2007/11/27

Wyclef Jeanの新作


アトランタ・オリンピックの真最中1996年7月19日から、私はジャマイカのキングストンにCM録音のためにいた。20日に空港に近いレスランで食事をしていたらブラジル人が大勢いて、明日の試合は絶対にブラジルが勝つから見ていろ、と上機嫌だった。しかし21日の試合で軌跡が起ったのである。あの、マイアミの軌跡だ。翌日同じレストランに行ったら連中がいて、意気消沈ガクっとしているので、ラム酒をご馳走してあげた。それはさておき、その頃フージーズが大ブレーク中で、リミックス・エンジニアのハンゼル・タッカーのスタジオにオーバーヒートの石井さんに連れられて行った。その時に丁度ローリン・ヒルのあの[Killing Me Softly]のリミックスをやっていたのでした。とにかく延々と続くそのモニターの音量のバカデカさに、我々が普段やっているものとは全く違うことを知らされた。ヤマハ10Mもデカク聴くので破けちゃうからラッカーでスピーカーを塗りつぶし固めてある。そのフージーズの中心メンバーだったWyclefの10年振りのアルバムを聴くと胸が熱くなり、賞賛の言葉がなかなか見つからない。音楽でこんなに自由になれるって素晴しいことだと思う。吉江一男

2007/11/26

久し振りのLA録音

先週は連休を上手く使って、LAにストリングスと木管とハープを録音するために行って来た。80年代はトランペットのダビングだけのために行ったりしていたが、最近は制作現場の状況が変わってしまいチャンスがない。日本のCMはとにもかくにもVOICE OVERが多いので、どっちみち音楽なんか聴こえないとの諦めが制作者自身にあり、感動に対する拘りがなくなってしまった。以前にも言いましたがそれは私達の問題でクライアントではありません。いくらVOICE OVERが多いのなんのと言っても良いものは良いのですよ。良い物とはどういうものか?それは一言で言うと強い愛とプロ意識によってできるのだと思います。そんな思いでスタジオに開始時間の30分前に入ると、ミュージシャン達は全員揃っていてウォーミングアップをしているではありませんか。日本で30分前にスタジオ・ミュージシャンがウォーミングアップしているのを見たことがありますか? No, NEVERですよね。インペク屋さんにクレームしてもこれは直らないのです。レストランだってオープン前に仕込みをするでしょう。本来は当たり前のことなのに、日本ではそんなことを言ったらギャラをその分よこせと来る。LAでは、白人、黒人、アジア人、ラテン系と多種多様な音楽家達がスコアーに真摯に向き合ってくれる。そしてその多様なカルチャーから出て来る音が日本で録るのとは違ったテイストを作り出す。オケは生ものなので演奏家と指揮者で大きく変わってしまうから、きっとその違いがTV放送された時に必ず出て来る筈です。吉江一男

2007/11/07

ビルボードライブ東京


久々の投稿です。先日、念願のビルボードライブ東京に行ってきました。8月にミッドタウン内にオープンして以来、数々の大物アーティストが来ています。オープニングを飾ったスティーリー・ダンの公演には是非とも行きたかったのですが、残念ながら見逃してしまいました。
今回、私が観たのはR&B界のディーヴァと称されるAmerie。バックバンドとダンサーを引き連れてのパワフルなライブで、Amerieの歌声とダンスのレベルの高さに圧倒されました。
ビルボードライブの贅沢な空間には感激です。少人数制で、どこの席からもステージを近くに感じられ音響も素晴らしいです。弊社のオフィスから非常に近いので、これからはもっと頻繁に行きたいと思っています。(ちょっとチケット代が高めですが。。。)今後どんなアーティストが来るか楽しみです。
市川祐子

2007/11/06

Eagles[Long Road Out of Eden]


Eaglesは70年代私が最も数多く聴き込んだバンドだ。LAに住んでいた72年に初ライブを観た。またリンダ・ロンシュタッドのライブではバーニー・リードン(Eagles創設メンバー)がいて、Take It Easy(Eaglesデビューシングル)をジャクソン・ブラウンとデュエットしていた。あの頃のロス・アンゼルス(LA)にはリンダをはじめジョニー・ミッチェル、アンドリュー・ゴールド、JDサウザー、ジェームス・テイラー、カーリー・サイモン、カーラ・ボノフ、スティーブン・ビショップなどがいて光輝いていた。ニューヨークから来たアート・ガーファンクルが多くをLA録音で制作した[BREAKAWAY]は名盤だ。DISNEY GIRLSでアンドリューが弾いているウクレレとアコギ、[I ONLY HAVE EYES FOR YOU]ではドラムス、ピアノ、ギターを弾いているのだが、ガーファンクルの風のようなボーカルにLA・サウンドが気持ちよく馴染んでいる。去年ヒットした[You're Beautiful]のイギリス人歌手ジェームス・ブラントも録音とミュージシャンはLAである。いつでもLAは暖かく乾いていて心地良い。そんな大好きなLAからぎっしりLAが詰まった[Long Road Out of Eden]と名付けられたニューアルバムが届いた。美しいアカペラから始まり、2曲目のシングル曲[How Long]は72年にJDサウザーがデビュー作として発表した[John David Souther]に収録されていた曲だが、カントリーロック調で力の抜けた演奏は未だにEAGLES健在を示す。特にグレン・フライのボーカルは力強くてスイートだ。ドン・ヘンリーは少しパワーが落ちているとはいえ、憂いを帯びたシャギーな声は魅力的だ。ドンフェルダーが抜けてしまったのは残念であるが、逆にティモシーとジョー・ウォルシュの4人の強固な結びつきを感じる。最近街に出る時は秋風に吹かれながらもっぱらこれである。吉江一男

Always続3丁目の夕日

先週土曜日は六本木シネマで早速Alwaysを観て来た。すべてが生のオーケストラ録音で、そのオーケストレーションと録音において佐藤直紀の腕前は以前にも増して一段と磨かれていた。エンドロールに流れる藤原基央(Bump of Chiken)の曲がまたグッとくる。俳優達はあまり好きじゃないが、、、おじさんやっぱり泣けちゃいます。吉江一男

2007/11/02

ACCフェスティバルのパーティー

昨日はACCが年1回開くコマーシャル・フェスティバルの授賞式とパーティがあった。今年の音楽賞は資生堂企業広告の作詞をした演出家の中島信也さんと作曲・歌を担当した熊木杏里さんが受賞した。CMの日に一回だけ放送されて話題になった例のCMです。受賞者の熊木さんのライブがあり私はステージ前に陣取って聴き入ったのでした。受賞曲「新しい私になって」を歌った彼女は、宴会場で酒が入り決して良い環境ではないセッティングの中で素晴しいパフォーマンスを披露しました。特にピッチの正確さには脱帽です。全くの新人が一回きりの放送にも拘らずこんな成功を収めることができるんですね。TV CMにはパワーがなくなって来たと言われていますが、まだまだ捨てたもんじゃありませんよ。それにしても中島信也さんの芸の広さにも驚きますね。吉江一男