沢ミミヨ、花くまゆうさく、本秀康)による書き下ろしも展示します。デジタルを拒みアナログな手法を用い、1コマ1コマで絵画的なアプローチを行なう塗りコミック派の作品を、日本が誇るマンガ文化の異なる視点として再評価してみるのは有意義だと思います。

2009/05/11

TATAMIのCARMEN



久々のTATAMIニューシングルはオペラに挑戦です。リミックス・アレンジャーにCAMILLO WOODSを迎え、ビゼーの「CARMEN」の中から、有名なアリア「ハバネラ」をダンスチューンにミックスしました。CAMILLOの品のある筋の通った音楽性が随所に聴き取れます。購入はこちらからTatami - Carmen (feat. Camillo Woods) - Single

2009/05/03

原信夫とシャープス&フラッツ

半世紀以上にわたり日本のビッグバンドジャズの先頭を走って来たビッグバンドが今年、活動に終止符を打つ。リーダーの原信夫は1951年にシャープス&フラッツ(シャープス)を結成し、ジャズを軸に歌謡曲、ロック、電子音楽まで実験的に何でも取り入れた。1967年にはジャズメンあこがれの舞台、ニューポート・ジャズフェスティバルへの出場を果たした。原さんは日本らしさを出すために尺八と三味線を同行し、大成功を収めた。その時の尺八は藤原道山の師匠である山本邦山であった。その凱旋コンサートがあり私も当然聴きに行った。私は16才の頃から高校の仲間やブラスバンの先輩達を集めて自分のビッグバンドを持ていたので、数々のコンサートに行ったが、この夜のことは今でも鮮明に覚えている。日本のビッグバンド・ジャズが世界にはばたいた瞬間だった。それ以来私は追っかけのようになり、シャープスが毎年夏に軽井沢で合宿をしている話を聞いて、私のバンドSWING OF YOUTHもバスをチャーターして軽井沢合宿を敢行したり、原さんが美空ひばりに書いたヒット曲「真っ赤な太陽」をレパートリーに加えたりしていた。原信夫さんお疲れさまでした。いっぱい夢を見させてくれてありがとうございました。

2009/04/30

ファビオ・ルイージ&ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

昨晩はサントリーホールでファビオ・ルイージ&ドレスデンがあった。2時スタートのマチネーだったので、快晴のもと、広場にあるカフェでゆったりと午後ティーを飲みながら、開演前のリラックスした時間を楽しんでから入場した。サントリーホール前の広場はヨーロッパ的で、コンサート前後に余韻を楽しむことのできる日本では希有なホールだ。終了後にカフェでワインなどを飲んでいると、演奏し終わったばかりのミュージシャン達といっしょになることがあり、彼等との距離が近づいた感じがして親しみを感じる。さて、昨晩のドレスデンの演目はオール・リヒヤルト・シュトラウスで「ドンファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「英雄の生涯」で、このドイツ伝統のオケにはまさに最高のプログラムだった。このオケは音量がバカでかいのでR・シュトラウスものは迫力があって気持ちが良い。そしてイタリア人指揮者ルイージとの相性が余程良いのだろう、2006年にザルツブルグで聴いた時より更に濃密な演奏になっている。

2009/04/24

マリア・ジョアン・ピリシュ

彼女のピアノ・リサイタルが22日すみだトリフォニーホールであった。私はこのホールはピアノをはじめリサイタル向きだと思っていて、新日フィルとの協奏曲プログラムはパスした。後期のショパン作品を中心に組んだ今回のプログラムは、ピリシュ・ファンにとって嬉しい限りだ。当日はピリシュによる、落ちついて、エモーショナルになり過ぎない、ショパンのメランコリックなメロディーを聴きながら、安らぎの中で爽やかな春の宵を堪能した。彼女の生まれ故郷ポルトガルのリスボン・ジェロニモス修道院で行なわれた、ピエール・ブーレーズ指揮ベルリンフィル・ヨーロッパ・コンサートのモーツアルト協奏曲20番はお奨めです。

2009/04/20

山下達郎6年振りのライブ

先週の金曜日は山下達郎6年振りのライブを中野サンプラザで聴いた。6時半から始まり10時までの3時間半、シュガーベイブ時代から現在までのヒットソング満載プログラムで、たっぷりと極上のパフォーマンスを堪能させてもらいました。達郎さんは今年で56才になりましたが、あの高音を歌い切るのは超人的です。6年半もライブができなかったのはドラマーの青山純が他のアーティストに持って行かれたせいだと告白していましたが、若干24才の新メンバー小笠原拓海さんは素晴しいドラマーだと思います。ドライブ感、テクニック、そしてルックスと言うことなしで、達郎さんも将来日本の音楽界を引っ張って行く逸材だと紹介していました。今年は新生達郎バンドでライブをいっぱいやるそうです。楽しみですね。

