2008/09/25

PRISCILLA AHN


昨晩はブルー・ノート・レーベルからメジャーデビューしたばかりの女性シンガー・プリシラ・アンのライブをBOXXで見た。最初の曲「DREAM」に象徴される柔らかい甘く囁くような声が一つの特徴なのだけれど、ライブで聴く彼女の歌はそれだけに限らずダイナミックスが広い。全曲抑揚たっぷりなギターの弾き語りに、本人のハーモニカ、カズーなどのソロを交え、それぞれの技術が高く芸達者である。ギターのアルペジオにしてもシンプルな中に時々加えるテンションはジョニー・ミッチェル的な部分を感じる。でも最高の魅力はイノセンス・ミッションにも通じるあの甘く柔らかい声だ。彼女は現在ロス・アンジェルスを拠点にしているが、出身はイノセンス・ミッションと同じペンシルバニアで、これも何かの縁かも知れない。

2008/09/24

リカルド・ムーティ&ウイーン・フィル

昨晩のウイーン・フィルは素晴しいの一言だった。彼等の演奏を聴いているとオーケストラにおける弦セクションの重要性がはっきりと認識できる。縦は北朝鮮のマスゲームのように美しく揃い、魂の鼓動がうねるようなグルーブを、音量差の大きいけれど抑制のきいたダイナミックスを、鍛えられた脳内筋肉が作り出す。オケは団体格闘技であり、高いレベルのプレーヤーがチームプレーに徹した時に勝つのだ。まさにウイーン・フィルはドリームチームだ。そんなプレーヤーから厚い信頼を得て監督のムーティは指揮をする。音楽で勝ち負けを論ずるのは如何なものかと思うが、そんな気持ちにさせられる。

2008/09/23

B'z20周年記念ライブ



9月20日は日産スタジアムでB'zのライブを3年振りに見た。私は彼等のライブを20回以上は見ているが一度も期待を裏切られたことがない。今回の結成20周年記念ライブも二人の極上のパフォーマンスと緻密な演出で、去り行く夏の夜に夢のような時間を過ごすことができた。切れ目なく怒濤のごとく繰り出されるヒット曲を聴いて、その音楽的な独特性と自立性に改めて敬意を表したい。新しいスタートおめでとうございます!

2008/09/19

AVRIL LAVIGNE


今週月曜はアブリルのライブを見にドームに行った。席はラッキーなことにど真ん中の7番目で見ることができた。ウオームアップは大塚愛とパフィーが出演し、本番前からかなり盛り上がった。アブリルのステージはシンプルで、巨大スペクタクル化している現在の作りとは一線を画していた。それは彼女のパフォーマンスに対する大きな自信の裏付けでもある。バックバンドがパワー全開してもどこそこの歌手達と違い歌詞の隅々までクリアーに聴くことができるので気持ちが良い。久し振りに大納得のライブでした。

2008/09/16

パコと魔法の絵本

この映画の監督中島哲也はCM出身だ。前回の「嫌われ松子~」は素晴らしかったので早速観に行った。前作に増してテンポが速く痛快な映画である。中島さんとは80年の中頃から色々なCMでお付き合いしたが、いわゆる目の付けどころが違うのだ。ある日CMの演出のためにジャネット・ジャクソンのPVを見て「日本人にはどうやってもこの格好良さを演出することはできないんで、侘び寂びでやるっきゃないよ、、」って言っていた。確かにその頃はそうであった。しかし1998年に木村拓哉を起用して作ったJRAのCMあたりから作風が全く変わったのだ。この頃から映画監督としての将来を見据えていたのではないか。私はこのCMを今も最近10年間の#1だと思っている。

2008/09/09

サントリーボスよどこまでやるのか、、、

トミーリージョーンズの出演で面白いシリーズCMを流しているサントリーボス。今回は中島みゆきの「地上の星」をバックにNHK紅白のパロディーだ。時は2002年の大晦日、黒部川第四発電所からの生中継でみゆきはこの歌を熱唱し、年明けにオリコン1位に輝いたのであった。世界的俳優のジョーンズと、日本人にしか分からないウルトラ・ドメスティックなアイデアとのギャップが何とも痛快だ。

2008/09/08

サイトウキネン・フェスティバル2008

6日の夜は19時よりサイトウキネン・オーケスオラの実況放送がNHKBSであった。このフェスティバルは小沢征爾が彼の恩師である故斎藤秀雄の功績を讃えて1992年に始めたものです。サイトウ・キネン・オーケストラは、1984年、世界各地に散る同門の志が、恩師齋藤秀雄先生没後10年に集い、メモリアルコンサートを開いたことから生まれた、世界に類をみないオーケストラです。 同門の志以外にも小沢を崇拝する世界中の演奏家が毎年夏に長野県松本市に集まり、今年は8月13日から9月9日まで開かれています。会期中には一流プロのコンサート以外にも、若手音楽家のデビュー、子供音楽会、マスタークラスなどたくさんのプロゴラムが組まれます。小沢はバーンスタインと共にこれと同じようなタングルウッド音楽祭に長く関わってきました。今年の最後を飾るのは6日から8日、9日の3日間行われるオーケストラBプログラムで、演目はモーツアルトのシンフォニー#32、武満徹のヴィジョンズとマーラー「巨人」の3曲。なんと分かりやすい曲が並んだことでしょう。この夜の小沢さんは情熱的で若々しく、音が波打って躍動していました。「巨人」第3楽章第2主題には泣かされました。こんな素晴らしいコンサートを見ていると日本人として誇りを感じるのと同時に、世界共通の感動的なCMが我々にも作れないものかと考え込んでしまう。

2008/09/07

福田化した日本のCM

福田さんの辞任報道を見ていると最近のCMの現象とよく似ていることが分かる。決めたことが簡単に覆る。前へ進まなくてはならないのに、指導力のあるリーダー不在がため皆で喘いでいる。この充満した閉塞感から抜け出すにはどうすれば良いのか? 他人事では済まされないように思う。そんな折りに「あなたと違うティーシャツ」(早過ぎませんか?)が登場し売れているという。もう笑い飛ばすしかないか?