2009/04/09

CiENの高速ラップ



キユーピーハーフの新バージョンが流れ始めた。スペイン語ラップは前回同様のCiENだ。今回は最終形になるまでに前回以上に時間をかけた。CiENのパワフルな高速ラップが録れた時点で、どこまでバックトラックを削ぎ落とせるかがポイントになり、作家EAGER LUSHの繰り出すキャッチーなフレーズを残酷にカットし、結局ドラムスだけで行くことにした。CM音源はこちらで聴けます。http://www.mr-music.co.jp/top.html

2009/02/16

エルサレム賞を受賞した村上春樹


63年に始まったエルサレム賞は隔年で、個人の自由や社会、政治を題材にした作品を発表した作家に贈られる。過去の受賞者には英国の哲学者バートランド・ラッセルや、メキシコの詩人オクタビオ・パスらノーベル文学賞受賞者が名を連ねている。授賞式に出席した村上さんは英語で演説し、ガザ攻撃について「1000人以上が死亡し、その多くは非武装の子供やお年寄りだった」と言及し、事実上イスラエル軍の過剰攻撃を批判。日本国内で受賞拒否を求める声が挙がったと説明するとともに、「私は沈黙するのではなく(現地に来て)話すことを選んだ」と述べた。立派な態度だと思う。どこかのリーダーのように言質をとられるのを恐れて黙っているのとは対照的だ。和田誠さんとの共著「ポートレート・イン・ジャズ」を久し振りに読んでみたくなった。

2009/02/12

ハイティンク&シカゴ交響楽団


先週4日にサントリーホールであったコンサートに行った。小学生の頃NHKの「シカゴ交響楽団アワー」をいつも見ていたのでこのオーケストラには特別の思いがある。演目はモーツアルト「ジュピター」とR・シュトラウス「英雄の生涯」で、円熟のオランダ人指揮者ハイティンクとシカゴの演奏はニュートラルで軽やかだった。深刻にならないのはコンサート・マスターをはじめ弦楽器に東洋人が多いことにも起因しているかも知れないが、オランダ人の音楽は総じて明るくニュートラルなところが私は大好きだ。

2009/02/09

日本自転車振興会・ケイリン


前回に引き続きリアリティーのあるインパクトの強い新作が流れ始めました。制作スタッフは前回と同様、企画タグボート、演出前田良輔、音楽は中川俊郎です。1月5日昼間に中川はピアノ・ソロだけを録り、そのままロスアンゼルスへ出発したので、最終的にフィニッシュ・ワークは弊社ハウス・アーティスト佐藤彰信がやりました。中川の個性的なピアノ・ソロに後からドラムス、ギター、ベースをかぶせるのはちょっと難しい作業になりますが、佐藤は一人で全ての演奏をこなし難題を見事にクリアーしました。演出の前田さんも一発OKだったそうです。できたてのオリジナル音源はこちらで聴けます。http://www.mr-music.co.jp/top.html

2009/02/05

泣けるCMを作ったクリエーターの本


「クリスマス・エキスプレスの頃」三浦武彦x早川和良という本が2月9日に日経BP出版センターから発売される。この二人は”泣けるCM”を作ったクリエーターだ。80年代後半に放送されたJR東海のエキスプレスシリーズを覚えている人は多いだろう。私もハックルベリー・エクスプレスに参加させて頂き、そこから中川俊郎の名曲が誕生した。この本にはDVDが付いていて泣けるCMの真髄が見られる。大型書店でお求め下さい。

2009/02/03

『題名のない音楽会』 45周年番組

今週日曜に放送された番組はとてもおもしろかった。「題名〜」http://www.tv-asahi.co.jp/daimei/はクラシックを中心に構成され1964年の開始から45年も続く長寿番組である。そしてスポンサーがその間出光興産の一社提供であることは特筆に値する。また1964年は第18回東京オリンピックが開催された年でもあり、日本が高度成長に向かってエネルギッシュに動き始めていた頃だ。そんな元気な時代にこの番組は若き作曲家黛敏郎氏の司会で「ゴールデン・ポップス・コンサート」のタイトルで始まった。黛さんは作曲家としての才能はもちろん、背が高く日本人離れした顔立ちで、洗練された話し方と身のこなし方が外人ポクてカッコ良かった。同じ頃、日本フィルを創設し初代指揮として活躍した渡辺暁雄さんもカッコ良かった。中学生の私は毎週土曜日の夕方にフジテレビの公開番組「日本フィル・アワー(?)」の収録で東京文化会館に行くのが習慣だった。話しを「題名」に戻そう。去年からパーソナリティーが佐渡裕さんに変わったのでオーケストラを鳴らすのはお手の物だ。今回の特番のメイン曲は黛さんの「響宴」で、数々のエピソードを交えながら話しが進んで行く。その中で、1961年にバーンスタインとニューヨークフィルが初来日し、この曲を同行していた若干25才の副指揮者小沢征爾が振ったことを小沢さん自身が語っていた。黛さんは当然バーンスタインが振るものと思っていたでしょうから、さぞかしがっかりしたのでは、、、、と。そんなエピソードが披露された後、いよいよ佐渡さん指揮による演奏が始まった。この曲は長唄やガムランなど東洋の伝統音楽を随所に取り入れ、それに現代音楽やジャズ的要素をミックスさせ、前衛的でエキゾティックで、高度な演奏技術を必要とします。佐渡さんはエネルギッシュな指揮で見事に現代に蘇らせ、黛ワールドを堪能させてくれました。日本には素晴しい音楽がいっぱいあります。クラシック音楽に対して西洋の呪縛から逃れることの難しい日本人にとって、今回の番組は日本人らしさを見つめ直す良い機会だと思いました。番組制作の皆様ありがとうございました。

2009/01/28

キユーピー ハーフCM音楽に問い合わせが殺到

EAGER LUSHの作ったキユーピー ハーフのCM音楽にいっぱい問い合わせが来ています。アップデートでシンプルなトラックにスペイン語ラップが乗っている珍しさと、EAGERのキャッチーなサウンドが耳に残るんでしょう。CM用に作ったオリジナル音楽でアーティスト・クレジットを入れずに放送して問い合わせが入るのは制作者冥利です。90年代にヒットしたポカリスエットのCMには一切クレジットが入っていませんでした。

2009/01/21

スージー甘金画伯の新書




弊社のキャラクターを30年書いてくれているスージーさんが全編フルカラーのコミックブックを発売しました。ユーモア、ギャグ、風刺、パロディー満載です。

監修は本秀康さんです。
http://www.cdjournal.com/Company/products/mook.php?mno=20081208

2009/01/19

リクルート・ゼクシィCM


ふわーとした浮遊感のあるメロディーが流れています。弾いているのはノコギリで、作曲演奏は世界的なノコギリ奏者のサキタハジメです。フランスの電子楽器オンド・マルトノと似ていますが、より素朴で原子的ですね。サキタは去年オーケストラとノコギリの協奏曲を作曲共演しました。それは音楽的に3部形式の古典的なもので、サキタの音楽的な才能が随所に感じ取れる力作です。将来はカーネギー・ホールでコンサートをやるのが夢だそうです。今まで誰もやらなかったことに挑戦し続けるのが彼の魅力で、イタリアの教会でやったソロライブも大勢のイタリア人達が感動していました。マイクとアンプが要らないので、何処へでも簡単に行ってライブができます。ちなみに今週21日は表参道のカワイ楽器パウゼにて7時よりヨーロッパ凱旋ライブがあります。軽妙なトークとノコギリ音楽を楽しむのは如何ですか? CMのオリジナル音源はこちらで聴けます。
http://www.mr-music.co.jp/top.html

2009/01/15

09年新年会

1月12日に青山にあるブラジル音楽のライブ・レストラン『プラッサオンゼ』で新年会を催しました。社員スタッフが勢揃いし明治神宮での初祈願を終えた後、親しくしている作曲家とエンジニアの皆様をご招待し毎年開いています。今年はブラジル音楽の強者達4人組バランサを迎えて、不景気なんてなんのそのカーニバル・ムードで盛り上がったのでした。




2009/01/13

イギリスの広告業界も不況に、、、

今朝のCNN HEADLINEを見ていたらイギリスの広告業協会会長が出ていて、広告業界も不況に陥りその深刻度は増すばかりとのこと。だいたい広告業界トップがCNNのインタビューを受け、そのような現状を吐露する位イギリスは危機的状態にあるようだ。日本もそうならなければ良いが、、、、

2009/01/10

明けましておめでとうございます。





今年は年明けそうそうロスアンゼルスで録音が有り、年末より休暇をとっていたマウイからそのまま現地入りしました。カリフォルニアの空は明るく、気温も暖かく、むしろ冬のマウイよりも気持ちが良い。2日後に到着した中川俊郎とプロデューサーの福島を空港でピックアップし、ロデオドライブにあるイタリアンレストランで昼食をとり、翌日の録音に備えて(?)腹ごしらえです。ホテルにチェック・インし軽く睡眠をとった二人を、ディナー前にビバリー・ウィルシャー・ホテルに連れて行き、バーでカクテルを飲みディナーはMATSUHISAです。松久信幸と私は高校が同じで、私はブラスバンド、彼は応援団だった関係で一緒に野球の応援によく行ったものです。そんな級友がレストランNOBUで世界的有名なシェフになったのは嬉しい限りです。ニューヨーク、ロンドン、ミラノなど各地のNOBUで食べてみましたが、私は彼が最初にオープンした本店のMATSUHISAが一番美味しいと思います。今回は作曲家とプロデューサーにカリフォルニア気分を満喫してもらうために先ずキスラーのシャルドネから始まり、カレラ・ジェンセン2004の順でワインを選びました。料理はソムリエにおまかせです。二人は時差もなんのその、運ばれて来る料理に感嘆の声を上げながら、特に中川俊郎は大食漢ぶりを発揮したのでした。美味いワインとメシを腹一杯食べて翌日の準備は万端です。録音はキャピトル・レコードに40人を入れて行われました。コンサート・マスターはシド・ページです。中川の複雑な変拍子の音楽をどんな風に演奏するのか正直不安もありましたが、特にブラス群の華やかで乾いた音と、木管群の明るく弾む音はさすがで、遠くまでやって来た甲斐がありました。以上お正月の特別メニューでした。